こぶし皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第36回目の今回は、「キュビスム」と題してお伝えします。

春は、淡い形と色から始まります。
それは、「何か」から抜け出したような形と色合いで、これから別な世界へ「染
め抜くぞ」といった決心にも聞こえるから、春の形と色は不思議です。

それと同じ様に学校の三月は、大学受験、新入生オリエンテーション、学年末テスト、卒業式等々と慌ただしさがいっきに押し寄せてきます。
それ以外にも、挙げれば切りがないほどです。
まるで、いちどに真っ白いキャンバスに沢山の形と色が、ピカソの「キュビスム」の様に存在します。

その中のひとつが抜け出して、この様なことばを残して飛び立ちました。

『最後の1年間は、本格的に受験勉強に取り組みました。やらなければならないことは果てしなくあります。本当に間に合うのか、志望校を勝ち取ることができるのだろうか。
でもそんな時、「心の支えになったのは友達」でした。みんなも苦しいはずなのに、しっかり前を向いて黙々とがんばっていて、「その姿にいつも勇気」づけられました。
最後の受験が終わったときは、嬉しいというよりは、寂しい気持ちのほうが強かったです。もう終わってしまったんだと思いました。
みんなで支えあってがんばってきた受験勉強の1年間は、私にとってかけがえのない時間でした』(第60回高校卒業生答辞から抜粋)

受験勉強は、誰にとっても過酷なものです。
ましてや、山あり、谷あり、川ありの中で、一年以上モチベーションを維持するのは大変なことです。
そのような中で、卒業生は、「友だちが心の支えとなりました」、「頑張っている友達から勇気付けられました」と言い、大学受験の過酷さを乗り越え、維持するためのモチベーションを友だちの姿に求めたのです。
この様な人間関係を構築できた生徒たちの「心の在り様」が、とても愛おしくてなりません。
そして、学校の中で、この様な人間関係を「構築できる環境」を創出していった生徒たちを誇りに思えてなりません。

Easel Isolated「キュビスム」を辞書で見ますと「単一の焦点に縛られたルネサンス以来の遠近法によって現実を再現するのではなく、複数の視点から眺められた姿を平面上に合成して表現しようとした」とあります。
生徒たちや学校という世界を見渡しますと、単一なものではなく、複数の視点から成り立っている、それは「キュビスム」の世界の在り様といえます。

春、学校と生徒たちは、多方面から、多面的に、多立体的に、真っ白いキャンバスに向かい始めます。

※尚、今年度、卒業生たちの大学進学実績は、国公立、早慶上理(早稲田・慶應・上智・理科大)、三大女子大(津田塾・東京女子大、日本女子大)、G―MARCH(学習院・明治・青山・立教・中央・法政大)等は、過去最大のものとなりました。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)