洋書多読チャレンジとは、本校の高1の新しい試み。英語の授業で行うのは英文の精読ですが、それに対して、興味のあるものや読んで楽しい本を自分で選んで、とにかくたくさん読んでみようというのが多読です。夏休みの間に集中して読んだ生徒も多く、成果は上々のよう。学年の中でも特に熱心に読んだ生徒たちに集まってもらい、お話を聞いてみました。


1学期末より、高1の英語の多読チャレンジがスタートしています。
多読チャレンジとは、

  1. 辞書はひかない(自分に合ったレベルの本を読む)
  2. わからないところは飛ばして読む(わかるところから推測して読む)
  3. つまらなくなったらやめて別の興味のある本を読む(意志の力ではなく、楽しいから読む)

という多読三原則のルールのもとに、たくさんの英語の本を読もうという試み。単語がわからなくても、興味や関心のある分野、好きかどうかで本を選んでチャレンジ、途中でやめてもよく、感想を書く必要もない。つまり、多読チャレンジは英語の勉強ではないのです。日本語の本を読むときは文法も気にしていませんし、分からない言葉があっても前後で判断して読み進めますが、まさにそれと同じように英語の本も読んでみようというもの。
図書館にもたくさんのレベル別の英語の本がそろいましたので、そこから選ぶもよし、自分でペーパーバックなどを用意してもよし。とにかく洋書を手に取って読むというハードルを、みんなで越えてみようということでスタートしました。

多読チャレンジこの日は高1の中でもこの夏休みに熱心に洋書を読んだ生徒たちがクラスを越えて集まり、本や多読の感想などを聞かせてくれました。
ほとんどの生徒がこんなに厚い英語本を読んだのは初めてとのことで、本のジャンルも様々。あこがれのモデルが書いた本、映画を見て興味を持った本、シリーズものなのに1冊目しか翻訳が出ず、続きが気になっていた本。まさに、中身が知りたいから読んだということがよくわかるラインナップでした。

「The Hunger Games(ハンガー・ゲーム)」は、英語圏ではハリーポッターをしのぐほどの大ベストセラーとなった本。ニュージーランドに行った佼成女子の留学生たちの中には、ホストファミリーに勧められて読んではまった生徒も。この本を選んだ生徒は、「高校に入る前にアメリカに5年いて、当時の友だちと競争みたいに読んでいた本です。中学で読み終わらなかったので、この機会に読みました」。

「ハリーポッターが大好きだったので選びました」という生徒は、「ストーリーを知っているので、1つの単語がわかればそれを頼りにその1文がなんとなくわかりますから、最後まで読み切れた。続きも読みたいと思っています」
実はハリーポッターシリーズこそ、英語の多読にぴったりの本。というのは、原作者は主人公の成長に合わせて単語を選んでいるので、1巻は現地の中1が読める内容や単語で構成されています。主人公の成長と共に内容も成長し、単語も増え、本も厚くなっています。
ちなみに多読には100万語という目標水準があります。ハリーポッターシリーズ全7巻を読むと全部で108万語となり、まさに目標とするのにちょうどよい本です。ハリーポッターの大ファンで、これを全巻読破して英検のレベルが飛躍的に伸びた現高3の生徒も。

ミランダ・カーこれはトップモデルで女優のミランダ・カーの本。「ミランダのこれまでの半生が書かれています。今までの自分の良さを見つけてありのままに受け入れるという言葉があって、それに感動して買っちゃいました」。その延長線で、ミランダも被害にあったハリウッドの窃盗事件の実話の本にも興味がわいて、読んだそうです。

シリーズ三部作である「MATCHED(翻訳タイトル「カッシアの物語」)」を選んだ生徒は、中2のときに読んだ1冊目の翻訳本がすごく面白く、続きを読みたいのに出ないので原書を買って読むことを思い立ったとのこと。これもアメリカでは青少年の愛読書ベスト10に入るくらいのよく知られた本です。今回は1年ぶりの再読となりましたが、「前読んだときは、3分の1くらいわからなかったのですが、今はわかる単語が増えて、この本独自の言葉もこのことを指していたのだなと分かり、前回より深く楽しめました。時期を置いて二回読めば、ちょっとは英語力も成長しているから、読めるようになるみたい」

映画にもなっているヴァンパイアとのラブストーリー「twilight(トワイライト)」を読んだ生徒は、中学の時に日本語の翻訳本を読んだらすごく面白くて、映画も見て、洋書を読む、という流れだそうです。「全部はわからなくても、なんとなくの雰囲気、会話の流れでこのことを言ってるんだというのがわかりました」。

多読チャレンジでは単語数をカウントして目安としていますが、夏休みの間に10万語を超えた生徒もたくさん出ました。家や朝読書の時間に読むことが多いとのことですが、中には「電車の中で読んでいるとちょっと優越感感じちゃう(笑)」なんて話も。多読チャレンジを企画した英語の脇坂先生としては、「セーラー服とペーパーバックは良く似合うから、電車の中でどんどん読んで欲しい」そうです。
紀伊国屋の洋書コーナーに行って本を選んでいるという生徒が「洋書売り場は日本に住んでいる外国人がたくさん集まっていて、緊張するし、日本じゃないみたい」と言うと、他の生徒から「すごいね~」「私も行ってみたい」とうらやましがる声が。
家族と海外へ旅行した時に自分のお小遣いで買っているという生徒もいて、来年度のイギリス修学旅行のときに現地で本を選んで買えるよう、洋書店へ行って慣れておこうという話も飛び出しました。

「洋書を読むということは、藪をかき分けて宝物を探すような感じです。内容に興味があったり、ストーリーが面白いと、分からない単語があっても読み進もうという気持ちになる。また、英語の本を集中して読むことで、頭の中は留学と同じ状態になります。留学した時も英語がいきなり全部わかるわけではなく、何かのきっかけで必要な表現が入ってくる。そういう意味では、多読は脳内留学ですね。」(脇坂先生)

英語の本を読み終わったときの達成感は日本語の本の比ではなく、「私、めちゃめちゃがんばった!」という気持ちになり、また次も読もうという気持ちになるそうです。
自分で自分をほめたくなるような達成感、すばらしいですね。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)