理事長講話7月21日(火)、高1を対象に、佼成学園理事長の酒井教雄先生の講話授業が行われました。高校から入学した生徒にとっては、初めての理事長講話です。毎年、1学期の終業式が終った後の時間を使い、学校のことをより深く理解してもらうため、学園創立者の庭野日敬先生のこと、そして日敬先生が定めた校訓「行学の二道」とその実践について、お話をしていただいています。

今日は初めての皆さんと触れ合う機会ですので、61年前にこの学校を創立してくださった庭野日敬先生のことについてお話させていただきたいと思います。庭野先生は平成11年92歳でお亡くなりになってしまわれましたが、とても若い人たちを愛していた先生でした。
日敬先生には、2つのお顔がありました。1つは、世界の平和運動のリーダーで、世界を飛び歩いて世界の平和のために活躍されました。私が持っているドイツで発刊された本には、世界の平和のために貢献した世界の宗教家の名前が掲載されていますが、その仏教のページには、チベット仏教のリーダーのダライ・ラマ、アウンサンスーチー、そしてもう1人、ニッキョウ・ニワノとあります。すなわち、この学校を作って下さった、庭野日敬先生です。日敬先生は、宗教界のノーベル賞と言われるテンプルトン賞も受賞されています。ニューヨークの国連での特別軍縮総会では、世界の宗教者を代表して平和のためのスピーチをされました。
もう1つの日敬先生の顔は、宗教界のリーダーです。世界にはいろんな宗教がありますが、これは世界の宗教界の方々が、カソリックの総本山であるバチカンに集まって世界平和会議をしたときの写真です。真ん中にローマ教皇のパウロ2世、その隣に並んで、一人だけ高い位置に座っていらっしゃるのが、日敬先生です。あのカソリックの教皇様に並ぶ世界の宗教指導者であった。それが庭野日敬先生です。
世界の平和運動のリーダーであり、宗教界のリーダーでもあり、そして子供たち、若い人たちが大好きだった庭野日敬先生が期待を込めて作ったのが、この佼成学園です。

日敬先生は61年前にこの学校を創立した時に、佼成学園に学ぶ生徒にどういう心掛けを持って3年間または6年間の学校生活を送って欲しいかを、校訓に残されました。
その校訓は、「行学の二道を励み候べし」「行学絶えなば、佛法はあるべからず」。この学校に学ぶ生徒は、行学の2つの道、1つは学業の道、もう1つは行いの道、この2つのことをしっかりと心がけて学校生活を送ってください。それが、この校訓です。
学業の道、学校はまず、学業を身に付けるところです。今年の卒業生は、高1の頃からしっかりと勉強の力を身に付けて、素晴らしい大学進学実績を残してくれました。
もう1つの行いの道。これは、どんなに勉強ができても、人を傷つけたり、悲しませたり、親を悩ませたりするようでは、行いの道に反しています。この学校では、行いの道もしっかり心掛けてほしいのです。そのために心掛けてほしい5つの実践があります。「挨拶の実践」「食前食後の感謝の実践」「校門出入り一礼の実践」「身だしなみ、整理整頓の実践」「親切、思いやりの実践」です。

  • 「挨拶の実践」
    佼成学園はきちんと挨拶ができる学校です。皆さんもぜひ、先輩たちの築いた伝統を引き継いで、「佼成の生徒さんたちはみんな挨拶がしっかりできますね」と誰からも言われるよう心掛けていただきたい。
  • 「食前食後の感謝の実践」
    私たちは、お野菜の命やそれから動物の命やいろんな命を頂戴して、毎日この身体を養って頂いています。また、料理やお弁当には作ってくれた人の手がかかっています。それらの全部に感謝の気持ちで「頂きます」、食べ終わったら「ごちそうさま」。家でも同じです。感謝を持ってそういうことがちゃんと言える、心の豊かな素晴らしい人に成長して下さい。
  • 「校門出入り一礼の実践」
    一礼をして入り、一礼をして去る。これが日本の文化です。学校は遊び場ではなく、先生から学業を教わり、友達と友情を深める聖なる地です。校門から入るときは「今日も1日がんばろう」、校門から去るときは「今日も1日ありがとう」。それが「校門出入り一礼の実践」です。謙虚な心の、けじめのできる生徒になって下さい。
  • 「身だしなみ、整理整頓の実践」
    心の乱れは服装の乱れです。高校生は高校生らしい服装できちんと身を整えてください。使った履物はもとへ戻し、椅子はきちんと並べて置く。自転車をきちんと整えて置く。整理整頓をちゃんとできる人は、行いの立派な人であります。
  • 「親切、思いやりの実践」
    先日も東北でいじめの悲劇がありました。友だちをいじめる、そういうことは絶対にしないでください。人には親切に、思いやりの実践を心がけできるように是非心がけてもらいたいと思います。校長先生のところには、「佼成女子の生徒さんに助けてもらいました、親切にしてもらいました」という手紙や電話がちょくちょくやってきます。皆さんの先輩たちは、外で困っている人を助けてあげていることができているんですね。地元の生活の中で、心の優しいそういう生徒に成長していって欲しいなあと願っています。

余談になりますが、春の高校野球でとてもすてきなドラマがありました。佼成学園男子校の野球部は、ライバルである日大三高と作新学園の試合の時、日大三高に応援団がいないのを見て、応援席に行って日大三高の応援をしました。残念ながら日大三高は負けてしまいましたが、日大三高の監督はわざわざ佼成学園の野球部のところに来て、「ライバルである私たちの学校をこの度は一生懸命応援してくれてありがとう」と涙を浮かべて感謝をされたと私は伺いました。素晴らしい親切な行いでありました。佼成学園の生徒は、こういうことができる子たちです。一生懸命でがんばっています。

今日は皆さんにお会いする最初の授業でしたので、佼成学園で皆さんに3年間心掛けてもらいたいことのお話をしました。
しっかり有意義な夏休み生活を送ってくださることを祈念をして、今日の私の授業を終わりたいと思います。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)