carnival皆さんこんにちは。校長の山内日出夫です。
毎月1回、校長としての私の感想や考えを「山内校長の【和顔愛語】(わげんあいご)」として、当ホームページで発信しています。学校のこと、生徒たちのこと、世の中のことなどを織り交ぜながら、皆さんと何かを共有できればと思います。どうかよろしくお願いします。

第66回目の今回は、「People First」と題してお伝えします。

リオでのオリンピックそしてパラリンピックが終了しました。
とても「人間」の躍動感が伝わる感動的なイベントでした。
それぞれの種目に、手、汗握り、一喜一憂をした人も多いことでしょう。
そしてニュースでは、2020年に東京で開催されるビックイベントに思いを馳せる人々が飾っていました。

なぜ、これだけ私たちを感動させるのだろうか。
「御輿」をかつぎ終えた余韻が、体いっぱいに続いているような興奮が、テレビでの観戦であっても暫く残っているのです。
たとえそれが国別対抗の要素があっても、それだけで大きな感動を頂けるものでないことは確かです。
そこには、観戦(応援)する者と観戦(応援)される者との一体感や人間同士の共有感のようなものが、支配的に、その空間を占めているからではないでしょうか。

今、「○○ファースト」といった言い方が、あちらこちらから新鮮な響きを持って伝わり、聞こえ、彩りをあらゆるものへ添えています。
始まりはと言えば、「ピープル・ファースト(People First)」といった運動体名からではと思えます。

「ピープル・ファースト(People First)」。
それは、「1973年、アメリカのオレゴン州で、知的障害を持つ人たちの会合で、ある少女が『わたしは、障害者としてではなく、まず人間として扱われたい』と発言したことがきっかけとなって、この運動名が生まれた」と伝わっています。
「第一に人間として」と答えたことから、人間=ピープル、第一=ファーストという言い方と成り、概念と運動体ができあがっていきます。
現在では、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ等々、多くの国や地域に広がり、日本でも、その名を冠した団体が設立されています。
また国際会議を開くまでとなり、活動は世界中での広がりを見せています。

cappuccino先頃、世界へ配信されている明るいニュースのひとつに、「S・Bコーヒー・マレーシア」の店があります。
この店は、若者たちや障害を持つ人たちの働きかけで開店することができたと伝えられています。
主に聴覚障害を持つ人たちが中心となって店の運営を行い、注文する客は、特別な注文表と手話で行っていると報道されていました。
今、私たちはグローバル化の中で、「多様性」と言われる社会に生きています。
多くの人種、多くの民族、多くの国、多くの制度、多くの宗教、障害を持つ人、持たない人等々が、この地球上で生活しています。
生活者である私たちは、このようなことを認め合い共有することが、最も大切な時代となっています。
まさしく、「ピープル・ファースト(People First)」なのです。

オリンピックで、パラリンピックで感動した心にある「心棒」も、このことが「共振」させているのでしょう。

学校も目指すは、「スチューデント・ファースト(Student First)」です。

(佼成学園女子中学高等学校校長 山内日出夫)