Universe Spaces皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第29回目の今回は、「魅了される世界」と題してお伝えします。

私は山登りが好きでこれまであちらこちらの山を登ってきました。この夏休みも出かけて来ました。
この世界を知らない人は、荷物をかつぎ、喘ぎ、あえぎ苦しい思いをしてまでなぜ登るのかと思うでしょう。
しかし、例えば、北アルプスの穂高岳に登れば、登った人自身にしか知らない世界と登った人自身にしか見ることのできない景色、世界があるのです。
その世界は、常に変化している世界で、一瞬たりとも同じ世界を味わえるものではありません。
ましてや、人それぞれが持つ感受性は異質なのです。
この様に「享受できる世界」を知ろうとしなければ、それは一生「苦痛の世界」のままの理解でしかないのです。
このことは、あらゆることがらに言えるのかも知れません。

View Out Of Airplane高校2年生たちの英国での初めての修学旅行とそれに続く希望者たちの語学研修プログラム「英国ブライトンでの短期留学」が、HPで詳報通り夏休みの期間中に無事に終わりました。
オーストラリアから英国へ研修地を替えて初めてのことでしたから、心配もしましたが、生徒たちは一生の思い出となるであろう英国ロイヤルベイビー誕生に沸く中で、十二分に満喫した様子でしたので安心を致しました。
その英国修学旅行での帰りの飛行機内で、思いがけないことがありました。
修学旅行では、航空会社2社に分乗しましたが、それはバージンアトランティック航空に乗ったグループでのことです。
大変驚いたことに、飛行機内でお世話をして下さったCA(キャビンアテンダント)の方が本校の卒業生だったのです。
すでに中堅として活躍されているCAの方は、本校のちょうど30年前の卒業生であり、飛行機内に乗っている修学旅行生たちが、自身の後輩たちであることを知り、先輩であることを明かし、とても喜んで下さったとのことでした。

Red coffee beansまた英国と言えば、最近では「フェア・トレード運動」の先進地としても有名です。
「フェア・トレード運動」とは、アジア、アフリカ、中南米等の発展途上国からの原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動です。
この運動に携わり、日本の大学生たちの代表となって活躍した本校の卒業生がいます。
先日、彼女が学んでいた「立命館アジア太平洋大学(APU)」の責任者が、私のところを訪問され、今、彼女は「バングラデシュ」との貿易の仕事に携わり、「フェア・トレード運動」を現実の仕事にしていると話をしていかれました。
 
さらに本校からは、別次元ともいえる「宝塚」の世界へ進み、この春、正式に「宙組」に配属され、デビューを飾り、東西の宝塚劇場で多くのファンにかこまれることになった出身者がいます。

活躍する姿は三者三様ですが、独り(ひとり)立ちするまでの歩みには、同じ様に常なる困難があったと思われてなりません。
しかしそれを乗り越えようとしているのは、また乗り越えることが出来たのは、上り(登り)つめることで自分自身にしか知らない世界と自分自身にしか見ることのできない景色、世界があることを、いずれかの機会で知ったからに違いありません。

私たちには、山登りにせよ、仕事にせよ、勉強にせよ、クラブ活動にせよ、どの様な世界に挑もうとも、「魅了される世界」が、その先にはあるのです。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)