ペンキ塗り私は今年から中学部で教えることになり、中庭に目を向けることが増えるにつれ、その荒廃度合いが気になって仕方ありませんでした。外からは見えなくても、中学生が毎朝通る下足口前のポールが錆びていたり、花壇が雑草に占領されていたり・・・これではせっかく朝に新鮮な気持ちで登校しても、生徒の気分はトーンダウンしかねないと思っていました。

教師サイドから学校に掛け合って、お金を使い業者さんにやってもらうのは簡単ですが、それは教育的ではないし、学校への愛着も感動も起こらないだろうと考えていたところ、中1の担任も中庭に対し私と同じ感想を持っていたようで、意気投合し、この「美化ぷろじぇくと」が始まりました。単なる校内美化に留まらず、仲間と汗を流し苦労したことで、自分たちが成長してからも残り、「友情と成長の証」となるような仕事をさせたいと思いました。

まずは、道徳の時間に中庭を中1生のみんなで巡回し、私立の女子中学校としての視点からどうあるべきかを問いかけ意見を求めました。入学後には慣れてしまいあまり気にならなくなっていたことに目を向けさせたのです。
すると、下足入口の英語で書かれた校名看板の汚れや、中庭に設置された日よけシートの劣化や汚れ、そのシートを支えるポールの錆びなどが「案の定」気になるようで、「かわいい」「きれい」が身上の女子中学生にはストレスとなっていることが判明しました。

いくつか提案を出し、金額的にすぐにはできないことやひさしの上の掃除など危険なことではなく、今自分たちにできることを模索した結果、木製の朽ちたベンチを白ペンキで塗ったら「きれい」で「かわいく」なるという結論に達しました。また、学園サイドもこの取り組みを応援して、日よけシートの取替えやポールの錆び落としを行うことに決まり、中庭は一気に美化されることになりました。

当日は、ベンチの汚れをタワシで落とし、金具や床が汚れないようにマスキングをして、生徒同士で交互にペンキを塗りました。クラスの半数以上がペンキ塗りは初めてのことのようで、すぐ垂らしてしまったり、なかなか均一に塗れないようでしたが、経験ある生徒のアドバイスを受け、工夫しながら全員で8つのベンチと2つの階段を塗り上げました。

ペンキ塗り
ペンキ塗り
ペンキ塗り
ペンキ塗り
そして、いよいよマスキングした新聞紙や養生テープを撤去すると、自分たちの手で再生したベンチが白く「かわいく」「きれい」に輝いていることに歓声が沸き起こりました。この感動こそ、お金では買えない、かけがえのない達成感です。しかもクラス全員で協力して成し遂げた仕事は、今後このベンチの前を通る度に、思い出され、その労苦を讃えられることでしょう。また、他学年の先生や生徒からも感謝されるでしょうし、何より自分たちが毎朝一番気持ちよく登校できるのです。この偉業は将来、高校棟に移ってからも「実存」する自分たちの生きた「証」となることでしょう。卒業記念のオブジェよりもずっと価値ある仕事として残ったと思います。
中庭
Before
中庭
After
生徒の感想:

  • いい汗かいたな~。とても思い出になった。学校は中身も大切ですが、やっぱり外見もきれいになるととても気持ちがいいです。またクラス全体の団結力もすごかったと思います。
  • ベンチが白になりとってもすっきりした気分です。とても楽しかった。もっともっとみんなで協力して何かしたいと思った。毎朝ベンチを見るのが楽しみになりました。
  • みんなで協力して1つのことを成し遂げることは素晴しいことだということがわかりました。とにかく楽しかったです。またやりたいと思いました。
  • 業者の人に任せるのではなく、自分達の力でやってペンキを塗り終わった時には達成感でいっぱいになった。みんなで、自分達の学校をきれいにすることで、より学校への愛着が湧いたし、この学校をきれいにしていきたいと思えた。
  • 暑かった。疲れた。清潔感が出てよかった。達成感! クラスの協力する力が深まった。事務長さんからの差し入れが最高に美味しかった。

(文責:中学部主任(中1副担任) 脇坂秀樹)