読売教育ネットワーク出前授業10月26日(月)、本校のホール3にて「読売教育ネットワーク出前授業」が行われ、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールの主に高校生の各部員及び監督、指導教諭が参加しました。出前授業をしてくださったのは、順天堂大学の女性スポーツ研究センター、センター長の小笠原悦子先生と、副センター長の鯉川なつえ先生。生徒たちはアスリート出身という共通点を持つお2人の授業を真剣に聞き入り、最後には質疑応答も活発に行われました。

「読売教育ネットワーク出前授業」は、読売新聞社が「社会はまるごと学校」を合言葉に、日本の教育の発展を支援するという目的で取り組んでいる事業です。今回は、順天堂大学女性スポーツ研究センターと佼成女子を繋いでいただきました。今回参加したのは、ハンドボール部員33名、バスケットボール部員23名、バレーボール部員13名及び指導者、指導教諭です。

鯉川先生鯉川先生の講義は「女性アスリートのコンディショニング」について。
鯉川先生は中学でバレーボール、身長の問題で高校では陸上に転身し、長距離ランナーとなって駅伝にも出場したという経歴の持ち主。実業団ランナーとして3年間走ったのちにコーチの勉強のために母校の順天堂大学に戻り、現在はスポーツ健康科学部先任准教授、順天堂大学陸上競技部女子監督としてご活躍です。
鯉川先生がコーチとしていちばん大事にされているのは、自立したアスリートを育成すること。これは、対象となるアスリートとコーチが一緒に取り組まなくてはできませんが、そのための大事な基礎知識を教えてくださいました。
例えば自分のことをどのくらい知っているのか。体重身長は当然わかりますが、自分の食事の消化時間、ベスト睡眠時間、緊張した時に気を紛らわす方法などなど、アスリートは完ぺきに自分のことを知り尽くしている必要があり、そうでなければベストパフォーマンスはできません。日々トレーニングをするということは、刻々と身体が変化しているということであり、そういう人たちは毎日自分を知る作業を怠らないようにする必要があります。それは、体だけでなく心も同じことです。
他にも、様々なことが起こる競技人生においての目標の定めかた、また女性アスリートが直面しやすい課題には「身体的生理的」「心理的社会的」「組織環境的」なものがありますが、今回はなかでも特に身体生理的な課題を中心に授業をしていただきました。ちなみに順天堂大学には昨年10月、女性アスリート外来ができたとのことです。

小笠原先生“女性とスポーツ”にかかわって20年近くになるという小笠原先生の授業は、「女性スポーツリーダーシップ」について。
小笠原先生は、大学卒業後10年間競泳のコーチをされていましたが、1993年にアメリカのオハイオ州立大学大学院に留学してスポーツマネジメントを勉強され、帰国されてからは広告代理店に研修生やアドバイザーとしてかかわり、その後びわこ成蹊スポーツ大学等を経て2011年に順天堂大学に移り、現在は順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科教授、2014年8月からは女性スポーツ研究センターセンター長もされています。
小笠原先生は1998年にスポーツにかかわる女性を支援するNPO法人ジュース(JWS)を立ち上げ、世界女性スポーツ会議を成功させるためにご尽力されています。ジュースは、競技だけではないあらゆるスポーツに関わる女性を支援する会であり、「日本や世界において男女共同参画社会を築きあげるために、それをスポーツという手段や分野によって推進すること」を設立の目的とし、その目的を実現させる足がかりとして、特にスポーツにおける女性の参加を促すこと、女性がリーダー的立場につく機会を増やすことを掲げています。(ジュースや世界女性スポーツ会議については、リンク先をご覧ください)
現在、小笠原先生がセンター長をされている順天堂大学の「女性スポーツ研究センター」は、女性アスリートのコンディション管理に関する研究活動、女性アスリートの指導者のコーチング法の提案などを行っています。指導者養成については、今年第1回の「日本コーチアカデミー」も開催され、この日は特別にそこで使われたプログラムも見せてくださいました。
印象的なお話として、アスリート支援のためには、所属している組織のカルチャーを変えて、持続可能な発展をしていかなくてはならないこと。また、リーダーに関して、生まれつきのリーダーは存在しない。リーダーは、自分の本来のスタイルをどうふさわしい状況に適合できるかを学ぶことが重要である、などの大切なお話をいただき、生徒からは「今回の授業で、自分と他人を理解しようとする気持ちが足りなかったことがわかった」「もっとみんなのことを理解して、最大限その人の力を発揮してもらって、もっとチームで強くなりたい」との声が上がりました。
小笠原先生には「女性リーダーは、数よりもクオリティの高い人たちを次々に作るべきだ」という考えがあり、佼成女子に来てくださったのはその期待もあるとも言っていただきました。最後に夢を実現する方法として、夢を視覚化すること、ロールモデルを持って、追いかけてみることをご自身の例をあげて教えていただき、生徒たちも自分のこととして真剣に聞き入っていました。

今回の授業は、アスリートである生徒たちにとって、自分の心身の状態を俯瞰的に見ること、そして競技人生の先にも大好きなスポーツとかかわっていける道がたくさんあるのだということ、また、自分たちを含めた女性アスリートのことをこれだけ真剣に考えてくれている人たちがいることを感じてくれたことと思います。また、英語がわかれば情報は何倍もの情報が早く正確に入ってくるとの小笠原先生の言葉に、改めてはっとしたかもしれません。「もっと英語を勉強して世界女性スポーツ会議のような組織の役に立ちたい」と言う生徒もいました。
駆け足のご紹介になってしまうのが残念なくらい、生徒とともに、本当にスペシャルな瞬間をいただきました。小笠原先生、鯉川先生に心より御礼申し上げます。

女性アスリートダイヤリー
全員に「女性アスリートダイヤリー」と「カナダ発女性コーチの戦略と解決策」をいただきました。自分の身体を知るためにコツコツと記録していきたい女性アスリートダイヤリーは、こちらからダウンロードもできます。
http://www.juntendo.ac.jp/athletes/notebooks/download.html
記念写真
最後に全員で記念写真。本日の出会いに感謝!



今回の出前授業の様子は、読売教育ネットワークウェブサイトに掲載されています。
そちらもあわせてご覧ください。
10代女性アスリートを熱血サポート 順大×佼成学園女子中高

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)