徹底検証!2前回に引き続き、佼成女子が近年、いわゆる「MARCH以上の有名大学」への合格実績を伸ばしている理由を、「留学」の観点から検証してみたい。


ご存じの方も多いが、佼成学園女子高校には「特進留学コース」という、おそらく日本の高校で最も進んでいるシステムを持っている。これは、高校1年生の終わりから高校2年生にかけての1年間、クラス全員がニュージーランドに留学する制度である(留学クラス)。そしてその成果は、単なる英語力以外の場面、例えば今回のように、大学受験で出てきているそうだ。

事実、2006年度(2007年3月)にMARCH以上の有名大学へ合格した70人中、約半分は留学クラスの生徒だった。しかも彼女たちは入学当初、特進文理クラスよりも成績は劣っていたという。

その秘密を探りに、国際交流部の中野先生にインタビューしたところ、意外な答えが返ってきた。

「一言でいうと、『根性がついた』ということですね」(中野先生)

確かに、これまで親元を離れたことがない生徒たちが、1年間も異国に放り込まれるのだ。そこには楽しいだけじゃない、様々な体験があったであろう。言葉の壁。生活習慣。寂しさ・・・。しかしそれらを乗り越えて帰国した彼女たちは、まるで別人のように、たくましく成長しているのだ。「みんな人生甘くない、ってことを学ぶのですね。だから帰国してからの『一年限定の受験勉強』からも逃げ出さずに、全力で取り組めるのです。留学中は何でも自分でやらなければいけないし、人を頼れません。ここで培われた強い精神が、その後の受験にも役立っているのです」(中野先生)。

さらに、留学はクラス全員で行っているため、仲間たちで励まし合って乗り切っている。だから帰国後も、苦労を共にしたチームメイトとして、受験勉強でも励まし合い、立ち向かうというのだ。「受験は孤独です。でも仲間がいれば、どれだけ気持ちが安らぐことか」(中野先生)。

1年間の留学を通じて育まれる「強い精神」と「人間関係」。そしてそれで乗り切る「受験勉強」。佼成女子の大学合格実績急上昇のキーワードが見えてきたようだ。

(文責・教育ライター 吉本真一)