Crowd Of Birds皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第32回目の今回は、「人が生きるとは、可能性を追求するということ」と題してお伝えします。


政府の教育再生会議から、現在の一発勝負の大学入試センター入試に代わり、複数回チャレンジできる「達成度テスト」の導入を柱とした大学入試改革が首相に提言されました。
導入は5、6年先になる見通しということがマスコミで報じられています。
確かに生徒の立場にたてば、高校時代の3年間の歩み(中高一貫校であれば6年間)が、一発勝負で決められるのは、納得しかねないものがあるだろうと考えられます。
今後、どの様な議論が尽くされていくのか注視したいものです。

その大学入試が、教室を賑わしています。
推薦入試、AO入試等はすでに始まり、合格を勝ち得た者、再チャレンジする者、そして来年1月のセンター入試を目標としている者等々、高校3年生たちにとっては、ひとり一人の置かれた状況の違いが明らかになりつつあります。
学校内で最上級生の年齢とはいえ、生徒たちの気持は合格という進路が定まるまで、ホッとする時間もなく過ごしていくのです。
ストレスも、プレッシャーも心と体に受けながらです。
しかし、本校にある伝統の良さは、受験は「団体戦」という学校文化を生徒たち自身が教職員たちと共に築き上げてきたことです。
「講習室」といった大学受験に向けた放課後の「講習」制度は、学校内での「勉強合宿」等を通し、励まし支え合う関係を構築してきています。
そこで創り上げられた生徒たちの精神性は、最後のひとりが決(合格)まるまで喜びは一緒の時にというお互いの励ましの「団体戦」なのです。

そして、新たに高校2年生たちの大学受験に向けての「団体戦」が始まりました。
「講習室」の出陣式を行ったのです。
担当責任者からは、「明日から気持を切り替えて欲しい。私たちは、これから皆を受験生として扱います」と宣言がなされ、生徒たちも真剣な眼差しで、その言葉を神妙に聞き入っていました。

baseball私からは、「人が生きるとは、可能性を追求するということ」と題して励ましを致しました。
東北・楽天で投げた田中投手、ボストン・レッドソックスで投げた上原投手、ふたりの共通点は、ひとりは甲子園での敗戦投手、ひとりは巨人軍で無残にも打たれ続け火達磨になった投手としての印象です。
しかし、いつの間にか、ふたりとも「喝采」を浴びるマウンドに立ち尽くすことができたのです。
ひとりは、球史に残る記録を達成、ひとりはアメリカ人の記憶に刻み込む活躍を遂げながらです。
ふたりの生きざまから伝わるのは、自らを信じる力、そしてそこから生まれる可能性へのエネルギーです。
またそれは、失敗と成功は表裏であることも意味しています。

生徒たちが失敗を恐れず、全力を尽くして行ってみるといった可能性を追求する精神性が宿ることのできる学校であり続けたいと、この時期、特に思うのです。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)