スリランカ青少年交流プログラム皆さん、こんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

第2回は、「憎しみは憎しみによって止むことなく、愛によって止む」と題してお届けいたします。

空港の外に出たらすぐに、むっとするような熱気が肌にまとわりつき、アジアに着いたという高揚感に包まれました。 現地の人々は活気にあふれ、生きる力が漲っていて、同時に、そこには目に見えないものに対して敬意を払い、慈愛に満ちた人々の真摯な姿がありました。
 
私は5月21日からスリランカを訪問しました。学園前理事長の酒井先生とともに3泊5日の中で多くの目的を果たさなければならない弾丸ツアーでした。日本大使館の御後援をいただき、現地で最難関とされる女子校、ヴィサカ校と本校の業務提携準備やプログラム内容の改善を図るための視察、要人との会談などを行いました。タイトなスケジュールの中、何とか時間をつくって、日本政府が資金援助して建築された、ある偉大なスリランカ人の記念館を訪問しました。

Hatred ceases not by hatred but by love
「憎しみは憎しみによって止むことなく、愛によって止む。」

ブッダのこの言葉を引用して、ジャヤワルダナ元スリランカ大統領が戦後の日本を支持してくれた演説を、いったいどのくらいの日本人が知っているでしょうか。

1951年サンフランシスコ対日講和会議で、元大統領は対日賠償請求権を放棄しました。その際、ブッダの言葉を引用しながら「日本は真に自由で独立した国家にならなければならない」と主張され、ソ連の日本に対する制限案に反対して、会議参加国に寛容の精神を説き、ある意味で日本を現在の姿に留めてくれたのです。条約締結後、日本は次第に経済大国となり、スリランカに対する経済援助は日本とアメリカで60%を占めるまでとなり、両国の友好関係もゆるぎないものとなっています。

ジャヤワルダナ氏は、まさに平和構築のために、各国のリーダーのそれぞれの主張を調整して、「世界平和」という大目標に尽力された真のグローバルリーダーだと思います。そのような国民の父を自分たちの誇りだと敬意をもって慕うスリランカの人々に、あらためて大切なものを教えていただいた気がします。

スリランカ青少年交流プログラム本校では5年前からスリランカ青少年交流プログラムを実施しています。スーパーグローバルハイスクールの取り組みとして、毎年、16名の高校1年生が参加するもので、他民族、異宗教の子供たちと本校生徒が交流することで、互いに民族融和や平和について学ぶ貴重なプログラムであります。今後は訪問するだけでなく、ヴィサカ校の生徒たちが本校を訪問する計画もあります。両校の交流を通して、ジャヤワルダナ氏の志を受け継ぎながら、グローバルリーダーとしての資質、「共感と協働のこころ」が育まれることを望んでいます。

今年も8月下旬に高校1年生16名がスリランカに旅立ちます。本校の生徒たちや卒業生の中で、佼成マインドを持つグローバルリーダーの芽が着実に育っています。

(佼成学園女子中学高等学校 校長 宍戸 崇哲)