理事長講話7月20日(金)、1学期終業式の終わった後、佼成学園の酒井理事長による、高校1年生を対象とした講話が行われました。高校から佼成女子に入った生徒にとっては初めての理事長講話。佼成学園をつくった庭野日敬先生のこと、日敬先生が佼成女子に学ぶ生徒にこうあってほしいと作った校訓のことなど、改めて確認し、心に刻みつける時間となりました。

実は、私の家内も子供たちもみんな佼成学園出身で、卒業生ではないのは家族の中で私一人。私は佼成学園が大好きなんです。
今日は新しく高校から佼成学園に来てくれた皆さんに、初めてこうしてお話をさせていただくチャンスを得ました。ありがたく思っています。
今、高校野球の地区予選の真っ最中で、佼成学園の男子校が今ベスト8まで行きました。昨日は神宮球場に応援に行きまして、声を枯らしてしまいました。もうちょっとで甲子園に行けるのではないかと楽しみにしています。
新聞などでは甲子園の有力校と言う評判でしたが、実は背番号1番の今井君というエースが、大会が始まる寸前に膝の靱帯を切ってしまうというピンチがありました。ナイン一同は落ち込んで、2日間くらいみんな悩んでいたそうですが、監督はそういう逆境の時こそ頑張ろうと励まし、戦いに臨みました。そうしたら、2番手である磯崎君が「今井の分まで、腕が折れても最後まで投げ切ります」と言い、素晴らしい投球をしました。そして昨日は5対0の完封で勝利を飾ることができたのです。人は厳しさを乗り越えると、信じられない力が出るのだなと思いました。

佼成女子も、ハンドボール部が死闘の結果、インターハイの切符を手にしました。どんなことでも、苦しさに負けるのではなくて、厳しい中を歯を食いしばって乗り越えていくうちに、力がついていくのではないかと思います。佼成学園は、女子校・男子校とも、そういう学校になってきています。

男子校の中学1年生たちの自然教室が、つい先日の7月17日テレビ東京の番組で紹介されました。長野県上田市の農村地帯で、毎年農村体験をしています。そういう大自然の中で一緒に生活しながら、お百姓さんたちの苦労、そこで栽培されているお野菜たちをいただけるありがたさ、自然と一緒に生きることの素晴らしさ、そうしたことを体験するために、2泊3日の自然教室を毎年やっています。これが人に伝わり、素晴らしいプログラムだということになって、生徒たちの農業体験紹介されたのです。

こうやっていい教育をしていくと、世の中がちゃんと認めてくれるんだな。そういう学校で子供をぜひ学ばせたいと評価してもらえるのかな、と思った次第です。
皆さんもすでにご存じだと思いますが、7月8日のアサヒ・ウィークリーに「英語の佼成」ということで取り上げられ(英和新聞「朝日ウイークリー(Asahi Weekly)」に留学クラスが紹介されました 2012/07/09)、さらにの朝日新聞社の雑誌であるアエラの7月16日号に、皆さんの先輩である昨年度卒業生の青山由里杏さんが取り上げられました(「AERA(アエラ)」に本校の特進留学コースが紹介されました 2012/07/09)。青山さんは、英検1級合格だけでなく、成績優秀者のためのオーストラリア大使賞を受賞しています。
このようにあちこちに取り上げられているのを見たり読んだりした方から反響があり、私のところにもぜひ娘を佼成女子に入れたい、入学案内を送って下さいという話が来ています。

庭野日敬今日は皆さんに、そういう学校である佼成学園を創設してくれた庭野日敬先生がどんな人なのか、どんな思いを持ってこの佼成学園を作られたかをお話したいと思います。
平成11年に亡くなられた日敬先生は、世界を代表する平和指導者であられました。世界平和を訴え、宗教者を代表して国連でスピーチをされたり、マザー・テレサとも親交が深かったのです。そして、子供たちが大好きでした。私は先生の生前、7年間お仕えし、先生の素晴らしさを存じ上げています。
あわせて日敬先生は、世界的な宗教指導者でした。学校の母体の立正佼成会は仏教の教団ですが、仏教だけでなくてキリスト教でもイスラムでもインドでも、世界の宗教の先生方と仲良くして、その中でもリーダー格の先生でした。
世界から600人のそうそうたる宗教指導者が集まって会議をしたとき、二人だけ高い椅子に座った。それが、ローマ教皇と、庭野日敬先生です。それほど世界の宗教者の中で秀で、尊敬をされていた偉大な方でした。宗教界のノーベル賞と言われている、テンプルトン賞も受賞されています。
そして、世界で活躍し、世の中を担っていく若い人たちを、世の中の幸せのために貢献できる人を育ててほしいということで、佼成学園を創設されたのです。

そんな庭野日敬先生がこの学校を創立したときに私たちに示して下さったのが、「行学の二道を励み候べし」から始まる校訓です。
一つは学問の道。もう一つは、行の道です。
新聞紙上を毎日のように賑わす、とても辛い記事があります。昨年、滋賀県の大津の中学校で、いじめにあって男子生徒が飛び降り自殺したことから、いじめが社会問題になっています。この学校に学ぶ生徒は、いくら勉強ができても、人を傷つける子、親に心配をかける子であってはならない。行いも立派にできる子になってください。これが、日敬先生が願ったことです。

その行の道のために五つの実践があります。「あいさつ」「校門出入り一礼」「食前食後の感謝」「身だしなみ、整理整頓」「思いやり」です。これを心掛けてもらいたい。
一つ目は「あいさつ」。家庭でも学校でも、「おはようございます」「行ってまいります」「こんにちは」「さようなら」と、さわやかにお互いにあいさつし合う。
二つ目に「校門出入り一礼の実践」。学校は、学問を習い、友情を深め、自分の人格を向上させていく敬虔な場所です。入るときは一礼をし、一礼をして帰る。
三つ目が「食前食後の感謝の実践」。農村体験をした男子校の生徒たちは、どのような経緯をたどってお米ができ、野菜ができるかを学んできました。私たちは食物の命をいただき、牛や豚や鶏の命を頂戴して生きています。尊いお野菜や、お魚やお肉の命を「いただきます」。食べ終わったら、感謝の気持ちで「ごちそうさま」とお礼が言えるような心の豊かな皆さんになってもらいたい。
四つ目は「身だしなみ、整理整頓の実践」。人間は、心が乱れると、服装が乱れます。
佼成女子の生徒には、身だしなみや身の回りの整理整頓ができる、使ったものを元に戻せる人になってもらいたい。
五つ目に「思いやり。親切の実践」。人に親切にすることや、思いやりをかけることができる生徒になってもらいたい。

今日は皆さん、初めての方が多いので、この学校の創設者である庭野日敬先生のこと、その先生が若い人たちへの期待を込めてこの学校をつくり、行学の二道を校訓として定めたこと、そのことを皆さんにお話しました。
明日から夏休みです。身体を壊したり、宿題を遣り損なったりしないよう、楽しい夏休みを過ごして、2学期もまた元気に登校してください。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)