第3回 「心が折れない」指導

■女子を支える女性スタッフ

バスケ部そんな松田先生を支えるスタッフも豊富だ。男性である松田先生を、2人の女性スタッフがサポートする形で、女子だけのバスケ部を固めている。

蒲絹枝先生は、松田先生とタッグを組んで17年になる。そのうち14年間は、佼成女子のバスケ部を支えてこられた。選手の技術はもちろん、栄養面でのサポートも行い、貧血ぎみの選手には毎日の食事もチェックしている。さらに、選手に万が一のケガがあっても、経験に裏付けられた迅速・的確な応急処置を施している。
加えて、選手が道を踏み外しそうになった時には、しっかりと正しい道へ導くなど、バスケ部にとっては、まさに「母親」といった存在だ。

そしてもう一人が、松田先生の薫陶(くんとう)を受け、黄金期を支えたメンバーでもあった結城葉月先生。大学を卒業し、佼成女子に教員として帰ってこられた。着任されて1年目。そんな、選手たちの「お姉さん」でも結城先生にインタビューを試みた。


■メンタルケアも取り入れた新生バスケ部

都大会で初戦敗退するような「弱いバスケ部」の出身だったという結城先生だが、佼成女子高校に入ってめきめき力をつけ、前述の「ベスト4」時代を作り上げた。

「うちの高校には『中学時代に全国大会の経験がある子』はいません。でも、そんな子でも私みたいに、がんばれば出来るんだぞ、ということを経験してもらいたいんです。そのために私たちは、生徒たちの気持ちが折れないように、『心のサポート』をしています。くじけたり、飽きたり、心が揺れ動くのを、しっかり支えているんです」(結城先生・談)

生徒との年齢が近い、結城先生のようなスタッフを配置して、メンタル面にも注力する「新生バスケットボール部」。今それは着々と動き出している。

練習中の結城先生
▲「私はこの学校でやってきた経験もあるし、年齢も近いし、同性でもあるので、選手の気持ちがわかるんです。『あの子落ち込んでるな』とか『ちょっと悩んでるのかな』という時は、すぐに声をかけるようにしています」と語る結城先生


■取材を終えて

練習風景取材で明らかになった、松田先生の厳しい心の鍛錬と、蒲先生、結城先生たち女性スタッフのケア。これらが両輪となり、生徒たちは精神が鍛えられ、「心が折れない丈夫な子」に育っていた。

指導が難しいといわれる思春期の女子。そんな子たちの心を、強く育むための体制がここにあった。これが「佼成女子に入って伸びる」という結果を生み出していたのだ。

他にも「新生バスケットボール部」には、コートを贅沢に使え、ケガ防止のトレーニングにもしっかりと目が行き届く、といった好環境も揃っている。そして平成19年4月から「スポーツクラス」(平成21年4月からは「スポーツコース」に名称変更)が出来たおかげで、生徒たちの意識も変わってきた。
来年度の活躍が大いに期待できそうである。

(文責・写真: 教育ライター 吉本真一)

【徹底検証】なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか(1)

【徹底検証】なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか(2)