「アートリンク」プロジェクト佼成女子はこのたびアメリカの団体であるクリエイティブ・コネクションズ(Creative Connections)の「アートリンク」プロジェクトに参加。本校の中2とコネチカットの学校が、生徒製作の絵を交換することになりました。作品はまだ製作途中ではありますが、乙女祭の時に管理棟に展示し、ご来校の皆様方にも見ていただきました。

「アートリンク」とは、全米の小中学校と世界21カ国の学校とが、アート作品を通じて異文化交流を行うプロジェクト。日本からは広島の中学校と本校が参加しています。主催のクリエイティブコネクションズはアメリカのコネチカット州にある民間団体で、1996年から毎年開催されているこの「アートリンク」プロジェクトには、現在アメリカと5大陸の56か国の学校が参加しています。

このプロジェクトのゴールは3つ。

  1. 外国に住む同世代の子供たちの生活への認識を高め、理解し、評価する機会を生徒に与える。
  2. 新しい視点で自分自身が持つ文化を見直す。
  3. 考えを伝える方法として美術の持つ力を発見する。

具体的には、まず生徒たち1人1人が、その年のアートリンクの設定したテーマにそって、それぞれが育った文化や環境の中で意義を感じる事柄や物、行動をイメージし、それを絵に描きます。そして、その作品に英語の説明を付けて、海外の同年代のパートナークラスと交換します。
パートナークラスから絵が到着したら、今度はその絵を見ながら、みんなで語り合います。この子は何をしているところなんだろう、どういう場面なんだろう、どんな気持ちの瞬間なんだろう。そうやってその国の子供たちの生活を想像し、そのバックボーンにある文化や伝継、価値観を探り、理解して、作品へのお礼や感想の手紙を送ります。先方からも同様にして手紙がやってきます。そんなやりとりを通じて、つながりあえるものを見つけたり、違うものを発見したりすることができる。そうやってアートの持つ、言葉を超えた力をみんなで伝え合っていこうという運動が、アートリンクです。

Picture the Moment今年のアートリンクのテーマは、“Picture the Moment ~自分の大切な時間~”です。生徒たちはセルフィ、自分がいる場面(セルフィ)を描きます。日本でもセルフィはスマホでの自分撮りといった意味で使われています。写真ならばともかく、日本人は自分自身の絵を描くのが苦手です。カルチャーバリューをセルフィの中で表現するということはとても難しいのですが、生徒たちは下記のステップを踏んで、素晴らしい発想を描き出してくれました。
まずは、自分の心の瞬間、自分自身がとても楽しかったり、安らいだりする場面を思い浮かべます。その時に、例えば自分はどんな服装をしているのか、その場所はどんなところなのか、そして自分がそのとき何をしているのか。それぞれのイメージを別々に描いてみます。最後に、それを全部合わせて描いてみる。そうやって、絵全体のイメージができあがっていきます。
この生徒の絵にもご両親が登場していますが、興味深いことに、背景にお父さんやお母さんが登場している絵が多いのです。日本人のカルチャーの底には両親がいる。日本人は家族の絆を大切にしているのだということがわかります。

Picture the Momentコネチカットの同年代のお子さんたちが、中2の生徒たちの絵を見て、どんなことを考えてくれるのか、今からとても楽しみです。また、生徒たちがコネチカットからやってきた絵を見て、アメリカの同年代の子供たちの日常生活を想像し、どんな暮らしをして、何を大切にして、どんなことに喜びを感じているかを知るのも楽しみです。
夏休み中に来校されたクリエイティブコネクションズのエグゼクティブプロデューサーは、この製作途中の絵を見てたいへんほめて下さいました。初めてのことに戸惑い気味だった中2たちも、自信を持って交換できることと思います。

グローバルハイスクール指定校となった佼成女子ですが、グローバルということは英語を読み書き話せるだけではありません。自分の中にある文化を知り、そして相手の文化も理解して尊重できる人間が、グローバルな人です。アートリンクはその一つのステップとなる試みです。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)