佼成女子は今年、中国宋慶齢基金会が主催する「国際青少年交流サマーキャンプ」に参加しました。
20を超える国・地域から約300名の学生が中国に集まり、8日間にわたって様々な体験をしました。本記事はその旅行記です。

◆7月28日 内モンゴルへ
Clipboard13心地よく揺れる列車に朝日が差し込みます。窓の外はトウモロコシ畑。起きた時にはすでに列車は内モンゴル自治区に入っていました。列車が赤峰駅に着いたのは朝7時。荷物棚からスーツケースを下ろし、外に出ます。赤峰駅周辺のホテルや商店の看板には、漢字と並んでモンゴル文字が記されていました。事前学習会で学んだことを思い出します。

駅前に待機していたバスに乗りこみ、さらに北西へと向かいます。しかし郊外に出ても、草原は見えません。バスで移動すること約8時間、ようやく草原が広がり始めました。放牧された羊や馬の群れも見えます。宿泊先の星星塔拉民族村の入り口に着いたのは夕方6時半過ぎでした。3台のバスを待ち受けていたのは、馬に乗ったモンゴル族の人たちです。Clipboard14右手に旗を、左手に手綱を持って、バスの脇を疾走します。これがモンゴル族にとっての歓迎のしきたりだそうです。宿泊先は、ゲルの形をしたコテージです。白壁のかわいらしい外観ですが、草原の真ん中にあるため蝿がたくさん出ます。
夜はキャンプファイヤー。音楽が鳴り響く中、炎の周りを輪になって踊りました。草原は昼夜の寒暖の差が激しく、真夏でも夜は摂氏10度近くまで冷え込みます。しかし、踊っているうちに暑くなったのか、上着を脱ぐ学生もいました。列車とバスの長旅で疲れているはずなのに、夜10時半まで踊り続けていました。

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◆7月29日 空が主役
この日は朝から快晴。午前中はきれいな青空の下でスポーツ大会をしました。コテージの周りは見渡す限り草原。まさしく自然の運動場です。綱引きをしたり、バレーボールをしたり、サッカーをしたり。中国式のドッジボールをしている子たちもいました。

午後はバスで1時間半ほどのところにある石林の見物に向かいました。ところが、目的地の方角から少しずつ灰色の厚い雲が空にわいてきて、石林がある一帯の空を覆って雨を降らせていました。足元がとても滑りやすい地質ということもあり、残念ながら見学は中止となりました。

星星塔拉に戻った頃には雨もあがり、空には虹がかかりました。夜、星を見に外へ出た生徒も多くいました。頭上だけでなく地平に近い位置にも星が輝き、満天の星空がこの大地をすっぽり覆っています。椎名誠がエッセイの中で、「モンゴルでは地平線ではなく天境線と呼ぶのだ」と言っていましたが、まさしく天が主役の世界。きっと皆のまぶたに焼き付いたことでしょう。

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◆7月30〜31日 別れを惜しんで
早朝出発してバスで赤峰中心部に戻り、赤峰第二中学校に行きました。中学校といっても、初等中学(日本の中学)と高等中学(日本の高校)の総称です。敷地内にはマンションのような学生寮群が並んでいます。今はあいにく夏休みのため閑散としていますが、学期中に来ていればどれだけ賑やかだったことでしょう。今日はここの講堂でクロージングセレモニーが行われました。私たちは、ももクロやAKB48などJ-POPの曲に合わせてダンスを披露しました。観客は大いに盛り上がり、生徒たち自身も楽しみながら踊っていました。皆いつの間にこんなに練習したのだろうと、感心しながら拍手を送りました。

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夜はまた寝台列車に乗り、北京へ向かいます。内モンゴルともお別れです。再びこの地を訪れる機会はないかもしれません。たとえ将来その機会があったとしても、きっと同じ体験にはならないでしょう。経済発展に伴い、内陸部の開発は急速に進んでいます。やがて北京からの高速鉄道がつながれば、内モンゴルへの日帰りの旅すら可能になると言われています。辺境が失われゆく時代にあって、列車とバスを乗り継いではるばる草原へ向かった経験は、かけがえのないものになるでしょう。

翌日、午前中は天安門広場や前門で観光と買い物をして、午後帰途につきました。過酷な行程の7泊8日の旅でしたが、全員元気に帰国することができて何よりです。感受性豊かな10代後半の夏休みに、一生忘れることのない思い出ができたことでしょう。どれだけメディアが発達しても、直接現地で体験し交流することの価値は薄れません。むしろ、グローバリゼーションによる画一化が進む現代社会において、情報に翻弄されることなく物事を相対化できる知性は一層重要になります。今回の旅は、生徒たちの世界を見る目が成熟する大きなきっかけになったと確信しています。

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(文責:国際部 秋田)