酒井先生講話7月20日(水)の1学期終業式の後、高校1年生を対象とした本校顧問・酒井教雄先生の講話授業が行われました。4月に入学した高1生のために、酒井先生は毎年、佼成学園の創立者である庭野日敬先生のこと、また日敬先生が定めた校訓「行学の二道」とその実践についてお話をしてくださっています。

最初に、たくさんある私立の高等学校の中で、こうして佼成女子を選んで入学して下さったことに、ありがとうと申し上げます。今日は初めての皆さんへのお話ですので、この学校を創立して下さった庭野日敬先生についてお話をさせてもらいたいと思います。
庭野日敬先生は、我が国最大級の教団を一代で築き上げ、国内だけでなく世界中のキリスト教や仏教、神道、ユダヤ教、ヒンズー教、ゾロアスター教といった諸宗教のリーダーの方々と親交を重ね、1970年には、第1回の世界の宗教者の平和会議を開かれています。その後、その機関を国際的な平和機関として育てられ、世界を股にかけて活躍をされた方でした。1980年代から90年代にかけては、しばしばノーベル平和賞の声も聞こえていましたが、1999年、20世紀の最後の年に残念ながら92歳で旅立ってしまわれました。
私が持っているこの本は、私がスイスのジュネーブの国連ヨーロッパ本部で開かれた平和会議に参加した時にいただいたもので、世界における様々な宗教の教えを拠り所に世界平和の為に活躍された方々の名前が掲載されています。例えばヒンズー教ではインド独立の父と言われたマハトマ・ガンジー、キリスト教ではマザー・テレサが載っています。仏教を見ると3人の名前があります。チベット仏教の指導者であるダライ・ラマ、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー、そしてもう一人が、この学校を創ってくれた庭野日敬先生です。この本に名前が掲載されている人たちの中にはノーベル平和賞受賞者がたくさんいますが、残念ながら日敬先生はノーベル平和賞を頂く寸前で旅立ってしまいました。
日敬先生は世界中の宗教のリーダーたちとの親交がありましたので、私もマハトマ・ガンジーの孫娘のエラ・ガンジーさんと親しくさせていただいています。今年は8月2、3日に国連大会のために来日されますので、お会いすることになっています。そのときに、佼成学園の中3の生徒が英語でスピーチする予定です。
日敬先生はマザー・テレサとも親しく、ここにインドのカルカッタで一緒にお話をされている写真もあります。世界の人々の幸せの為に手を取り合っておられました。
私は沖縄でダライ・ラマさんとも日敬先生のお話をしたことがありますが、ダライ・ラマさんも日敬先生のことを「素晴らしい先生だ」と尊敬し、称えて下さっていました。
日敬先生は、世界の平和運動のリーダーでありました。国連軍縮会議では、3回も世界の宗教者を代表して、ニューヨークの国連やヨーロッパの国連本部で、平和のためのスピーチを行っています。先生はまた、世界の宗教界のリーダーでもありました。バチカンに世界から600人もの宗教指導者が集まったときには、ローマ法王ヨハネス・パウロ二世と日敬先生だけがひな壇の高い椅子に座りました。
日敬先生は、1979年には宗教界のノーベル賞といわれる「テンプルトン賞」を受賞されています。この写真は、エリザベス女王の夫のエジンバラ公から賞をいただいているところです。
このように、佼成学園を創った庭野日敬先生は、世界の平和指導者のリーダーであると同時に、世界のあらゆる宗教の先生方のリーダーでもありました。その日敬先生が世の中で人々の幸せと平和のために活躍をしてくれる若い人を育てたいということから創ったのが、この佼成学園です。

そして、日敬先生が生徒たちに期待したこと、それが校訓である「行学の二道を励み候」です。行学の二道、行の道と学の道です。まず学校の本分は学業。ですから、しっかり勉強すること。しかし、どんなに勉強ができても、人をいじめたり、悲しませたり、人を傷つけるような生き方をしてはいけない。人間としてりっぱな行いができるような人間になってください。これが行いの道です。
そのためには、次の5つの実践を心がけてほしいのです。それが、「あいさつの実践」「食膳・食後の感謝の実践」「校門出入り一礼の実践」「身だしなみ、整理・整頓の実践」「親切・思いやりの実践」です。
先日、4月に校長先生宛に送られてきたという、ご近所の方からのお手紙を見せてもらいました。それは、ハンドボール部の生徒たちが毎朝学校の周囲を清掃していることを知って感激したという内容で、「近頃は、若者たちの行状について何かと批判されることが少なくないご時世の中で、社会にも荒れた空気が漂っている中で、そういうときにあなたの学園の生徒さんたちが、ご自分たちの学ぶ場の近辺を清掃し、住みよい街にしようとする行為に心から敬意を表する」と書かれていました。身だしなみを整え、そして汚れていたら掃除する。こういう佼成学園の日頃の心がけが、近所の皆さんから好感を持って迎えられているのだなと感じました。男子校の生徒も、視覚障害の方がバスの中で降車ボタンを探していたので、声をかけて降車ボタンを押してあげたり、電車の中で自分が疲れていても高齢の方に席を譲ったりしたという話をしてくれました。皆さんの先輩方は、5つの実践を自分のできるところからやっていてくれているのです。
「学業の道」と「行いの道」の両方ができる生徒になってほしい。これが日敬先生の夢でありました。高1の皆さんにはまず勉強をしっかりやって、行いもしっかりやる。そういう3年間を送ってもらうことを、お願いしたいと思います。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)