平成26年8月23日(土)~30日(土)にかけ「日本スリランカ青少年交流」プログラムが実施されました。
このプログラムの目的は大きく2点あります。一つは、世界遺産の宝庫といわれるスリランカの歴史と文化を学ぶこと。二つ目として、2009年まで内戦で苦しんだシンハラ人とタミル人や、ムスリムなど多様な民族・文化・宗教の青少年との交流を通じて異文化理解をはかることです。
今回、中学3年生5名、高校1年生10名の計15名の希望者が参加しました。

初日は移動のみでしたが、2日目にはスリランカ最古のシンハラ王朝の都がおかれた古都「アヌラーダプラ」を訪れました。「スリー=マハー菩提樹」(※1)、「イスルムニア精舎(寺院)」(※2)、「ルワンウェリ=サーヤ=ダーガバ(ストゥーパ)」(※3)など貴重な仏教施設を見学しました。

※1 釈迦が悟りを開いたといわれる菩提樹の枝を前288年に植樹。人間の手で植樹された最古の樹木。
※2 紀元前3世紀に当時の王が建立した寺院。本堂に巨大な涅槃像がある。
※3 紀元前2世紀に建立された高さ55mの仏塔。

スリー・マハー菩提樹
スリー・マハー菩提樹
イスルムニア精舎
イスルムニア精舎
ルワンウェリ=サーヤ=ダーガバ
ルワンウェリ=サーヤ=ダーガバ
3日目。バブニアにある「たちばな諸宗教幼稚園」(※4)を訪問しました。バブニアは内戦の際に、タミル人の分離独立を求めて活動していたタミル=イーラム解放のトラ(LTTE)の支配下とされ、内戦の最前線となった地域です。荒涼とした景色の中、細く状態の悪い道をひたすら進み、幼稚園に着きました。それまでポツリポツリと民家が散見されるだけでしたが、幼稚園はまるで砂漠に浮かぶオアシスのようでした。かわいらしい園児たちの暖かい出迎えに続いて、私たちが訪問する1ヶ月も前から準備をしてくれていたという歌や踊りなどで歓迎をしてくれました。私たちも日本から持参した絵本や佼成幼稚園の園児たちの描いた絵などを幼稚園にお贈りし、お菓子とおもちゃを園児一人ひとりにプレゼントしました。また、即興でしたが簡単な日本の歌を歌わせていただきました。

※4 立花産業株式会社の支援で創設された、連結語である英語の教育を行う私立幼稚園。

園児のダンス
園児のダンス
立花産業さんから預かった絵本を贈呈
立花産業さんから預かった絵本を贈呈
幼稚園でお昼をいただきました
幼稚園でお昼をいただきました
4日目。午前中に世界文化遺産の「シギリアロック」に登りました。岩の上に城を築いた王をしのびつつ、頂上からの絶景を楽しみました。
午後は一路コロンボを目指して移動。夕刻「立正佼成会スリランカ教会」を訪問しました。こちらでは心尽くしの手料理を、スリランカの作法に従って手でいただきました。そして歌や踊りで笑いの絶えない、とても楽しいひと時を過ごさせていただきました。特に伝統的な「キャンディダンス」という踊りも見せていただけて、とてもよい経験になりました。ただ、渋滞に巻き込まれて予定よりも到着が大幅に遅れてしまったため、名残を惜しみながらも早々に失礼しなければならなかったのが残念です。
シギリアロックにて
シギリアロックにて
シギリアの美女の前で
シギリアの美女の前で
立正佼成会スリランカ教会にて
立正佼成会スリランカ教会にて
ダンス部の2人がダンスで盛り上げ
ダンス部の2人がダンスで盛り上げ
スリランカの伝統の踊り
スリランカの伝統の踊り
5日目。この日から青少年交流の本番。午前中の開会式でスリランカの子供たち80名と一同に会しました。午前は呼吸法など、SGE(構成的グループエンカウンター)のようなエクササイズを行いました。午後はバス2台に分乗してヒンドゥー教、キリスト教、イスラーム教、仏教の各寺院を訪問しました。日本ではなかなか参詣することのできない各宗教施設は、その場で行くだけでも勉強になるものですが、特に仏教寺院はペラヘラ(※5)というお祭りの前だったそうで、建物は電飾で飾られ、境内には行進予定の像がいるという豪華さで、日本との違いを実感しました。

