第1回 文武両道

バスケットボール私は仕事柄、全国の高校や大学を、年間のべ200件ほど取材している。しかしその数に比べ、後々まで記憶に残る学校というのは、実はそんなに多くはない。
ところがそんな中にも、きらりと光る個性のため、忘れることが出来ない学校はいつくか存在するものだ。
佼成学園女子中学高等学校も、そのひとつである。
この世田谷区にある中高一貫の女子校は、入学時点での偏差値はごく普通の、いわゆる「中堅校」なのだが、卒業時の、例えば有名大学への合格者数などを見ると、「上位校」に比肩する。
それはどうしてなのか? なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか?
その秘密を、クラブ活動、学習、心という3つの側面から分析し、数回に分けて検証してみたい。

吉本真一(よしもと・しんいち)
ライター、編集者、カメラマン。大阪府出身。同志社大学大学院を卒業後、金融会社、出版社勤務を経て、2004年よりフリーランスとして独立。教育系を専門とし、中学から大学まで、教育関係の動向を幅広く取材・執筆している。東京都在住。一児の父。



■良い学校は、「文武両道」に優れている

「良い学校」とは何だろう? どうすれば学校の良し悪しを判断できるのだろう?
その基準として、教育界には「東大と甲子園」という言葉がある(例えば、矢野眞和『大学改革の海図』p.109玉川大学出版部 など)。すなわち、「東大」とは学習の面の実績、「甲子園」とはスポーツや文化などクラブ活動の面での実績のことで、これらが「良い高校」を見分ける際の判断材料となるのである。昔からあった「文武両道」という言葉を、現代風にとらえなおした表現ともいえる。
この両面が伸びている学校は例外なく、「心が折れない丈夫な子」の育成に力を入れている。その結果、「良い学校」という評価につながっているのだ。

■早稲田政経への現役合格者

さて、ここで佼成女子に目を向けよう。
これまで各種の受験媒体や、佼成女子のHPなどで報告されている通り、ここ数年、「文武両道」の「文」の面においては非常に目ざましい成果をあげている。山本校長の「改革」が奏功し、とうとう昨年度は、私学文系最難関ともいわれる早稲田大学政経学部へ、現役の合格者を出すまでとなった。文字通り「東大」が見えてきているのだ。

■進学とクラブ活動の両立

バスケットボール部
一方、「甲子園」すなわち、「武」の面ではどうだろう。佼成女子はそちらもぬかりはないようだ。
女子校なので当然「野球で甲子園」という選択肢は初めからないのだが、各種クラブ活動、特にハンドボール部や書道部、吹奏楽部が大活躍している。これらのクラブは、進学校という限られた時間環境の中で、実に効率よく練習をしており、常に良い成績を出し続けている。特にハンドボール部の各大会での勝利の戦歴は、まさに「甲子園」を達成したと言える。
そして次の「甲子園」を目指しているクラブもある。バスケットボール部だ。
次回は、そのバスケットボール部に取材を試み、「佼成女子で伸びる」というヒントを探る。


(文責・写真: 教育ライター 吉本真一)

【徹底検証】なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか(2)

【徹底検証】なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか(3)