Calla LilyNHKの朝ドラを授業の折に勧める私の思いとは裏腹に、本校でも『アナと雪の女王』の人気は確かに『ハリーポッター』を超えた感があります。個人的な感想で恐縮ですが、私自身においては『トイストーリー3』の方が感銘を受けた記憶があります。おそらくこれは主人公が男子か女子かで感情移入に差があるのではないかと推測しています。この『アナ雪』の大ヒットの裏には昨今の女子力興隆も関わりがあるに違いありません。思えば『トイ3』を私に進めてくれたのは男子校時代の生徒でしたし・・・。

普段ならディズニーのアニメ映画など関心を持たない本校の某若手男性教諭(中学英語担当)もこっそり鑑賞に出掛けているようです。劇中歌の一節を授業に応用すると途端に生徒の目が輝きを増すので、この映画を相互理解の土台(生徒サイドの常識)として見ておかないと、生徒とのコミュ二ケーションに支障をきたすこともあるそうです。私も「英検まつり」の2級講習の途中で気分転換に(とは言っても歌詞の中に点在する使役動詞や知覚動詞の用法に注意を向けさせてから・・・)利用していますが、90分授業の後半まで集中力が持続できているようです。確かにこのブームは社会現象と言っていいでしょう。

『ハリーポッター』ではハーマイオニーは脇役でしかなく、お勉強のできる女の子のイメージで、いざとなったら男の子の勇気に頼ってしまうところが前時代的でしたし、『トイ3』では少年時代の思い出がいっぱいに詰まったオモチャに別れを告げることで、青年期への移行をうまく伝えていました。

そして、『アナ雪』では王子様が最後に救いに来てくれるという、少女の歴代の夢を覆す展開なのですから、まさに女子の時代の象徴となる映画でしょう。ハンス王子の最期は現代の男子の姿を皮肉っていると思わざるを得ませんし、エルサが冬山で熱唱する歌詞は現代女性の決意表明と男性諸氏は心して受け止めねばなりません。これ以上の批評はまだ鑑賞していない方のために自粛するとして、同時にヒットしている『花子とアン』に話題を戻します。

遠方へ嫁いだ腹心の友、「蓮子」さまが詩集を出版し、花子に送り届けました。女学校を卒業後、絶交を保っていた二人でしたが、二人の共通点であった文学志向を仲直りの手段とするところがとても知的なアプローチと感銘を受けました。こんな手法が取れるのも女学校時代に席を並べ、将来の夢を語り合った同窓生だからです。そのエールに呼応するかのようにペンをとる花子・・・。同時期にそれぞれラブストーリーも展開するのですが、あくまでそちらは脇役、演出効果でしかないところも、従来の女性ドラマと質を違えています。自身の知性や思いを開花させながら生きる逞しさがどこか『アナ雪』と重なりますし、アナとエルサ、花子ともも、という姉妹の構図も興味深いところです。

女子校の男性教諭、娘を持つ父親は旧態依然としてオロオロしながら、日々変わり行く生徒の成長に際し、成り行きを見守るしかないという構図だけは不変だ、と確信しているのは私だけでしょうか・・・。

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(文責:英語科教諭 脇坂秀樹(二女の父))