Wind Power皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第33回目の今回は、「丈夫志四海,萬里猶比鄰」と題してお伝えします。

会津若松市に立地している「会津大学」に行って来ました。コンピュータサイエンスを学び、研究する大学として、創立20周年を迎えたとのことでした。
設立時に会津若松市長をしていたこともあり、感慨深いものがあります。
財政的なことを始め福島県が「主」、会津若松市が「従」といった役割で出来上がった大学です。
当時の知事の慧眼(けいがん)は、これらのことがあっても会津地域の100年を超す「悲願」を察しられ、「福島県立」と大学名の頭に付けず、会津人の気持を慮(おもんぱか)り、単に「会津大学」と命名されたことです。
度量とは、こういう姿勢を持つべきものだと感心した記憶が、今持って鮮明です。

Abstract World Technology当時は、コンピュータといっても、現在のように広く一般的に普及はされていませんでした。
ましてやコンピュータサイエンスを学び研究する大学は、国内に数少なく、教える先生たちも早々見つかるものではありませんでした。
その様な環境下で、特に核となる教員集めの苦労は多く、外国へと伝手(つて)を求め、外国人教員が約7割弱も占める大学として開学したのです。
開設当時の姿は、今尚残り、英語で講義を行い、外国人教員、外国人留学生の多いことは、広く知れ渡り、たびたびマスコミを飾っています。

この大学の開設当初、学生たちに向け講演して頂いたのが、故「司馬遼太郎」氏でした。
私は迎える立場として接待を致しましたが、色々な書物に「戊辰の役」での会津の生き様を著してきた「司馬遼太郎」は、この大学の開学をとても喜んで下さいました。

その折、学生たちに紹介した漢詩が、中国の詩聖「曹植」の詩の一節でした。

「丈夫 四海に志さば、万里 猶お比鄰(ひりん)のごとし」。

・丈夫・・・ 成年式をすませた一人前の男。
・四海・・・ 世界の四つ(四つの海に取り囲まれていたとする、昔の中国の世界観)の果てを指す。
・比鄰・・・ 近所
「東西南北、世界の果てまでいきわたる志を持たねばならない」という意でしょう。
ちなみに「曹植」は、古代中国の三国志(魏・呉・蜀)の「魏」の基礎をつくった曹操の息子です。

「司馬遼太郎」は、学生たちに世界へ「志」を向けて欲しかったのでしょう。

佼成学園女子校の設立理念は「国際社会で平和に貢献する人材育成」としています。
それは、漢詩の一節と同様に「佼成女子から、世界へ」との生徒たちの「志」のあり方を示したものです。
新しい年も、『「志」、世界を羽ばたく』としたいものです。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)