Marguerite『花子とアン』では、文字も読めなかった花子がおとうに初めて買ってもらった本が、アンデルセンの『おやゆび姫』でした。書籍があふれている今では、人生で最初の一冊を覚えている人はめずらしいかもしれません。生徒たちがどのくらい共感できるものかはわかりませんが、先日夏期講習で使う原書を配布した時の生徒たちの反応は、なかなかのものでした。生徒たちにとっては、初めての自分の原書だったかもしれません。それは、『アナと雪の女王』(英語タイトル“Frozen”)です。

花子がもらった『おやゆび姫』はアンデルセン作。『アナと雪の女王』も同じくアンデルセン原作の『雪の女王』が原作です。映画や挿入歌が空前のヒットとなり、ついに『ハリーポッター』を超え社会現象とも言われている『アナ雪』のストーリーをそのまま本にしたjunior novelization版をニューヨークのRandom House社に発注したのは6月に入ってからでしたが、先日やっと入荷されたのです。
これが、高1と高2の夏休みの課題となり、高1は夏休みが始まってすぐに『アナ雪』英語講習突入となりました。
特進文理コースの講習は、『アナ雪』の原書(123ページ、全23章+序章)を使っていくつかの文法項目の攻略を、進学コースは80分授業を8回(2週間)、『アナ雪』の原書を毎回3章ずつ、DVDと補助プリントでフォローして対応しました。本校の進学コースは部活や習い事に時間を割きながら、指定校推薦や公募推薦での進学を希望する生徒対応のカリキュラムです。

Frozenこの映画に関しては、DVDが発売されているにも関わらずいまだに映画館で見ることもでき、繰り返し見る人も多いようです。ストーリーは熟知していても、オリジナルの英語版、吹き替えの日本語版の両方を見たくなったり、人の感想を聞いて再度確認してみたくなったり。長女と次女の物語として、自己投影したりした生徒もいたのではないでしょうか。

スタジオジブリの最新作『思い出のマーニー』もたまたまダブルヒロインの設定だそうですが、西村プロデューサーのコメントによると「かつてヒーローが女性を救う映画がたくさん作られた。その後、ヒーローも悩んでいることがテーマになり、女性はヒーローを支える存在になった。そして、今、男性は女性を救えないということに気づいてしまった。女性の悩みは女性にしか解決できない、それがまさに『アナと雪の女王』だったと思う。ダブルヒロインは時代の必然かもしれない」と分析されています(オリコンニュース7月30日版)。

昔ながらの白馬に乗った王子様ハンスが最期にはアナにパンチを食らってしまう展開、アナを全身全霊で救いに来たクリストフより先に姉のエルサを命を投げ出してまで救おうとしたアナ、雪だるまなのにアナのために部屋を暖め自分は融けてしまいそうになっても本望と言い切るオラフ……。確かに昨今の男性陣にはなかなかできない勇気ある行動です。この映画は、女子教育の本質を示唆し、女生徒に多大なる影響を与えたかもしれません。今回配布した原書も愛読し、英語力も増強してくれたら、これに勝る喜びはありません。

女子にとって、自分のことを一番心配し理解してくれるのは、一見口うるさいお母さんであり、次には姉妹。『花子とアン』でも、花子が落ち込むときには妹のかよが心遣いをして母親の元に返し、次に震災で恋人を亡くしたかよを、花子がそっと気遣っていました。そんな姉妹がいない人にはぜひ「女子校」をお勧めしたいものです。

Love is putting someone else’s needs before yours. (“Frozen” 第20章 p.108,1.7)

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(佼成学園女子中学高等学校 広報室)