ボランティア夏休みの間、フィリピンセブ島で約3週間の国際ボランティア経験をして帰ってきた2人のお話、後編です。

「トビタテ!留学JAPAN」はみんなに勧めたいプログラム! その1

●とにかくかわいい、しかし痩せているセブ島の子供たち

―― セブ島の子供たちはどんな様子でしたか?

佐藤 とにかくかわいかったです。セブ島はセブワノ語がメインで、英語が通じないので、ボディランゲージでやり切りました。

和田 子供たちはいつも笑顔で人懐っこくてかわいくて。でも、体重が本当に軽くて。貧困層の子供たちはご飯が食べられていないというのは知識として知ってはいましたが、想像以上でした。5歳6歳の子供たちが、私でも軽々3人くらい抱っこできてしまうんです。日本の同じ年頃の子供たちは1人がせいぜいなのに。

佐藤 私は、セブ島に行く前は教育について深く考えていなかった。でも今回経験してみて思ったのは、教育って大事だなと。今後も教育に視点を置いて、支援を続けたいなと思いました。例えば英語を学べれば、将来が広がりますし。

和田 そうですよね。教育を受けることによって、できる仕事のレベルも上がってきたりするから、勉強すればするほど貧困から抜け出すこともできる。勉強できなかったら、そのまま貧困が続く。結婚しても子供がまた貧困で、という悪い連鎖が続いてしまいます。

佐藤 本当に子供が多いんですよ、10人家族とか。

和田 子供たちは街に数人くらいしか学校に通っていない。というのも、学校は無料でも、教科書代や制服代がかかるし、お昼ご飯を持っていけない子供もいるからです。

―― 2人ともセブ島の直前に、スーパーグローバルクラスのフィールドワークでタイに行ったんですよね。

佐藤 はい。タイのバンコクでは主にNGOを訪問してお話を聞いてきました。セブ島に比べると、タイの方が裕福ですし、住みやすいと思いました。

和田 セブ島とは違って、タイでのフィールドワークでは実際に子供たちと遊ぶようなことはなく、そういう子供たちを支援している人たちの話を聞くことがメインでした。タイは大陸にあるので、いろんな民族が集まってできた国ですが、セブは島なので、皆さんセブの人という違いもあります。タイでは、多文化多民族ということを学びました。

―― バンコクのスラム街とセブ島は似ているところがありましたか?

和田 雰囲気は似ていましたが、バンコクでは歩くときに静かにして目を合わせないようにと言われました。いい人もいるけど、悪い人も中にはいるから、あまり「ハロー」とか、気を付けてねという意味で。

佐藤 セブは、スラムについた瞬間に子供たちがわーってよって来て、私たちは「アテ、アテ」って呼ばれるんです。アテとは現地のセブワノ語で年上のお姉さんのことです。バンコクと全然違うと思いました。

和田 本当に子供たちがフレンドリーでした。

佐藤 セブでは、SLPCの持続的な支援があったので、子供たちには、そこから来た人はボランティアの優しい人だということが分かっているんですね。

ボランティア
シャボン玉をして遊びました

●同じ志の友達がたくさんできました

―― 今回のセブ島での経験、その前のタイのフィールドワークも経験してみて、これからの自分の活動など、考えていることはありますか?

佐藤 今回参加した人全員は、SLPCに入ってくださいと言われていて、今、考えているところです。もし入るとしたら、フェアトレードとか、子供たちの持続的な支援をしたいなと。

和田 SLPCに入ると、月に1回の現状報告があって、そしてセブ島に行くときは宿泊場所を提供してもらえるので、またボランティア活動もできるんです。

佐藤 ちなみに今回、SLPCが高校生ボランティアを受け入れたのは初めてだったんですが、私たちの活動が評価されて、これからも高校生ボランティアを受け入れてもらえるそうなんです。

