日本スリランカ青少年交流プログラム夏休みも最後に近くなった8月23日(土)~30日(土)、佼成女子の生徒15名は「日本スリランカ青少年交流」プログラムに参加しました。その様子はすでにホームページでも報告済ですが、今回は生徒の感想文をもとに、その視点からこのプログラムを振り返ってみます。

今回参加したのは、中3が5名、高1が10名の計15名。夏休み中に8回の事前研修を受けてスリランカの文化や宗教、生活のことなど学び、現地で披露する歌や踊りの練習、自己紹介のためのノート作り等、しっかり準備をしてスリランカに出発しました。
全員が初めてのスリランカで、海外の人たちと交流するのもほとんどの生徒が初めてです。
不安で「初日から早く日本に帰りたいと思っていた」という生徒も何人かいました。しかし、そんな生徒も日程の最後の方には、「お別れはすごく悲しくて、日本に帰るのが本当に本当に本当に嫌と思うくらいでした。次はスリランカの子たちも日本に来て、日本の文化をもっと教えてあげたいと思いました」(高1)というくらい、スリランカの人々の優しさ、温かさ、たくましさに触れ、スリランカの素晴らしさを知った8日間だったようです。

日本スリランカ青少年交流プログラム生徒たちがスリランカで直面したのは、カルチャーギャップです。社会状況や、スリランカの人々の積極的なフレンドリーさに最初は戸惑いましたが、15、6歳の心の柔らかさで、次第に自分たちの方からも心を開いていく様子がわかりました。(以下いずれも高1生)。

「私がびっくりしたのは、まずは野良犬がたくさんいたこと。それからスリランカの人たちの積極的な態度です。初めて会う人だからといって恥ずかしがらず積極的に話しかけてきてびっくりしました。最初はとまどいもあったけれど、みんな笑顔で優しく話しかけてくれたのでとても嬉しかったです」

「スリランカの場合、時間厳守という考え方がないようで、電車が来たら昨日の夜の電車だということがひんぱんにあるそうです。スリランカの人々はのんびーり、ゆったーりといった生活習慣から性格が表れているのかと思いました。とても私に合っている国だと思いました。理由は、ゆったりしてずっと笑顔になれて楽しかったからです」

「例えばご飯を手で食べること。仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教がしっかりあってお祈りをすること。野球に似たエンレという競技があること。お寺に入るときは裸足で行くこと。(中略)こんなにたくさん違うことがあり、最初はびっくりすることもあったけれど、人生で初めて日本を出て、他の文化や人にふれあい、スリランカに行って良かったと思いました。ずっと日本で暮らしていて、他の国の文化や人のことを何もわからず、日本の生活が一番だと思っていました。けれど、スリランカに行って、日本の生活や文化が決して一番ではないこと、他の国の文化や生活、人がすばらしいことに気付くことができました。8日間は長いようで本当にすごく短かったです」

「スリランカの人々は、とても周りが見えていて、誰にでも優しく親切に接してくれます。日本人の場合は、自分のことを第一に考えてから行動しているように思えます」

日本スリランカ青少年交流プログラム中3生たちにも、スリランカの同年代の子供たちと自分たちの違いが強く印象に残ったようです。

「より多くの人と交流したいという気持ちがスリランカの子達からものすごく感じられました」
「スリランカの子達は、小さい頃から自立するよう教えられているのか、私達とは何事にも取り組む姿勢が違っていました」

国歌に対する意識の違いにも、生徒たちはびっくりしていました。スリランカの人たちは、誰もが国歌が聞こえた瞬間に話をやめ、胸に手を当て、静かに自国の国家を聴き入ります。
「中でも驚いたのが、私の隣に立っていた男子3人が、国歌が始まると同時に自分がかぶっていた帽子を外し、終わったあと再び被り直していたということです。とても自分と同年代の男の子がやる行為とは思えませんでした」(中3生)

生徒たちが渡航前にいちばん気にしていたのが、自分たちの英語でスリランカの人たちとちゃんと話せるかどうかということ。それについて、高1生からは以下のような感想がありました。

日本スリランカ青少年交流プログラム「ちゃんとした英語じゃなくても、スリランカの子たちが一生懸命理解しようと努力してくれて、コミュニケーションが取れて、仲良くなることができました。コミュニケーションをとるために私は笑顔で会話することを心掛けました。一生懸命伝えようという思いがあれば、必ず通じると思えるようになりました。きっと通じないだろうと初めからあきらめるのではなく、伝えよう!と思って相手に接すると、相手も努力してくれて伝えることができたと思います」

