理事長講話6月20日(水)、佼成学園の酒井理事長による、中学2年生を対象とした講話が行われました。酒井理事長は、生徒の成長をとても楽しみにしておられ、学年別に年1~2回の特別な授業をしてくださっています。なお、この日は東京で32度を記録した最初の真夏日。生徒たちにはスーパークールビズが適用されました。

皆さんが中2になって初めてのお話ですね。中1の時と比べて大きくなられたなあとお顔を眺めております。
昨日の17日、私は千数百人の人たちの前で講演をしてきましたが、講演の最後に、私の大好きな佼成女子のPRをしてきました。この写真は、皆さんの先輩の鈴木萌子さんです。彼女は先日宝塚音楽学校を卒業し、タカラジェンヌになりました。瑠風輝(るかぜひかる)さんという芸名です。中学から高2までを佼成女子で勉強して、高2の時に宝塚音楽学校に合格して、この3月に卒業したのですが、卒業生41人のうち、5番の成績だったそうです。すごいですね。鈴木さんは佼成女子が大好きで、同級生たちが卒業するとき、わざわざ卒業式に来てくれて、私もお会いしました。10月から東京でも公演があるそうですから、私も応援に駆け付けたいと思っています。
鈴木さんのお母さんからは、校長先生あてにお手紙をいただきました。「子どもが頑張れたのは、佼成学園の中学高校で勉強を教えていただいたおかげです。親として本当に感謝しております」と書かれていました。
どんな道でもいい、一生懸命まじめに努力をしていくと、自分の力が発揮できるのだなあと、私はとても嬉しく思いました。

ある時、私が講演した後で、年配の佼成女子OBの女性が私を訪ねてこられて、こんな話をしてくださいました。
「先生のお話を聞いて、私は父のことが頭に浮かびました。中3の受験の日、雪が降って、私は39度の熱が出ていましたが、父は長靴を履いて、私をおんぶして学校まで連れて行ってくれました。父は本当に佼成女子がいい学校だと思っていて、なんとしてでも私を入れたかったのですね。改めて、父が私のことをどれだけ思っていてくれたかということが思い出されました」
そう言って、その女性は涙を浮かべていました。

理事長講話私はその方とお話して、ふと思い出したお話がありました。それは、ある学校の先生が生徒の自宅に家庭訪問に行かれた時の手記です。その生徒のお母さんは、中途失明された方でした。初めてお会いするので、先生はどんな方だろうと、少し不安に思っていました。玄関で声をかけると、お母さんが奥の部屋から廊下の壁をつたわりながら出てこられました。お母さんの額と鼻に3か所くらいキズやあざがありました。
お母さんは、一人っ子の娘さんが小学校1年に入学したころから目が悪くなって、外がぼんやりとしか見えなくなってしまったそうです。再三の手術も成功せず、今では片目が少し光を感じる程度とのことでした。お母さんは、病気の話、娘さんの話をたくさんしてくれました。
「娘に何かしてやりたくても、何もしてやれない。だから、よその子と同じように娘に弁当を作ってあげたいと、朝5時に起きて、3時間かけてお弁当を作っている。主人や娘は火が危ないからやめろ、学校でパンやおにぎりを買えるからいいと言いますが、私は何としてでも作ってやりたいのです」
とお母さんは言いました。壁や柱に何度もあたるとのことで、お母さんの顔の傷はそれでできたのだなと思いながら、先生はふと自分の母親のことを思い出しました。先生の母親も、長い闘病生活の末亡くなりましたが、病気で苦しんでいても食事の準備をしてくれ、床に就いてからも縫物をしていた。そんなことを思い出して、先生は目頭が熱くなりました。
先生が最後に、「お母さんが今いちばん望んでおられることは何ですか」と尋ねたら、お母さんはこうおっしゃいました。
「手術前に病院のベッドに、小学校に入学したばかりの娘がちょこんと座っている。それ以来、娘の顔を見ることができないのです。死ぬまでに一度でいいから、成長した娘の姿が見たいのです」
夕方、娘さんは学校から帰ると、いつもお母さんと手を繋いで散歩に行きます。お母さんが娘さんに、みんなが見るから恥ずかしいでしょうと言うと、「見る人は見ればいい。だって、私にとってかけがえのないお母さんだもの」と娘さんは言ってくれるそうです。先生はその姿が目に浮かんで、涙が止まらなくなってしまったそうです。
お母さんは二度と目が見えることはないかもしれないけれども、優しい娘さんの思いやりを受けて、きっと幸せな日々を送れるであろう。そしてこのような立派な生徒を持った私は、なんと幸せな教師なんだろう。先生はそう思ったそうです。
雪の日に熱の出た娘をおんぶして受験会場に連れていったお父さんの話を聞いて、私はこの手記を思い出したのでした。

この学校を作って下さった庭野日敬先生は、佼成学園の生徒にこのように語りかけておられます。「佼成学園は親孝行を大事にする学校」、「親孝行できるひとは幸福になれる」「私どもの学校に入った生徒には、親に心配をかけない人になってもらいたい」。
お父さんお母さんに心配をかけない。勉強もクラブ活動も一生懸命やる。おはよう、行ってきます、ただいま、おやすみなさいと挨拶ができる、明るくて優しい子になって下さいと、日敬先生はお話して下さったのです。
どうか皆さんは、自分を生んで一生懸命育ててくれて、私立の佼成女子に入れてくれて、毎日健康で楽しく学校に通うんだよと見守ってくれているご両親の心を受け取って下さい。ご両親が元気なうちに、ありがとうと言ってください。
佼成女子はあちこちのマスコミに取り上げられて注目されています。今度も7月8日(日)に、英字新聞Asahi Weeklyに記事が掲載されるそうです。
そういう学校の生徒でいることに誇りを持って、がんばって毎日を送って下さい。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)