理事長講話7月20日(土)、1学期終業式の後、佼成学園の酒井理事長による、高校1年生を対象とした講話が行われました。
高校から佼成女子に入った生徒にとっては初めての理事長講話。佼成学園をつくった庭野日敬先生がどのような方だったのか、校訓「行学の二道を励み候べし」の意味から日敬先生が生徒たちに願ったことなど、佼成学園の心を聞かせていただく時間となりました。

先日は、皆さんの素晴らしいヤングアメリカンズのパフォーマンスを見せていただき、その晩はしばし興奮で眠れませんでした。若さあふれるエネルギーに感動しました。
今日は、佼成女子を選んで入学していただいた皆さんに初めてお会いする機会ですので、2つのことをお話しします。

まず最初に、この佼成学園を作ってくれた、今は亡き庭野日敬先生がどんな方だったのかということを、皆さんに知っていただきたいと思います。
日敬先生は、残念ながら、平成11年10月4日に92歳で亡くなられていますが、2つの大きな功績を残されました。1つは、世界の平和のために人生をかけて活動された方であり、世界の平和指導者のリーダーだったということです。

ここに“Universal Peace Global Ethics”という小冊子があります。これは、私がスイスのジュネーブにある国連に私が講演に行ったとき、私の前に講演されたギュンター博士という方が先だって配布して下さったものです。これには、世界の平和のために活動した人が掲載されています。マハトマ・ガンジー、マザー・テレサ、サン・スーチー、ダライ・ラマといった誰もが知っている名前の中に、この学校を作った庭野日敬先生のお名前もあります。
日敬先生と並んで写っているのが、アウン・サン・スーチー女史です。ご存じの通りノーベル平和賞も受賞された方ですが、ロンドン大学SOAS校を卒業され、そこで教えていたこともあります。ロンドン大学SOAS校といえば、先日佼成女子が提携を結んだ名門大学です。私は提携の話を聞いたとき、佼成女子との深い縁を感じたものです。

もう1つ、世界の宗教指導者の中でも、日敬先生はリーダーだったことを覚えていただきたいです。世界には、キリスト教や仏教、ユダヤ教、イスラム教などいろんな宗教があります。
日敬先生がお元気なころ、国連の会議場で軍縮特別総会が開かれ、その時に世界中の宗教指導者の中から代表して、世界に向けてスピーチしたのが日敬先生です。

また、世界から600人の宗教指導者がバチカンに集まって会議をしたとき、その中で2人だけひな壇の高い席に座りました。それが、ローマ法王のヨハネパウロ二世と、庭野日敬先生です。
それだけ、世界の宗教者の中でも尊敬されていた偉大な方でした。また、日敬先生は、宗教界のノーベル賞といわれるテンプルトン賞も受賞されています。

このように、日敬先生は世界的に活躍される平和指導者であり、世界の宗教を取りまとめるリーダーでもありました。その庭野日敬先生が、世界で活躍し、世界の幸せのために貢献できる人を育ててほしいと願って作った学校が、あなた方の入学したこの佼成学園です。このことを誇りにして学んでいっていただきたいと思います。

庭野日敬先生が佼成学園を作ったときに私たちに示して下さったのが、校訓である「行学の二道を励み候べし」です。行学とは、1つは学問の道、もう1つは行いの道です。

学問に関して言えば、高2から高3になると、放課後に校内塾が開かれ、外に行かなくても受験勉強ができます。また、佼成女子の先生方は皆さん一流です。真剣に授業をしてくださっています。
行いの道とは、どんなに学業が優秀でも、人をいじめたり、親を悲しませたり、人間としての道を踏み外すことがあってはいけない。立派な行いができる人になって欲しい。それが、日敬先生が願ったことです。

その「行いの道」のために、5つの実践をお願いしています。それは、「あいさつ」「食前食後の感謝」「校門出入り一礼」「食前食後の感謝」「身だしなみ、整理整頓」「思いやり」です。

「あいさつ」については、例えば男子校では、生徒たちが毎朝30分のあいさつ運動をしています。生徒だけでなく道行く人にも「おはようございます」と声をかけていて、すっかり杉並区では評判です。皆さんもお互いに顔を見たら「おはよう」「こんにちは」、助けてもらったら「ありがとう」、相手を傷つけたら「ごめんね」。あいさつができ、お礼が言え、お詫びができる。これも行いの道の一つです。

「食前食後の感謝の実践」。私たちは食物の命をいただき、牛や豚や鶏の命を頂戴して生きています。尊いお野菜や、お魚やお肉の命を「いただきます」。食べ終わったら、感謝の気持ちで「ごちそうさま」とお礼が言えるような皆さんになってもらいたい。

「校門出入り一礼の実践」。学校の中は遊び場ではありません。先生が勉強を教えてくれ、友達と体を鍛え、友情をはぐくむ大切な聖なる場所ですから、校門に入るときは一礼をし、お別れのときには先生や友達がいなくても一礼をして帰る。そういうけじめをつける生徒になってもらいたい。

「身だしなみ、整理整頓の実践」。これも、学校にごみがあったら拾う。机が乱れていたら元に戻す。はいたスリッパは元に戻す。だらしのない服装や短いスカートでなく、佼成女子生徒らしいきちんとした身だしなみを心掛ける。このことを実践してもらいたい。

「親切、思いやりの実践」。いつも人に親切にすることや、思いやりをかけることができる生徒になってもらいたい。
「行学の二道」これが庭野日敬先生の定めた校訓であり、そこに向かって先生方にも努力をしていただいています。皆さんもぜひ、心掛けていただきたいと思います。

最後に、パキスタンのマララ・ユスフザイさんという、皆さんの同年代の女の子の話をしたいと思います。
パキスタンではタリバンにより、女性の教育の権利が奪われています。マララさんは女性にも勉強させてほしいとブログに書いて世界に発信したことにより、昨年の10月に銃撃され、重傷を負いました。生死をさまよった彼女は一命を取りとめ、治療のためイギリスに運ばれて、今では退院して元気にイギリスの高校に通っているそうです。

そしてマララさんは、7月12日に国連で、女性や子どもたちのために教育を受ける権利を訴えるスピーチを行いました。
世界にはマララさんのように、勉強したくとも貧しさや環境で叶わない人たちがいます。
皆さんは日本に生まれて、素晴らしい環境の中で勉強ができているわけですから、しっかりと感謝をして、夏休みを元気に過ごして2学期からまた勉強に励んでもらいたいと思います。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)