穂先皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。
第56回目の今回は、「MRJ」と題してお伝えします。

テレビのニュースには、感動で涙を流す人々の姿が大写しとなっていました。
1962年に初飛行したプロペラ機「YS-11」以来となる国産飛行機「MRJ」が、試験飛行で離陸する姿を見に来た人たちのワンシーンです。
実に半世紀ぶりなのです。

世界最大の発行部数を持つ経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、「MRJ」を次のように紹介していました。
「ロンドンのアセンド・フライトグローバル・コンサルタンシーのロブ・モリス氏は、MRJの受注が軌道に乗るまでには時間がかかるかもしれないが、2033年までに世界市場で約4000機を納入し、販売総額は280億ドル(約2兆9700億円)、シェアは22%に達すると予想している。アセンド社によれば、その間の小型旅客機受注のシェアはブラジルのエンブラエルが61%でトップに立ち、MRJが第2位の座を占めると予想する」と。
この様に世界からも高い評価を受けての試験飛行でした。
試験飛行を見て涙を流した人々の心持は、きっと「朝日」が昇り来る時のまるで「希望」が沸き立つ瞬間だったのかも知れません。
それほど、テレビのニュースを見ていても、同じようにこれらのことが胸に“ジン”とくるシーンでした。
これ以後も、ニュース番組等では、MRJの開発秘話等が取り上げられ、祖父、父、娘親子三代と繋いだ希望の灯まで報じられていました。

本校の創立者は、エッセーでこの様な文章を残されています。
「行く手に苦しいことが待っていることもあります。将来のために、あえて不利なことを甘受しなくてはならないこともあります。ときには、回り道をしなければならないこともあります。しかし、希望を持って自分の意志で歩き始めると、勇気を持ってそれに耐え、それを受け入れ、乗り越えていくことが出来るのです。
『希望があれば疲れない。希望を持って生きる人は老いることがない』という言葉があります」
この様に「希望」は、私たちの大きなエネルギーの「源」となってくれます。

10月の末に、高校2年生たちの大学受験に向けての決起集会を行いました。
集合した生徒たちの真剣な眼差しからは、話し手である教員、スタッフ等の指示連絡さえも「何事も聞き漏らさないぞ」といった気迫めいたものが伝わっていました。
私からは「希望をかなえるには、明確な目的。そのための道筋。そして一歩一歩の歩みが必要」と話をしました。

またこの時期は、中学、高校、大学等を目指す全ての受験生は、ナイーブ(繊細)なものです。
しかし、掲げた目標に「希望」が見えればゴールまで、たどりついていけるものなのです。
如何に「希望」を、自身に留め置くかが日々への歩みとなります。
「MRJ」が飛んだ日、「いつか世界の空で」といった「希望」を抱いた人々がいたのです。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)