パイプオルガン9月7日(金)、佼成学園創立記念日であるこの日、毎年恒例の創立記念式典が行われました。創立58周年の今年は創立母体所有の大聖堂(杉並区和田)にご来賓、男女両校の生徒、教職員が集まりました。佼成女子生徒(高2 木村有希)による荘厳なパイプオルガンの調べに乗せて、創立記念式典が行われました。


式典では男女両校の代表2名が司会進行を務め、まずは学園創立者の庭野日敬先生への感謝の気持ちを込めて、代表生徒たちによる献花が行われました。
パイプオルガンの演奏から始まる厳粛な雰囲気に生徒たちの表情も心なしか引き締まって見えました。酒井理事長の挨拶に続き、学園長庭野日鑛(にちこう)先生の論告、そして学園歌斉唱で式典は終了しました。

酒井理事長の挨拶の中で、大聖堂に安置されている仏様について触れられました。
「いろんな地域に旅行すると、お寺には様々な仏様があります。座っている、横たわっている、またこの大聖堂の仏様のように立っている仏様が代表的ですが、座っているのは菩提樹の下で悟りを開かれたとき、横たわっているのはお亡くなりになって涅槃に入られるとき、立っておられるのは困った人や悩んだ人を救うお姿です。
この仏様は右手を縦に、左手を下げておられますが、これは、どんな人も苦しい時は私のところに来て、悩みを打ち明けなさい。迷った時は、私のところに来て、相談をかけなさい。どんな人も私は救ってあげますという姿を現したものです」

学園長の庭野日鑛先生の論告は、月は毎年地球から少しずつ遠ざかっているという興味深いお話から始まりました。
「最近とても興味深いと思った雑誌の記事がありました。それは、お月様の話です。
月は毎年、約4㎝ずつ地球から遠ざかっている。アメリカのアポロ計画で宇宙飛行士が月面に反射鏡を置いてきた。地球からそこにレーザーを当てると、月までの距離がセンチの単位でわかるのだそうです。なぜ遠ざかるのか。それは月の引力により、地球の自転にブレーキがかかるためです。それによって地球の自転が徐々に遅くなっていき、1億年後くらいには自転が止まってしまうのです。
そもそも月の起源は、地球に原始惑星が衝突したときの破片が月となったという説が有力ですが、その当時の地球の自転速度は、1日8時間くらいだったそうです。今は24時間ですから、当時は3倍ものスピードで回っていたことになります。そのスピードだと風速は約250mともなり、とても地表にはいられません。ちなみに、ダンプカーを風で飛ばせる風速が180mだそうですから、その凄さがわかります。しかし長い時間の間に徐々に自転が遅くなり、現在の私たちは吹き飛ばされずに地球に住むことができているわけです。
学者の方たちによると、宇宙には完璧なほどの整合性があるそうです。また、私たちの命も、とても調和がとれているそうです。
私たちの身体は、動物や植物や水といった食べ物でできています。身体は自分以外のものでできている。つまり、私達一人一人は自分だけで生きてるわけではない。あらゆるものによって生かされている。いろんな関連の中で生かされている。そういう目で見ると、宇宙に存在するものは根底で繋がっているのです。
宇宙はビックバンで生まれました。その頃に発生した元素で私たちの身体も構成されています。私たちの命は宇宙と無関係ではありません。命が尽きたら大地に戻っていきますが、それはただ戻るだけでなく、ひょっとしたら桜になって花を咲かせる原子になるかもしれない、ということを学者は言っています。
宇宙という言葉は、中国の古典に出てくる言葉です。宇は前後左右上下、つまり空間を表します。宙は、過ぎ去ってしまったもの、今から来るもの、すなわち時間です。宇宙は空間と時間から成り立っている。
私たちは自分の肉体、命を持っている存在ですから、一つの空間を占領して、日々食事をして動物植物水を吸収し、時間を費やしています。空間を持ち、そこに時間を置きながら、私たちは今、生かされている。私たちの生命、肉体にも宇宙と同じ構図があるということです。
また、私たちはいつも呼吸をしている。また、私たちの心臓はいつも動いている。食べたものの消化も、不要物の排泄も、血液の循環も同様です。
私たちは自分で生きていると思いがちですが、深く物事を見つめて見ますと、生かされていることがだんだんにわかってきます。賜った命です。
月と地球の関係にしても、私たちの命にしても、みんな関連しながら変化しています。
私たちが、そうした中で生かされているということを考えますと、仏様が教えて下さっているように、宇宙や地上に存在するどんなものにも人にも無限の価値があり、すべてが等しく重要な存在なのです。
また、科学者が教えてくれるように、宇宙は人間の身体を通して、宇宙のしくみを私たちに見せてくれています。ありがたい命をいただいていることを教えて下さっているのです。
佼成学園の校訓である『行学の二道を励み候べし』は、学ぶことと行うことの二道が成り立たないと、人間として、社会人として、人格を築いていくことができない、という教えです。学校でいろんなことを学ぶと同時に、人と人との間に調和を保つということもまた、宇宙が教えてくれる大切なことではないか、と思います」

創立記念式典今年も前々日に司会と献花のリハーサルを行い、生徒たちは真剣に式典に臨みました。庭野学園長には、宇宙と私たちの命の関連という壮大なお話をしていただき、科学だけでなく、すべての学問の先にある人間の真理に思いをはせた生徒もいたことでしょう。
今年もまた、心に残る1日となった、創立記念日でした。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)