「この交流を通じて、英語が通じないことは大変だと思いました。ジェスチャーなどでも伝えることはできますが、英語ができればもっと多くのことを共有できるからです。私はもっと英語を勉強し、相手から来るのを待つのではなく、何事も自分から積極的に行動していきたいと思いました」

「現地の子に話しかけられて、英語がうまく聞き取れなかったりしたとき、英語をもっとうまく話せるようになりたいと思いました。スポーツの時もうまく声をかけられず、思いを伝えることができず、悔しかったです」

「英語が不安だったけど、注意して聞いてくれたり、表情に出したりしてくれるので、意外にも通じることができて、英語で話す喜びを知ることができました!そのおかげで、もっともっと英語に携わりたいと思いました。スリランカに住んで、シンハラ語と英語を話し、通訳になるという夢もいいなと思いました」

「嬉しいという気持ちを伝えたくても、私には“Thank you very much”が最大限で、もっとたくさん伝えたいのに!っと、とてももどかしくなりました。英語は嫌いだけれど、それよりも今は自分の思いを伝えられなかった悔しさの方が全然大きいです。だから、絶対に私は苦手な英語を克服してやろうと決めました」

ネガティブな自分を変えようという目標を持って参加した高1生は、「スリランカの子達がサポートしてくれて、なんとか言葉を伝えることができました。彼らは私たち日本人に対して怖がることなくドンドン話しかけてくれて、こういうところが本当にすごいなあ、私も見習わなきゃと思いました」
と、このように思いは様々ですが、英語を使う抵抗感は8日間の間になくなり、もっと英語を勉強して伝えられるようになりたいという気持ちになったのは、全員共通のようでした。

日本スリランカ青少年交流プログラム何について語り合えるかということも、コミュニケーションには大切なことです。
「交流の時、先輩や同級生はイギリスのバンドなど共通の話題を見つけて盛り上がっていて、私もそういうふうに世界共通の話題があればなあと思いました。でも、最終日の交流で初めて共通の話題で話すことができました。それは絵でした。うまくはないけれど絵を描くことは好きだし、それを外国の人に認めてもらって本当に嬉しかったです。来てよかったと思いました」(中3生)

また、日本企業の支援で創設された、たちばな諸宗教幼稚園訪問では、園児たちのかわいらしい歌や踊りに癒されました。
「まだ3、4歳なのに日本の生徒たちよりもしっかりしていて、英語もちゃんと話せることにびっくりしました。幼稚園でこれからも違う宗教の子達が仲良くなって、もう宗教対立から内戦のおこらない国になって欲しいと強く思いました」(高1生)

差別については、「僕たちタミル人を差別しないでくれて嬉しかった」とお礼を言われた生徒もいました。ふとした瞬間に、その国の歴史が浮かび上がります。

生徒たちは、このようにスリランカでいろんな体験をし、いろんなことを感じ、考えて、日本に帰ってきました。
「スリランカは途上国だから“かわいそうな国”ではないし、紛争があったから“怖い国”でもなくて、みんな明るくて優しい国でした。私はスリランカに行く前、外国の人は自分が1番で周りにはあまり目を向けないものだと思っていました。しかし、スリランカの人たちのさりげない親切な行動に、私は自分の考えで決めつけていたイメージがとても恥ずかしく思えました。スリランカのすばらしさを知ることによって、対等な関係を作り、日本の生活を振り返ることができました。国や人、文化や宗教にも優劣はなく、お互いを認め合い、学びあえるように私はなりたいと思います」(中3生)

「私は日本の事も外国の宗教・文化についても、知らない事ばかりだと思いました。私が世界のことをどれだけ知らないか、そして普段見聞きしている情報はほんの一部に過ぎないことに気が付きました。他の文化や生活に触れて話をすることはとても楽しい経験で、自分の視野を広げることができました」(中3生)

生徒たちにとって、とても意味深い、強烈な印象の旅行体験だったと思います。きちんと準備して行った成果も出せ、結果的に、スリランカに魅了された生徒たちの8日間となりました。 何人かの感想文の最後にはこう書かれていました。
“スリランカ イストゥーティー!!”(シンハラ語で「ありがとう」)

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)