紫陽花皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第51回目の今回は、「新聞紙一枚の努力」と題してお伝えします。

今年度、立ち上げた「スーパーグローバルクラス」、略称「SGクラス」の高大連携ブログラム「国内版」が、いよいよ7月に始まります。
コンピュータサイエンスの「会津大学」との連携です。
文部科学省の大学版「スーパーグローバルユニバーシティ」にも指定され、近年では小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクト、「かぐや」プロジェクト等の研究推進の役割を担っています。
さらに個性的なことは、設立当初から外国人教員の比率が圧倒的に高く、各国からの留学生も多く、多国籍の文化が混在している大学です。
本校の生徒たちにとって、宇宙から文化まで広大に知的好奇心が刺激されるに違いありません。

惑星探査といえば、2014年12月3日に「はやぶさ2」が打ち上げられています。
丁度、東京オリンピックが開催される2020年頃、地球へ帰還する予定との報道が記憶に残っています。
タイミング良く帰ってくれば「ビックニュース」になるでしょう。記憶に留めて置きたいイベントではあります。
その前進の「はやぶさ」は、2003年5月9日に打ち上げられ、7年間の飛行を終え、2010年6月13日に帰還しています。
驚きは、その飛行時間にもありますが、小惑星「イトカワ」から採取物を持ってきたことにあります。

宇宙JAXA(宇宙航空研究開発機構)によりますと、
「人類がサンプルを持ち帰った天体は月だけですが、月は変成してしまったため、太陽系初期のころの物質について知ることができません。
小惑星は惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体で、この小惑星からサンプルを持ち帰る技術(サンプル・リターン)が確立されれば、『惑星を作るもとになった材料がどんなものか』『惑星が誕生するころの太陽系星雲内の様子はどうか』についての手がかりが得られるのです」と、その意義を強調しています。

この小惑星に付けられた「イトカワ」の名前は、「日本の宇宙開発の父」と評される糸川英夫博士の名を冠したものです。
1955年ペンシルロケットの打ち上げ成功から、日本の宇宙開発は始まったとされ、その扉を開いたのが糸川英夫博士でした。
私の年代の者からすると、糸川英夫博士の印象は、マスコミ等から伝わる発言、行動の在り様がユニークで、その活躍は「変幻自在」なものでした。
著作も多く、晩年には、21世紀に託すべきものを書き残しています。
その一冊に『人類は21世紀に滅亡する!?』があります。
この中で、自身が人生後半クラシックバレエに挑み、足を高く上げることが出来るようになったトレーニング方法を開示しています。
足の上がりは、最初60度程度から始まり、それもタンスの引き出しに足を乗せて行い、毎日、新聞紙一枚ずつタンスの下に引き、足の上げる高さを増していったとのことです。
1年6ヵ月後、クラシックのバレエダンサーのごとく、見事、足を高く上げることが出来るようになったとのことでした。

博士は言います。
「この足を上げる練習に要した時間は、毎日10分間。
24時間の中で、10分間新しいことに挑戦すれば桁違いの能力がそこで生まれるのです」と。

宇宙開発も、勉強も、クラブ活動も……そして21世紀の新しさも、新聞紙一枚からの努力なのです。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)