梅皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第47回目の今回は、「アジア若者考」と題してお伝えします。

2015年1月28日付け日本経済新聞の朝刊に、「アジア10カ国の若者調査」、「今後3年以内に新たに買いたい製品・利用したいサービス」(複数回答)が掲載されていました。
調査対象は、日本(東京)、シンガポール、韓国(ソウル)、中国(上海)、マレーシア(クアラルンプール)、インド(ムンバイ)、タイ(バンコク)、インドネシア(ジャカルタ)、フィリピン(マニラ)、ベトナム(ホーチミン)の10カ国の主要都市に住んでいる大学卒の20歳台の男女2,000人です。
この記事が掲載されると、早速多くのブロガーたちは自身のブログに、この話題を取り上げていました。

日本経済新聞の記事をかいつまんで見ますと、海外旅行を一位に選んだ国は、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、インドなど5カ国、車はフィリピン、インドネシアの2カ国、そしてベトナムは海外旅行と車、中国は海外旅行とスマートフォンでした。
一位に車を選んだフィリピン、インドネシアが、二位に上げたのは海外旅行でした。
日本はといえば一位にスマートフォン、二位に国内旅行、三位が海外旅行でした。
10カ国中唯一、国内旅行が海外旅行を上回って選んでいるのが日本の若者たちです。
これらから言えることは日本の若者たちの思考は、他のアジアの国々の若者たちと比較して、明らかに「内向き思考」なのです。

日本経済新聞の記事には、経済発展が進むにつれ、所有する「モノ」よりも経験する「コト」を重視する姿勢が鮮明になっているとしています。
それは、それだけ自らの能力に磨きをかける、今で言う「ブラッシュアップ」にどの様に取り組むのかが「アジア10カ国の若者調査」からも見て取れることができるのです。
海外旅行を選んだ国々の若者たちは、「外向き思考」といってよいでしょう。
環境的にも、アセアン諸国は2015年末に経済共同体を設立する予定です。
具体的には

  1. 市場の統合(関税撤廃等)
  2. 政策の共通化(知的財産保護等)
  3. 公正な経済開発(域内での格差是正等)
  4. グローバル経済への統合(FTAの推進等)

が柱となっています。
昨年訪問したタイチェンマイの学校でも、これらのことを授業で取り上げ、教員たちが生徒たちに熱心に説いていました。
否応なく若者たちは、自分の立つ位置と外側の世界とを融合させているのです。

飛行機ならば一位にスマートフォン選んだ日本の若者たちのことを、どのように捉えればよいのかです。
スマートフォンのあの長方形の世界で繰り広げられる世界を経験することで満足している、いわゆる「疑似体験」、「仮想体験」のみでいる恐れがあるということです。
政府の「トビタテ!留学JAPAN」のHPには、総理のメッセージとして「今、活躍の舞台は世界です。日本の若者たちには、高い「志」を持って日本から飛び立ち、世界の人々と出会い、それぞれの「夢」に挑戦してほしい」とあります。

今、日本の若者たちに必要なのは、「外向き思考」を持てるようになる環境です。

これらを考える時、学校現場で日々生徒たちと接しながら思うことは、『「世界」を伝えることができている「学校」か』ということです。

※佼成学園女子高は文部科学省より、グローバルリーダーを育成するスーパーグローバルハイスクールに指定されています。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)