佼成女子は今年、中国宋慶齢基金会が主催する「国際青少年交流サマーキャンプ」に参加します。20を超える国・地域から約300名の学生が中国に集まり、8日間にわたり様々な体験型学習やパフォーマンス披露などを通じて国際交流を深める大規模なイベントです。日本からは国際基督教大学(ICU)高等学校と本校の2校が参加します。

出発は7月24日(日)、帰国は7月31日(日)です。現地での経験が意義深いものとなるよう、私たちは事前に学習会や合同練習会を開催しました。本記事ではその模様をお伝えします。

◆7月13日 第1回事前学習会
サマーキャンプに参加するのは高校二年生10名です。主催者によって各団体の参加上限人数は10名と定められています。参加者募集の際には、何名の生徒が応募するか心配しておりましたが、ちょうど10名が申し込みに来ました。本校初の試みにもかかわらず、自ら手を挙げた生徒の意欲と行動力には感心させられました。
第1回学習会では、中国の地理・歴史・民族などの基本情報と、宋慶齢と中国現代史について確認しました。イギリス修学旅行から帰国してまだ2日、時差ぼけの生徒たちに次々と出題して基礎知識を得てもらいました。例えば次のような問題を出しましたが、皆さんは何問分かるでしょうか?(答えは最後にあります。)

  1. 2015年時点の中国の人口は約13億7500万人です。これは世界第何位?
  2. 中国最古とされている王朝で、最近の発掘調査で実在の可能性が高まっている王朝名は?
  3. 宋慶齢の夫で、1911年の辛亥革命を主導し、中国や台湾で「国父」と呼ばれている人物は?

◆7月14日 ICU&佼成女子合同練習会
ICU&佼成女子合同練習会今回のキャンプでは、各団体が自国文化を紹介する機会がたくさんあり、その中で最も盛り上がるのがオープニングセレモニーステージでのパフォーマンス披露大会です。今回、私たちはICU高校さんにお声掛けをし、2校が一緒になってパフォーマンスを披露することになりました。この日、ICU高校の田島先生、引率される日本中国友好協会の山岸様、そして生徒8名をお招きして、本校体育館地下のダンス場にて合同練習会を催しました。本校と同じくSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)第一期校であるICUさんと、こうして共に汗を流しながら交流の機会を持てたことは、大変意義深く有り難いことだと感じています。北京の舞台でもぜひ世界各国の皆さんに熱いステージを見せられるといいですね。

◆7月15日 第2回学習会
泉田浩子さんこの日は、東京外国語大学院修士1年生の泉田浩子さんをお招きして、学習会を催しました。泉田さんは、昭和女子大学附属高校を1学年飛び級して大学に進学し、東アジアを中心とした国際関係学の研究を進めてきました。上海の大学への長期留学経験もあり、大学院では「近世における日本人の東北アジア認識について」というテーマで研究をされています。この夏はモンゴルでの調査研究をされるとのことです。私たちは、本校の卒業生から大学受験について話を聞く機会は数多くあります。しかし、他校を卒業した学生さんからお話を聞く機会はなかなかありません。その上、大学院で本格的に研究に従事している現役の若手修士生から直接講義をして頂き交流を持つことができたのですから、今回の参加生徒10名は実に幸運です。
泉田さんは幅広いテーマでお話をして下さいました。「大学院とは?」「中国ってどんなイメージ?」「内モンゴルについて知っていることは?」「内モンゴルのモンゴル人は遊牧民なの?」「なぜ内モンゴルには漢人が多いのか?」「満州国とは?」こうした問いを生徒たちに投げかけて次々と意見を求め、画像・地図・調査データ・現地購入品など多彩な資料を駆使しながら、知的好奇心を喚起する話をたくさんして頂きました。
特に内モンゴルに関する話は大変勉強になりました。サマーキャンプでは、前半を北京で過ごした後、夜行列車とバスを乗り継いで内モンゴル自治区に行き、草原地帯で後半3日間を過ごします。ところが現在、日本で出版されている内モンゴルのガイドブックは全くなく、高校生や一般の大人が気軽に読める有益な参考文献はほとんどありません。そのため、事前に内モンゴルについて学ぶのは至難の業であり、泉田さんが私たちのために準備し構成して下さった講義は、他では得がたいとても貴重なものでした。

◆7月20日 第3回学習会
講演「国際協力」今年からサマーキャンプに参加するにあたり、本校と中国側の仲立ちとなって下さったのが一般財団法人日本国際協力センター(JICE)です。この日は、JICE常務理事岸本昌子先生をお招きして、講演をして頂きました。テーマは「国際協力」です。
岸本先生は、ホワイトボードの中心に〈国際協力〉と記し、そこから放射状に分割して、7つの問いに対する答えを生徒たちに自由に記述させました。例えば、次のような問いと答えが出ました。

問  どこの国に対して協力したいか?
生徒 「開発途上国に援助したい」「ドイツとオーストリアに日本の音楽を広めたい」

問  何をしたいか?
生徒 「ボランティア活動を広めたい」「教育支援をしたい」

問  かかる費用はどうするか?
生徒 「クラウドファンディングで資金を募る」

こうした問答を通じて、生徒たちはこれまで考えたことのなかった国際協力について、具体的な視点を持って考えを巡らすことができました。その後、国内外におけるJICEの取り組みを学びました。かつてはODAによる開発途上国への事業が多かったが、現在では国際社会全体を対象とした幅広い活動を進めているとのことでした。必要とされる人材も多岐にわたるが、その中でも「ワクワクする気持ちを持つこと」「専門性を有していること」「適度な鈍感力があること」が国際協力活動で求められる資質であるとのご説明に、うなずかされる点が大いにありました。最後に、実はJICEの新入職員の大半は女性だと教えていただきました。もしかしたら今日のお話を聞いた生徒たちの中から将来、国際協力に主体的に関わるグローバルリーダーが生まれるかもしれませんね。

以上、事前学習や合同練習の活動風景をご紹介しました。本校では、海外研修を実り豊かなものにするために、事前学習を大切にしています。しかし、何より大切なのは、現地で自ら見て、聞いて、話して、行動して、考えることです。さぁ、まもなく出発です。安全と健康に留意しながら、有意義な体験をしてまいります。

(文責:国際部 秋田)

*中国クイズの答え

  1. 第1位  将来的にはインドが中国を抜くと予想されています。
  2. 夏(か) 河南省の二里頭遺跡が注目されています。
  3. 孫文   『宋家の三姉妹』という映画がおすすめです。