竜胆春に入学した新入生も先日の乙女祭(文化祭)を終え、現在は今年2回目の「英検まつり」に追われています。それが終わると中間考査……と目まぐるしく行事は移り変わりますが、本校の生徒としてスケジュールを進めていくことで、本校生らしさが培われていくのも確かです。環境に素直に順応して行くことで、過去の自分の壁を打ち破り、新しい自分、成長した自分との出会いに繋がります。一人では挫けてしまうようなノルマも、クラスのみんなと、そして学校全体でやっていると苦に感じないから不思議です。これこそが「受験は団体戦」という本校の進学方針の土台でもあるのです。

さて、「花子とアン」もいよいよ最終回。主人公のアンが“花子にそっくり”な『赤毛のアン』も無事発刊され、関係者の充実した笑顔が印象的なラストでした。このリレーエッセイも今回で一区切りとなります。
この連続ドラマを見るたびに、女子校の存在意義を考えさせられました。それと同時に受験生の皆さんに本校の良さを分かっていただきたくなりました。ある意味、媒体としてドラマを利用させていただいた感はありますが、本校の良さが少しでも多く伝われば、と思っています。

読書さて、『赤毛のアン』の出版祝賀会で、花子はこのようにスピーチしました。
「私は本の力を信じています。一冊の本が心の支えとなって、自分を絶えず励まし、勇気づけてくれるのです。私にとってAnne of Green Gablesはその一冊でした。主人公を取り巻いている世界は私が修和女学校の寄宿舎で過ごした日々とあまりにも似ていました。厳しいけれど深い愛情を持つマリラは、まるで校長のブラックバーン先生のようでした。腹心の友ダイアナは、私が寄宿舎で出会った二人の大切な親友です。彼女たちは生涯を通じて、私の腹心の友となってくれました。この本との出会いは運命のようにも思いました。
13年前、私はミス・スコットと約束しました。平和が訪れた時、必ずこの本を翻訳して、日本の多くの人に読んでもらいますと。けれど日本は大きな曲がり角をまがり、戦争は激しくなる一方でした。どんなに不安で暗い夜でも、必ず明けて朝がやって来ます。そして、曲がり角の先にはきっと一番いいものが待っている。それは物語の中でアンが教えてくれたことでした。私の今までの人生を振り返っても、いくつもの曲がり角をまがって来ました。関東大震災、愛する息子の死、戦争……、思いがけない所で、曲がり角をまがり、見通しの利かない細い道を歩くことになったとしても、そこにも優しい心、幸福、友情などの美しい花が咲いていると今は強く信じています。アンのように勇気を出して歩いていけば、曲がり角の先にはきっと、きっと美しい景色が待っています。日本中にアンの腹心の友ができますように……」(『赤毛のアン』の出版祝賀会での花子のスピーチより)

長い人生ではいくつもの「曲がり角」をまがることでしょう。曲がり角とは「選択肢」とも言えるかもしれません。それぞれの節目でどのような決断と選択をしたかで、その後の道は変わってきます。例えばそれが中学、高校選びだとすると、その判断の土台となるのは、偏差値などの情報以上に、それまでの「経験」と出会いのような「直感」ではないでしょうか。学校の説明会に足を運び、その学校の校門をくぐってみて先生たちや在校生たちに出会った瞬間に、誰しも感じるものがあると思います。それを大切にして欲しいと思います。それは、あなたの琴線に触れ、響いた事実だからです。
そして、自分の感性に適した「環境」があれば、最大限にその力を発揮することができ、より大きな自分に変身できるのです。あなたは学校を「原点」に、翼を広げ、腹心の友を携えて、目標とする方向へ飛び立つことでしょう。
でも疲れた時、目標を見失った時にはいつでも帰って来てください。私立学校はその教育方針を土台としたあなたの青春や夢をいつまでも大切に保管しています。

今年度の佼成女子の文化祭には、106名もの卒業生が遊びに来てくれました。ちなみに昨年度は45名。本校がますます卒業後の皆さんにとって価値あるものとなっている何よりの実績だと、誇りに感じています。
【「花子とアン」で感じること】シリーズは、これで一区切りとさせていただきます。どうもありがとうございました。                   

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)