第5回「佼成女子」ブランドの確立

ネイティブ教師と前回は、「英語の佼成」について分析し、
特に「英語を伸ばすと、難関大学合格者が増えた」
という事実を紹介した。

今回は引き続き、江川教頭へのインタビューにより、それらの理由を明らかにしてみたい。

■苦手科目を減らす

「英語を伸ばすと、難関大学合格者が増えた」という理由を、江川教頭は次のように分析する。
「難関大学合格者数の伸びは、英語教育以外にも、『学習部』や『放課後講習室』の成果もありますが、英語に力を入れた結果『苦手科目が1つ減った』という点が、相当大きいと思います」。
つまり、学校全体で英語教育を強化したところ、生徒たちが少なくとも英語を苦手科目としなくなった、というわけだ。
確かに小学校と違い、中学・高校では、英語が必修科目となる。ところがこの英語がくせもので、ここでつまずくと、勉強全体への苦手意識へとつながりかねない。佼成女子ではその点に着眼し、まずは英語を得意科目にすることで、勉強への苦手意識をなくすことに成功した。さらに大学受験では、英語以外の科目を集中して勉強する余裕が生まれ、合格実績も向上した。
まさに山本校長が、かつて大阪の女子校で実証した「英語を伸ばせば、学校全体が伸びる」ということが、東京の佼成女子でも証明された形だ。
これが、「佼成女子に入った子は伸びる」原動力だ。
入試説明会
▲校内で開催された入試説明会にも、例年以上の来場者。佼成女子への注目度の高さがうかがわれた。

■「佼成女子」というブランドの確立

江川教頭

▲都内の進学塾のショーウインドーを使ってPRを行う江川教頭。山本校長の改革を陰で支え、佼成女子を周囲にアピールするため、休む暇なく活動している。
そのような全校挙げての努力が結実し、志願者も着実に増え続けている。取材時点(2009年1月31日)では、中学の出願者数が、前年度比5割アップという結果も出たという。まさに「佼成女子」というブランドが確立しはじめたといえる。少子化で受験生が減っている時代でも、きちんとした努力を積み重ねれば、おのずと結果は生まれている。
このブランドの確立には、江川教頭の力に負うところも大きい。広報室長も兼務される江川教頭は、数々の方策を練り佼成女子を広めてきたアイデアマンだ。塾への広報活動や、私学各校を取りまとめて開催する「受験フェア」、併願しやすい受験日程の調整や、ホームページコンテンツの強化。さらに今年度の中学入試では、公立中高一貫校の入試スタイルに沿った「PISA型入試」を全国に先駆けて導入した。

■普通の女の子を「才媛(さいえん)」に

江川教頭は言う。
「確かに佼成女子の入試偏差値は、決して高いとはいえません。ただ、佼成女子に入学してくれたお子さんをしっかり勉強させ、3年ないしは6年後には希望の大学に進学させる自信はあります」。

事実、「四谷大塚80%合格判定偏差」などの偏差値で見ると、佼成女子の入試難易度はそこまで高くない。普通の女の子なら入学できるレベルである。だが、「早慶上理、G-MARCHなどへの合格延べ数」で見ると、たちまち上位校に肩を並べ、「入学偏差値50」の学校すら超えてしまう。
「佼成女子に入った子は伸びる」。その言葉の裏には、江川教頭をはじめとする教職員の努力があったというわけだ。

個別相談

▲「今年度の入試説明会に来られた皆さまは、ホームページや雑誌などをよく読んでおられました。個別相談では実に具体的で詳細な質問を受けましたね」と江川教頭は振り返る。
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外部相談会 広報スタッフ
最後に江川教頭からメッセージをいただいた。

「これからの女性には、今以上に学問が大切です。自立し、男性と対等以上に女性の地位を上げるために、まずは高等教育機関で勉強して欲しいですね。そのために佼成女子を選ぶのはベストの選択だと思います」

取材時、中学・高校の入試準備や広報活動などでお疲れの様子ではあったが、そのまなざしからは熱いパワーが感じられた。



(文責・写真: 教育ライター 吉本真一)


【徹底検証】なぜ佼成女子に入った子は伸びるのか(4)