酒井教雄先生6月15日(水)、中学1年生を対象とした顧問・酒井教雄先生の講話授業が行われ、学園創立者の庭野日敬先生のこと、そして校訓である「行学二道」についてお話いただきました。4月から佼成女子の生徒となった中学1年生にとっては、自分たちの学校の成り立ちをより深く理解する機会となりました。

今回の講話は、中学1年生たちが佼成女子に入学して最初のお話ということで、まずは佼成学園の創立者である庭野日敬先生について、また庭野先生が定められた校訓「行学二道」と5つの実践について、酒井先生がじっくりお話をして下さいました。
酒井先生は14年間務められた本校の理事長職を新理事長にバトンタッチし、4月からは顧問となられましたが、今年度も引き続き学年ごとに年1回講話という形で授業をしてくださる予定です。

皆さん、たくさんある私立の中学校の中から、佼成女子に入学してくれたことを、まずは心から感謝したいと思います。皆さんもご存じのとおり、本校は全国でも数少ないスーパー・グローバル・ハイスクール指定校として、皆さんが将来、国際的な視野を持って活躍できるような教育をしています。これは佼成女子の大きな特色です。
今日は、その佼成学園女子中学高等学校を作って下さった庭野日敬先生がどんな方で、どんな思いをもって佼成学園を創られたのかというお話を、皆さんにしたいと思います。
庭野日敬先生は、今から62年前に佼成学園の男子校、女子校を創立されました。日敬先生は1999年10月4日に92歳で亡くなられました。私は佼成学園の母体である立正佼成会の理事長として、先生の最後の7年間、一緒に世界を回ったり、先生のお考えを教えていただいたりし、亡くなられたときは葬儀委員長を務めました。日敬先生が亡くなられたとき、新聞やテレビといったマスコミの方々が日敬先生の訃報を掲載し、中には「ノーベル賞をもらいそこねてお亡くなりになった」などと書くところもありました。
日敬先生は日本最大級の新しい教団を一代で築き上げ、国内のあらゆる宗教の方々とお互いに手を取り合って、みんなで人々の幸せの為に力を尽くしていこうという運動を起こされました。これを国際的にも広められて、1970年には京都で、キリスト教や仏教、神道、ユダヤ教、ヒンズー教、ゾロアスター教といったあらゆる宗教人が集まり、世界宗教者平和会議を開かれました。これは今も続いている国際的な運動です。そういうことをされた方ですから、1980年代から90年代にかけて、しばしばノーベル平和賞の声も水面下で聞こえていました。
私はこの本を皆さんにお見せします。これは数年前に私がスイスのジュネーブの国連ヨーロッパ本部で開かれた平和会議に参加した時、私の前に講演されたドイツのギュンターさんが配った本です。世界には先ほど申し上げたようなさまざまな宗教があります。そうした宗教人の中でも、世界の平和の為に功績を残した人の名前が、この本には載っています。
ページをめくると、マハトマ・ガンジー、マザー・テレサ、南アフリカのマンデラ元大統領、アウン・サン・スーチー、ダライ・ラマ、アルベルト・シュバイツァー、マーティン・ルーサー・キング牧師といった名前の中に、庭野日敬先生のお名前もあります。
ちなに、マハトマ・ガンジーのお孫さんのエラ・ガンジーさんは、何年か前に佼成女子で講演会をして下さったことがあります。その時の写真も、校内に展示されているので見てください。マンデラ元大統領のお孫さんも平和活動をされていて、私もスリランカで一緒にお仕事をいたしました。マザー・テレサと日敬先生は親交があり、私も若いころにお会いしています。マザー・テレサの写真も、校内に掲示されています。
マーティン・ルーサー・キング牧師は、アメリカのアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者で、やはりノーベル平和賞を受賞されています。ボクシングの偉大なチャンピオンだったモハメッド・アリさんも公民権運動をされていて、先日亡くなったときは、たくさんの方々が悲しんで、オバマ大統領も弔辞の言葉をおくられていましたね。
この本には、そのような高名な宗教人の方々が宗教別に紹介されていました。私が、仏教では誰が紹介されているのかなあとページをめくると、3名の方が紹介されていて、1番目が庭野日敬先生でした。もう2名は、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー女史とダライ・ラマ。お2人とも、ノーベル平和賞を受賞された方で、そういう方に並ぶ活躍をしたというのが、庭野日敬先生なのです。
先日、アメリカのオバマ大統領が、日本に原爆が落ちて71年目に初めて広島に来られました。広島の原爆のことでは、日敬先生もとても心を傷めて、広島と長崎で亡くなった20万人の御霊を慰霊するためにお祈りをされ、核兵器のない世界を作ろうと広島でスピーチをされたのでありました。
広島よりももっと前に、日敬先生は国連のニューヨーク本部の会議場で、世界のすべての宗教者を代表して平和のためのスピーチをされています。世界の大統領や首相たちを前にして言った言葉「危険を冒してまで武装するよりも平和のために危険を冒してください」は、会場で大喝采を浴びたそうです。日敬先生は、国際的な平和指導者であり、平和のための運動家でした。
庭野日敬先生のもう一面は、世界の宗教界のトップリーダーだったことです。バチカンに世界から600人もの宗教指導者が集まって人々の幸せのための話し合いをしたことがありました。そのとき、ただ2人にだけ特別席が用意され、そこにはローマ法王ヨハネス・パウロ二世と、日敬先生が座りました。
日敬先生は、1979年には宗教界のノーベル賞といわれる「テンプルトン賞」を受賞されています。この賞は、宗教家の中でも世界平和のために貢献した人に贈られており、日敬先生の友人のマザー・テレサも受賞されています。
このように庭野日敬先生は、世界的な平和運動家であったと同時に、世界の様々な宗教の中のリーダーであったことを、皆さんにはよく覚えていていただきたいと思います。
その日敬先生が、「世界で役に立つような人間になってほしい」という願いを込めて62年前に創立されたのが、佼成学園の男子校と女子校だったのです。
その佼成女子の生徒たちに、日ごろどんな心がけを持ってほしいか。それを日敬先生は校訓に定めて下さいました。それが「行学の二道を励み候べし、行学絶えなば仏法あるべからず」です。佼成学園は、仏教系の学校です。従って仏教的な考え方がこの学校の中に流れています。
行学の二道、行の道と学の道です。まず学校の本分は学業。ですから、しっかり勉強すること。
しかし、どんなに勉強ができても、人をいじめたり、悲しませたり、人を傷つけるような生き方をしてはいけない。人間としてりっぱな行いができるような人間になってください。これが行いの道です。
そのためには、次の5つのことを心がけてほしいのです。それが、「あいさつの実践」「食膳・食後の感謝の実践」「校門出入り一礼の実践」「身だしなみ、整理・整頓の実践」「親切・思いやりの実践」です。これを頭に叩き込んで、「佼成女子の生徒は、みんな親切だ、思いやりがある、みんなで助け合ってる」と言われるような生徒になれるよう、6年間頑張ってやっていってもらいたいなあということを、私は皆さんにお願いしたいと思います。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)