時計皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。

第63回目の今回は、「シンデレラ」と題してお伝えします。

「シンデレラ グリムの場合 ぺローの場合」と題した比較論を、作家中野京子氏がブログで書いています。

その中の一節に、この様な箇所があります。

「もっとも大きな違いは、シンデレラがどうやって舞踏会へ行けたか、の描写にある。グリムのは小鳥がドレスをくれるという地味な展開なのだが、ペローのは魔法使いが派手に登場し、畑のカボチャを4輪馬車に、ネズミを馬に、トカゲを従者に変えてくれる。
しかも夜中の12時までに帰らなければ魔法がとける、というハリウッド映画ばりのサスペンスが加わり、読者をはらはらさせてくれる」。

一般的に私たちの記憶にあるシンデレラは、「夜中の12時までに帰らなければ魔法がとける」と書いたシャルル・ペロー(1628~1703)のものと言えます。
シャルル・ペローは、この様な作家でした。
「パリ生まれのフランスの詩人・童話作家。ルイ14世の時代に、父の跡をついで弁護士として活動する一方、アカデミー・フランセーズの会員として活躍。
詩人としても名を成し、各地に伝わる民話を収集してまとめた『童話集』で最もよく知られる。『長靴をはいた猫』『赤ずきん』『青ひげ』『眠れる森の美女』『シンデレラ』などを集めた『ペローの童話集』は、後のイギリスの『マザーグース』、ドイツのグリム兄弟による民話収集のさきがけをなした」と紹介されています。

インターネットこのシンデレラの名を冠した法律、通称「シンデレラ法」。いわゆる「強制シャットダウン法」が、お隣の国、韓国に在ります。
内容は、16歳未満の青少年が午前0時から6時までインターネットゲームの利用を制限する法律です。
国内的にオンラインゲーム業者等々から論議を呼んできた法律ですが、最終的に憲法裁判所で合憲とされています。

所変わって日本では、先頃、警視庁が都内小中高生へ携帯電話に関するアンケートを行い、調査結果を発表しています。
それによりますと、例えば「手元にないと不安になる」、「食事をしながらいじる」「宿題などしなくてはいけないことがあっても使う」等々10項目にわたる質問に対して、当てはまる数で依存度を分けたところ、高依存4項目以上は、高校生33%、中学生26.5%でした。
この高依存者に見られる傾向は、ネットで知り合う見知らぬ相手との交友について、相手から誘われ15.2%が実際に会い、フィルタリングも24.2%が利用していないといった結果が出されています。
このことからは、個々の危機管理上、由々しき状況が見て取れます。
アンケート調査を行った警視庁の呼びかけには、「家庭で利用ルールをつくり、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングを活用して欲しい」としています。
今、必要に迫られているのは、家庭版シンデレラ法なのかもしれません。

シャルル・ペローの童話「シンデレラ」には、少女たちの夢見る世界があります。
反面、お隣の国で成立、施行された「シンデレラ法」には、子どもたちのネット使用で悩む、世界中の親たちの姿が見え隠れしています。

できるなら、シンデレラはシンデレラのままで、在り続けることのできる社会を創り出したいものです。

参照
中野京子ブログ「花つむひとの部屋」
「シンデレラ」--グリムのばあい、ペローのばあい
http://blog.goo.ne.jp/hanatumi2006/e/7b404250a59b016ef43a8cb2a86472ef

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)