理事長講話1月8日の3学期始業式の後、高校2年生対象に酒井理事長の講話が行われました。12月に1年間の留学を終えて帰国したKGGS特進留学コース8期生たちも参加し、夢を持ってそれを実現させた身近な人たちのエピソードに、真剣に耳を傾けていました。

今日は皆さんに、あきらめずにがんばった人たちの話をしたいと思います。

今朝見たNHKの番組に、昨年末の紅白に出場した「ももいろクローバーZ」というアイドルグループが出ていました。現在は高校生ですが、中学生で結成した時から紅白に出たいという夢を持っていたそうです。そして、デパートの屋上や道路でライブをし、地方に行けば車の中で毛布をかぶって寝たりしながら実力を身につけ、ついに昨年末の紅白に出場したのです。紅白に出るという夢を持っていたから、そこに向かって努力できたんですね。

新たな夢は、7万人が入る国立競技場でコンサートを行うことだそうです。実現すれば、女子のグループで初となるそうです。とても素晴らしい高校生たちだなと思いました。夢を持つことの大切さを、彼女たちから今朝教えてもらいました。

1月4日の朝日新聞に、ロンドンオリンピックのアーチェリーで銅メダルを取った蟹江美貴さんのお話が掲載されていました。
オリンピック選手ならさぞかし運動が得意かと思いきや、彼女の小学校時代は体育の成績も真ん中かそれより下なくらい。運動会や走るのが苦手だったようで、逆上がりも一輪車もできなかった。でも彼女は、苦手だからといって、体育の授業を休もうとか逃げようとかは思いませんでした。小6の水泳大会、泳げない平泳ぎの選手になってしまって、何とかがんばって泳げるようになり、3位になったのがとても嬉しかったそうです。

そして、中学で初めてアーチェリーを始めました。かっこよかったし、みんな初めてでスタート地点が一緒だったからという理由でした。このアーチェリーが蟹江さんにとても合っていて、結果がついていったようです。
そして、ロンドンオリンピックでは日本で初めて3人の仲間たちと銅メダルを取ったのでした。蟹江さんはこう言っています。「アーチェリーに巡り合うことができて本当に良かった」。

もう一つ、パラリンピックの話をしましょう。
昨年12月に、佼成男子に卒業生が講演に来てくれました。木村潤平くんという、パラリンピックに3回も出場した平泳ぎの選手です。小さい時に両足に障害を負い、佼成男子には中1から毎日松葉づえをついて通っていました。木村くんはたいへんながんばり屋でした。毎年のマラソン大会も、6年間完走しました。ゴールした時、みんな拍手で迎えたそうです。脇の下は血がにじんでいたかもしれません。

中学では授業が終わると毎日プールに行って、障害者向けの水泳を習っていました。高3で日本の平泳ぎの部で優勝し、アルゼンチンの世界大会に行って、4位を取りました。水泳だけでなく勉強も頑張って、早稲田に現役で合格しました。早稲田の3年の時にアテネオリンピックのパラリンピック、北京にも行き、5位と6位でした。昨年のロンドンでは決勝で残念ながら失格となってしまいましたが、彼の生き方はとても素晴らしいものです。
高校を卒業する時は東京都私立中学高等学校協会の会長賞、早稲田を卒業する時は最も優秀な生徒に送られる小野梓記念賞を受賞し、早稲田学生会館には彼の名前が刻まれています。

講演で木村くんは、後輩たちにこう言いました。「みんな、目標を持ってください。夢を持ってください。目標や夢を持って、全力でそれにチャレンジして行って下さい」。
そしてして松下幸之助さんの言葉を引用し、「何としても2階に上がりたい。この熱意がやがて、梯子を思いつかせ、階段を作り上げた。上がっても上がらなくてもいいと考える人の頭からは、梯子はできない」。

「君たちにも、将来こういう大学、こういう道に進みたいという夢があると思います。強い希望があれば、一生懸命集中できる。中途半端な日々ではダメなんだ。やるなら一生懸命全力集中してください。努力はやがて、実力を産み、実力はやがて自信を産み、自信は必ず幸運を産む。そして、幸運は必ず勝利をつかむことができます」。
木村くんは一生懸命、みんなにそう話してくれました。

私も70年間生きてきましたから、これは分かる気がします。
努力をしていくと段々力がついてくる。力がついてくるとだんだん自信が持ててくる。自信が持ててくると、幸運が引き寄せられてくる。幸運をつかむと、やがて人生の勝利者となれる。中途半端やいい加減な日々ではなくて、苦しくても辛くても努力をしていくことがいかに大切かということを、彼は言っておりました。
そして最後に、「人生は出会いの芸術である」と。
いい言葉です。一生懸命努力していくと、どんなめぐりあわせや出会いが出てくるかわからないのです。

理事長講話本日、私はある年賀状を受け取りました。差出人は、本中卒業生で昨年タカラジェンヌとなった瑠風輝(るかぜひかる)さんです。
瑠風さんは、昨年の10月から11月の東京宝塚劇場での公演に出演されていて、私が行ったときにはお母さんも来られていました。

宝塚は1000人くらい受験して、受かるのは40人という狭き門です。入学したら厳しい訓練も待っています。彼女は佼成女子の看板を背負い、決して泣き言を言わないで乗り越え、40人中4番の成績で卒業しました。

お母さんはおっしゃいました。「この子が宝塚に入れたのは、佼成女子に入れてもらったおかげです。もし佼成女子で勉強できなかったら、宝塚に入ることなんてできなかったでしょう。心から先生方に感謝しています」。瑠風さんは優秀なお姉さんに比べてのんびりしているので、公立中学に行ったら押しつぶされてしまうだろうと心配されたお母さんは、知人の方から佼成女子はとても面倒見の良い、いい学校だと聞かされ、佼成女子を選んでくださったそうです。

でも瑠風さん、もともと勉強が好きではないから、中1のときはしょっちゅう親子で学校に呼び出されていたそうです。ところが中2のときに初めて宝塚を見て、「タカラジェンヌになりたい」と思ってから瑠風さんの人生は変わりました。夢を見つけた彼女は、元々やっていたバレエも、学校の勉強もたいへんがんばってめきめきと力をつけ、高2で宝塚音楽学校に合格しました。目標に向かってがんばっていたら、どこかで必ずいいことがあるのです。

今日申し上げた人たちは、みなさん何があってもあきらめずにがんばった人たちです。
私は運動でも勉強でも苦手で悩んでいる人たちに言いたいんです。あきらめずにがんばっていれば、この先何かいいことがある。好きなものに必ずめぐりあえるのです。
高2の皆さん、どうか自分の夢や希望に向かってあきらめずにがんばってもらいたい。今日はそんな話をさせていただきました。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)