和田 今回、トビタテに応募したのは、将来の進路を決める助けになるかなと思ったんです。学校の先生もいいなと思いますし、キャビンアテンダントもいいし、国連のスタッフとして子供たちを助けたりするのもやってみたい。今回、国際ボランティアに今回参加してみて現状がわかったので、将来は子供たちを助ける仕事をしたいという気持ちが強くなりました。

――トビタテのプログラムについても伺いたいのですが。

和田 今年の2月に書類審査を受けて、4月に面接、5月に合否が決定して、6月に壮行会と事前研修、そして留学、という流れでした。トビタテの留学プログラムには、私たちが参加した国際ボランティアのほかに、アカデミック、プロフェッショナル、スポーツ・芸術という分野もあります。事前研修では、そのメンバーが分野に関係なく1グループ6人になって、自分の計画について聞いてもらって、メンバーから「こうしたほうがいいんじゃないの?」というようなアドバイスや意見をもらえるんです。

佐藤 壮行会では、とにかく英語をやりたいとか、ファッションの勉強をしてきたいとか、いろんな目的で留学する人たちがたくさんいて、話を聞くのがすごく面白かったです。

和田 壮行会の後は、国際ボランティアの人たちの交流会がありました。今回、国際ボランティアの合格者は80名でしたが、壮行会は東京と神戸に分かれているので人数的には半分くらいでしょうか。国際ボランティアをしたいという気持ちを持った人は、日常では周りにたくさんいるわけではないですから、同じ気持ちを持った子たちと話し合えて友達になれたのは、トビタテのおかげですね。

佐藤 同年代でこんな子もいるんだって、世界が広がった感じですね。私たちはセブ島というリゾート地なので安全と言えば安全。だけどカンボジアや、アフリカに1人で行くという女の子もいて、驚きました。

●今回の経験をみんなに伝えたい

――トビタテの留学プログラムの参加者には、二つの使命があるんですよね。それは、留学先で日本の良さを伝えるアンバサダー活動、そして留学後のエヴァンジェリスト活動。

佐藤 はい。アンバサダー活動としては、現地校で日本語をレクチャーしたり、日本語学校で日本文化を紹介したりしてきました。子供たちにフィーディングをする前には、必ず歌を歌ったりダンスを踊ったりしますが、私たちは日本人代表として妖怪ウォッチや恋するフォーチュンクッキー、ソーラン節を踊ったりしたんですよ(笑)。

和田 エヴァンジェリスト活動としては、私たちのクラスには国際文化という特設授業がありますので、そこで年内にはクラスのみんなに改めて話しをする予定です。

―― 来年また後輩が続くといいですね。

和田 はい。トビタテをもっとみんなに知ってほしいなと思います。私の住んでいる市内でも合格者が私一人で、地元の友達もトビタテを知らなかったですし。

佐藤 今回、一緒に活動した他校の女の子は、学校全体で集めた寄付や子供たちのための洋服をスーツケース1個分運んで来たんです。トビタテは生徒が自力で応募する趣旨のものですが、もしまた国際ボランティアで後輩が行くとしたら、学校のみんなで協力できることがあるんじゃないかなと思います。

―― スーパーグローバルクラスでは、来年の春にはロンドン大学に行く予定ですね。

和田 はい、先日のタイでのフィールドワークの成果を英語の論文にまとめるため、ロンドン大学SOAS校では、教授たちとディスカッションしたり、プレゼンテーション指導を受ける予定です。今回のセブ島の体験も、論文に活かせると思います。

佐藤 私は他のクラスより英語の授業が多いというのと、アジアがとにかく大好きなので、タイに行けるということでスーパーグローバルクラスを選んだんです(笑)。ロンドン大学もすごく期待しています。

国際ボランティア
和田さん(左)と佐藤さん(右)

今回、セブ島でたくさんの問題意識や課題を持ち帰った和田さんと佐藤さん。ここには載せきれないくらいの、たくさんの濃い経験をお話しして下さって、ありがとうございました。来年度もぜひ、後輩にチャレンジしてもらいたいですね。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)