理事長講話6月25日(水)、中2対象の酒井理事長の講話授業が行われました。日本人とゆかりの深いサントスの地に、地元の子供たちのために教育施設を作ったブラジルのネイマール選手のこと、世界の目から見た日本人のことなど、お話しいただきました。

残念ながら、日本はワールドカップの1次リーグを敗退してしまいましたが、開催地のブラジルでは、ブラジルチームが優勝を目指してがんばっています。ブラジルチームには、国民的英雄、子供たちの希望の星と言われているネイマール選手がいます。まだ22歳ですが、素晴らしい青年です。
私も今までに3回ブラジルのサンパウロに行きました。ネイマール選手は、そのサンパウロから少し離れたサントスという港町で育ちました。サントスは、今から100年前に初めて日本の移民団が到着したところです。サントスの港からたくさんの日本人がブラジルに移民をし、今では海外でいちばん日本人が多いのがブラジルなのです。
ネイマール選手が生まれ育ったのが、そのサントスです。彼が幼少時代を過ごした家は貧民街であり、決して恵まれた環境ではありませんでした。そしてサッカーの大選手となった今、ネイマールは稼いだお金を使って、子供たちが危ない道路でサッカーをせずに済むよう、貧しい子供たちのための総合教育施設を建築しているそうです。敷地面積は8000平方メートルで、人工芝のサッカー場、プール、体育館、英語教室まである素晴らしい教育施設で、8月に完成するとのことでした。地域の子供が2500人無料で泊まれて、給食も出されるそうです。
ネイマール選手を取り上げた新聞記事には、13歳までネイマール選手のコーチをし、地元の名門サッカークラブに送りこんだベッチニーニョさんのインタビューもありました。ネイマール選手は、近所でも評判の、小さな時から心の優しい、親思いの子だったそうです。サッカーをするときも、相手チームを敬い、しかし試合には負けたくないから、練習場で夜中までボールを蹴っていたそうです。帰りはバスの中で眠りこけたネイマール選手を、コーチが抱えて帰るのが常でした。「私にとってはいつまでも息子のようだけれど、ブラジル人にとっては英雄である」と、元コーチのベッチニーニョさんは語っていました。
やはり貧しい人の中で育った彼は優しい人だなと、私は思いました。世界中がネイマール選手のプレイを絶賛していますが、彼は奢ることなく、人に優しく、稼いだお金を自分のためだけでなく人のため、故郷の子供たちのために使っている。やはり光り輝く人は、小さいころから努力家で優しい人なんだな。そういうような人が立派になっていくんだなと私は思わせていただきました。
サッカーの話でいえば、日本はコートジボワール戦で負けたとき、日本人サポーターたちはみんなで観客席のゴミをきれいに拾って退席し、その行動は世界で絶賛されました。
海外の人たちは、日本人はみんな礼儀正しくて人に優しい親切な民族だと見ています。東日本大震災の直後もそうでした。食べ物に困っても、奪い合いはしない。冷静に対応し、礼儀を忘れませんでした。
世界に出ると、日本人は優しい、親切、礼儀正しいと言われます。それは日頃から訓練を受けているからです。佼成学園には、そのための5つの実践があります。「あいさつ」「食前食後の感謝」「校門出入り一礼」「身だしなみ、整理整頓」「思いやり」の実践です。佼成女子は時々近隣の方々からお褒めの言葉をちょうだいすることがありますが、先日私は男子校でも来客の方に褒めていただきました。「私が車から降りたら、御校の生徒さんがこんにちはと声をかけてくれました。そして生徒さんたちの自転車置き場は、びしっと整理されていました。すばらしいですね。こういう教育を受けている生徒さんには、大学を出た後にぜひ我が社に来ていただきたいです」。大手企業の常務であるその方はとても感銘を受けた様子で、そうおっしゃってくださいました。皆さんも日本人としての素晴らしさを身に付けていくために、5つの実践をいつも頭に入れながら、家庭生活、学校生活を送って下さい。

今年の夏休みも、昨年に引き続き、佼成女子の中3と高1の生徒代表がスリランカに行きます。スリランカには3つの異なる民族の方々がいます。タミル人、シンハラ人、ムーア人で、宗教もそれぞれヒンズー教、仏教、イスラム教と異なります。スリランカでは、そういう民族が異なるスリランカの生徒さんたちと、佼成女子の生徒が、2泊3日の合宿しながらの交流会を行う予定になっています。せっかく行くのですから、その前にスリランカのことを勉強してもらおうと、元国連事務次長の明石康先生や、私の友人のタミル人でヒンズー教徒の方、日本人イスラム教徒の方等に特別授業をお願いしています。例えばイスラムの考え方、豚肉を食べないとか、1日に5回礼拝するといった日本人とは違う生活習慣のことなど知ってから、スリランカに行ってもらいたいと思っています。
皆さんも、どうか有意義な夏休みを送って下さい。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)