理事長講話7月19日(土)、高1生たちは、前日までのヤングアメリカンのワークショップの興奮も冷めやらぬなか、佼成学園理事長の酒井教雄先生の講話授業を受けました。内進生以外の高1にとって初めての理事長講話。佼成女子のことをより深く知るために、学園創立者の庭野日敬先生のこと、そして日敬先生が定めた校訓「行学の二道」とその実践について、お話を伺いました。

佼成女子も、年々世間から注目や評価を頂くようになりました。そして皆さんもご存じの通り、3月には、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定を受けました。これは、国際社会で活躍できるような人材を高校時代から育てるために、文部科学省が全国で56校を指定したものです。
全国の高校の中から佼成女子がSGHに選ばれたということで、私には1つ感じていることがあります。それは、昭和29年にこの学校を創立された、庭野日敬先生のことです。
日敬先生は平成11年に92歳で亡くなられましたが、その日敬先生が60年前に大きな夢と期待を持って作って下さったのが、この佼成学園という学校です。
庭野先生は、世界の平和リーダーでした。世界を戦争のない、みんなが仲良く豊かに生きていけるような、人種を超えて仲良くして行けるような世界を作りたいということから、世界を飛び回って活躍されていたのです。
また日敬先生は、世界の宗教界のリーダーでもありました。宗教が違うと、自分のところの宗教の方が優れているといがみ合い、戦争となります。例えば、今はイラクはそういう内戦状態にあります。同じアラブ系の民族なのにスンニ派とシーア派という宗派が違うだけで、戦争をしているのです。イスラムのガザ地区でも、イスラム教徒とユダヤ教徒が長年にわたっていがみ合っています。何の罪もない子供たちが亡くなっているのです。宗教の違い、宗派の違いを乗り越えて、どんな宗教の人たちもみんな仲良く、平和のために手を繋ぎましょう。そのために世界を飛び歩いて、いろんな宗教の方々と仲良くしようと活動してきたのが、庭野日敬先生です。世界の宗教界のリーダーとして、平和のために活動されたのです。
いってみれば、庭野日敬先生はグローバルリーダーでした。佼成女子がSGHに指定されたのも、そんな日敬先生が作った佼成女子という学校だからということもあるのではないかと、私は想像しているのです。

そこで、その日敬先生が、どんな形で国際社会で活躍されたすてきな先生だったのかと言うことをお話したいともいます。
私が今持っているのは、私がスイスのジュネーブでスピーチをしたとき、私の前にスピーチをしたドイツのギュンター博士が配った小冊子です。「世界の宗教 普遍的な平和、そして国際的な倫理」というタイトルの、宗教の教えの倫理を守り、普遍的な平和のために努力した人たちを、ドイツの研究所がまとめたものです。皆さんご存知の、マハトマ・ガンジー、マザー・テレサ、アウン・サン・スーチー、ダライ・ラマ、アルベルト・シュバイツァー、マーティン・ルーサー・キングといった世界的に有名な方々の中に、庭野日敬先生のお名前があります。
例えばインド独立の父のマハトマ・ガンジーのお孫さんのエラ・ガンジーさんは、南アフリカでネルソン・マンデラと共に反アパルトヘイト運動をした方です。私の友人でもあり、一度佼成女子で講義をしていただいたこともありました。
マザー・テレサさんはカトリック信者で、インドのカルカッタの貧民窟街に入り、路上生活者、浮浪児といった最も貧しい人たちに救いの手を差し伸べて、世界的な聖女として評価をされた人ですが、この方と日敬先生は親しい間柄で、平和のために熱心に語り合っておられました。私もそのおかげさまで、マザー・テレサとお会いすることができました。
そういった方々、世界の平和、世界の人々の幸せのために活動された方々が、この小冊子に掲載されています。ギュンター博士はこれを配布して、講演されたのです。
仏教では、3人掲載されています。一人は、ミャンマーのアウン・サン・スーチー女史。佼成女子はロンドン大学のSAOS校と提携していますが、その卒業生がスーチーさんというご縁もあります。この方は、二十数年間当時の軍事政権により軟禁されていましたが、それに耐えて、今は解放されました。ミャンマーの平和のためにがんばっておられます。私も一昨年にミャンマーに行きましたが、だんだん民主化されて、いい国に発展しています。スーチー女史も仏教徒で、その精神で平和のためにがんばっておられます。
もう1人は、ノーベル平和賞も受賞されたチベットのダライ・ラマです。私も昨年、沖縄でお会いすることができ、平和のためのお話をさせていただきました。
庭野日敬先生は、こうした平和のために貢献した人たちと並ぶ、そういう素晴らしい先生でした。平和の世界のリーダーだったのです。ここに、ニューヨークの国連本部の総会議場で、平和のためのスピーチをされている庭野日敬先生の写真があります。「戦争のために危険を冒すよりも、平和のために危険を冒してもらいたい」と、堂々たる演説をされたのです。そして世界を回って、平和のために汗を流されていました。
そしてローマのバチカンに世界の宗教者が集まったとき、2人だけ特別な椅子に座ったのが、ローマ法王ヨハネス・パウロ二世と、日敬先生です
このように世界的に尊敬されていた日敬先生でした。そうした大きな功績に対して、ノーベル賞にノミネートされ、そして宗教界のノーベル賞と言われるテンプルトン賞を受賞しています。
それが、この学校を作った庭野日敬先生です。

その日敬先生が、この学校に期待し、生徒たちが学校生活を送るときの心掛けを定めてくれました。皆さんはもうご存知ですね。「行学の二道を励み候べし」です。行学の学は勉強に励むこと。そして、将来国際的にも活躍できるような人材になってもらいたいなと思います。
もう一つは行いの道。どんなに勉強ができても、成績が良くても、行いや人間性が今一つではいけません。人を傷つけたり、親を悲しませたりすることのないよう、しっかりした行いの道も努力しましょう。これが行の道です。
その行いの道の中で、日頃から5つの実践を心掛けてほしい。それは、「あいさつ」「食前食後の感謝」「校門出入り一礼」「身だしなみ、整理整頓」「思いやり」です。
私事で申し訳ありませんが、小学1年生になったばかりの私の孫が、先日初めての通知表をもらってきました。担任の先生のコメントは、「毎朝おはようございますと言ってくれるので、それを聞くと先生は元気が出ます。いろんなことに気がついて、お手伝いしましょうかと声を何度もかけてくれます」「話す人の方に目を向けていっしょうけんめい聞くことができています」。孫の母親である私の娘は、佼成女子の出身です。これは実は、娘が佼成女子で教えてもらったことなんですね。学校で教わったことが身について、それが孫に伝わったんですね。私はしみじみ、佼成女子で良かったなと思った次第です。

今日は高校からの新入生には初めての私の授業でしたので、創立者の庭野日敬先生が素晴らしいグローバルリーダーだったということ、そして私達に残して下さった校訓のお話をさせていただきました。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)