※5 ペラヘラはもともと行進という意味の祭り。キャンディで行われるエサラ・ペラヘラが特に有名で、もともと釈迦の歯(仏歯)をいれた舎利容器を背に乗せた、装飾されたゾウを先頭に、音楽隊やダンサーなどの群が街中を歩いてパレードするのが由来。

日本スリランカ青少年交流
日本スリランカ青少年交流
交流 Interactive Session
交流 Interactive Session
ヒンドゥー教の神像
ヒンドゥー教の神像
キリスト教の教会を訪問
キリスト教の教会を訪問
仏教寺院の仏像
仏教寺院の仏像
ペラヘラで行進する予定の像が境内に
ペラヘラで行進する予定の像が境内に
6日目。午前中はスポーツプログラムを行いました。導入として、日本から持参してきた長縄とびを紹介して一緒に楽しみ、その後、バレーボールのグループと、Elle(野球に似たスポーツ)のグループに別れてゲームを行いました。体を動かしての交流に笑い声が響きました。午後には前日のエクササイズの続きを行い、その後私たちは夕方のキャンプファイヤーに備えて浴衣に衣装替えをしました。
夕刻、バスに乗り込んで「The Lions Camilla School」という重度障害者のための施設へ。はじめに入所者の方たちの部屋を訪問し、事前に準備していた折り紙の鶴などを手渡しました。障害の程度や施設の様子を見てショックを受けた生徒もいましたが、楽しいばかりの経験では得られない何かを学んでくれたのではないかと思っています。
その後はキャンプファイヤーで「世界で一つだけの花」を歌い、「東京音頭」で盆踊りをスリランカの子供たちと一緒に踊りました。その他の学校もそれぞれの出し物を披露して競い合い、最後の表彰で本校が一番優秀だったという評価をいただきました。
英語で長縄を紹介して交流
英語で長縄を紹介して交流
Elle にチャレンジ
Elle にチャレンジ
東京音頭で一緒に盆踊り
東京音頭で一緒に盆踊り
鬼の扮装をしたスリランカの生徒さん
鬼の扮装をしたスリランカの生徒さん
7日目。いよいよ交流会の最終日です。はじめに健康に関する講義と簡単な運動を学びました。その後、小グループに分かれ、生徒たちが準備をしていたノートを使って日本の様子を紹介したり、折り紙やけん玉をしたりして交流を深めました。また、最後に英語だけではなく身振り手振りを交え、3日間にわたる交流会で楽しかったことなどを意見交換することができました。
午後は閉会式です。各校の生徒たちがヒンドゥーやイスラームの文化を、本校からは書道部が準備してくれた書道作品を生徒が英語で紹介しました。また、ダンス部とバトン部に所属している生徒たちが、旅の途中に時間を見つけては練習を重ね、日本代表として見事な演技を見せてくれました。更に、閉会式には在スリランカ日本大使の粗信仁(ほぼのぶひと)氏が来場し、交流の成果を大変評価してくださいました。
そしてこの日は帰国の日でもありました。フライト時間が決まっているため、お世話になった多くの方々にしっかりとしたお礼の言葉を述べる間もなく、慌ただしく会場を後にして帰国の途へ。
「平和ノート」で日本と自分を紹介
「平和ノート」で日本と自分を紹介
書道部の作品をプレゼント
書道部の作品をプレゼント
閉会式でバトンを披露
閉会式でバトンを披露
全員で集合写真
全員で集合写真
今回生徒たちはこの交流のため、スリランカの民族・宗教・文化などについて事前学習を行いました。また、日本を紹介するために、日本らしさとは何かをあらためて学びました。ただ、知識で知ることと、実際に経験することとの間には大きな開きがあるものです。「百聞は一見にしかず」。今回のスリランカでの経験は真に「国際社会で貢献できる人」になるための視野を学ぶ、その第一歩になったのではないでしょうか。

(文責:国際交流部 浦田さゆり)