皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第9回目の今回は、「ひと足早く『富士山』」と題してお伝えします。


ジョギング学校へは毎日、片道30分間ほどの時間をかけて、運動がてら歩いて通勤しています。そう長くもない距離ですが、道すがら違った風景に出くわします。

いつものように甲州街道から旧甲州街道を渡り、つき進むと、手前に京王線の踏み切り、さらに奥には佼成学園女子校と記された校舎が見え始めた頃です。
私と正反対の方向から、大学生らしき青年ふたり組みが、何事か話しながら軽い走りをするジョギング姿に出会いました。
すると、ひとりが相手に向かい、「ここからは富士山が見える」ということを自慢げに教えています。
もう一方の青年は、「どこどこ?」と言わんばかりにあちらこちらに体を向け、目をやり、富士山の姿を探すのです。
とらえた時の喜びは、よほど大きかったのか、声を発し、もう一方の友人を誘い、今にも駆け登る勢いで富士山に向かい、ふたり飛び跳ねるように走っていきました。
その時、富士山は、「ぴん」とはりつめた冬の冷たい朝の空気の中で、青く透き通った冬空と白く雪で覆われた頂のコントラストが、美しさをいっそう際だたせていました。


富士山学校からは、富士山が見えます。
それも季節を変えながら、春に、夏に、秋に、冬にと、折々に季節に合った富士山と出会えるのです。
保護者の方たちや来訪者等々へこの話をすると、とても興味を示してくださいます。それだけ日本に住む者にとって富士山は、晴れがましい思いを抱ける「最良」の対象なのでしょう。
ふたりの青年が、心を躍らせた理由もわかると言うものです。

本校の「校歌」には、富士山がこのようにうたわれています。

武蔵野の 多摩の千歳や
雲はるか かゝる富士が嶺
朝夕に 仰ぎ見放(みさ)けみ
春秋(はるあき)の 長き乙女ら
潔(きよ)らかに 育つ学校(まなびや)
永遠(とこしえ)に 甍(いらか)は聳(そび)ゆ

私たちの心を躍らせる富士山は、いつも「佼成女子」生徒の心の中にあります。


富士山一年も暮れようとしています。震災等、あまりにも心の傷を深く負った「年」でした。また人と人との支え合いに感涙(かんるい)もした「年」でした。
まもなく新しい年を迎えます。「一富士・二鷹・三茄子」は、初夢の吉兆(きっちょう=よいことやめでたいことが起こる前ぶれ)です。
全ての人々の心の中に、「富士山」が燦然(さんぜん)と輝く「年明け」になることを願っています。

(佼成学園女子中学校高等学校校長 山内日出夫)