イングリッシュローズ(「花子とアンで感じること」シリーズは、初回は広報室、2~5は英語科の脇坂が担当しましたが、今回より再び広報室からお届けします。記事掲載の時期が遅れましたことご容赦ください。)

佼成女子の高2生は7月1日から8日まで修学旅行に行ってまいりました。英国の保養地チェルトナムにて5日間のホームステイも経験し、その後ロンドンに戻って市内観光、翌日に帰国しました。そして、高2生のうち4週間の短期留学を希望する生徒33名はそのままロンドンに留まり、南方にある海沿いの町ブライトンの語学学校に通います。

チェルトナムと言えば、オードリー・ヘップバーン主演の映画『マイフェアレディ』の中で、ヒギンズ教授がロンドンの下町で人々の発音から出身地を言い当てるシーンで、見るからに英国紳士であるピカリング大佐に、「生まれはチェルトナム、名門のハロー高校を出て、大学はケンブリッジだろう」と言い当てる場面がありました。昨年の今ごろ、当時高1だった生徒たちは夏の講習でこの映画を見たのですが、今回の訪問地でそのことを思い出してくれたでしょうか。

さて、佼成女子の修学旅行は、単なる物見遊山の海外旅行ではありません。全員がホームステイして英国の日常生活を送るという、彼女らにとっての「非日常」を体験するための修学旅行です。
慣れ親しんだわがままの言える自宅を出て、他人の、しかも文化も言語も違う家庭にお世話になってうまくやっていくためには、相手の文化や各家庭のハウスルールに自分を合わせる必要があります。この経験が自身を成長させるだけでなく、日本の良さを再認識し、帰国後には両親に感謝の気持ちを持てるいい機会となるのです。これこそが異文化理解の土台ではないでしょうか。ホテルに仲間と泊まる観光旅行だけの海外修学旅行とは根底から違う、ミニ留学体験の機会を学年生徒全員に持ってもらいたい。それが、佼成女子の修学旅行です。
インターネットが普及している昨今では、日本の映像を見たり、家庭と連絡を取ることが簡単にできますが、それはホームシックを助長するので、緊急の場合以外は連絡などはしないよう指導もされています。これは、ニュージーランドに1年留学している留学クラスも同様です。
ホームステイに関しては、後述する短期留学は1人1家庭ですが、学年全員が宿泊する修学旅行では2人で1家庭です。友人同士2人では日本語環境になってしまうと懸念される保護者の方もおられますが、実はそのおかげで自室に引きこもらず、ラウンジに出てきて家族と過ごそうとする意欲を増幅させる結果となっています。これは佼成女子メソッドの団体戦ではなく、個人戦ペアの部とご理解いただけたらと思います。

さて、話題を「花子とアン」に戻しますと、このホームステイ体験は花子が東京の女学校へ通ったのと同じ衝撃を生徒に与えたはずです。佼成女子の花子さんたちは、ホームステイ先で「おとう」や「おかあ」に思いを馳せながら、まだ耳が慣れないホストマザーのネイティブ英語を一生懸命聞き取ろうとすることで、新たなる視点を体感たはずです。この修学旅行を意識しながら、高1から「英検まつり」などで英語の力をつけてきた本校の花子さんたちが、いよいよその本場に飛来し、大きくなって帰国する。帰国後はさらにその英語力を磨き上げ、さらに夢に近づく。現代の花子体験は、本校のような海外修学旅行にこそありそうです。昭和の初期なら東京へ出ること、東京のカフェでコーヒーを飲むことがハイカラの最先端だったのでしょうが、グローバル化が進んだ現代においては、漱石のように英語発祥の地「英国」に極東の果てから出向くことがその代替となりそうです。

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(佼成学園女子中学高等学校 広報室)

ボートン・オン・ザ・ウォーター
風光明媚な観光地「ボートン・オン・ザ・ウォーター」
ストーンヘンジ
世界遺産「ストーンヘンジ」
バッキンガム宮殿
エリザベス女王の「バッキンガム宮殿」
ビッグベン
確かにビッグベンの鐘の音は日本のチャイム音でした。
ホストとの別離シーンの画像の方が感動的なのは、そこに生徒の成長を感じるからではないでしょうか。観光旅行だけなら成人してからでも体験できます。しかし、思春期のまっただなかに自国を離れ、自宅を離れての異文化体験は、掛けがえのない財産です。

ホストファミリー
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