ヤングアメリカンズ佼成女子のヤングアメリカンズ(YA)のアウトリーチプログラムは、累計で2000人以上の高1生たちが受講してきましたが、11年目の今年、ついにこの日がやってきました。それは、佼成女子の卒業生2名が、YAのキャストとして来校してくれたこと。彼女たちに、アウトリーチ最終日にインタビューすることができました。
(左が未遊さん、右が海さん)

YAは、1962年に設立された音楽公演と教育活動を行う歴史と伝統のある非営利団体。佼成女子も毎年受講している「アウトリーチプログラム」とは出前授業を意味し、キャスト達が学校に出向いて子供たちとショーを作るという教育授業です。日本でも全国各地で500回以上開催され、参加者は12万人を超えたとのこと。キャスト達はそれぞれの歌やダンスもさることながら、子供たちの心を開いて能力を引き出す教育者としても高く評価されています。
キャスト達は、17歳~25歳までの約300人の若者で構成され、毎年オーディションで100人超が選ばれて入団しています。新人たちは、まずはアメリカ・カリフォルニアのYA本部で約8か月の間、レッスンや講習を受けます。その後世界各国のショーやアウトリーチツアーのオーディションに応募し、選抜されます。そしてツアー中にたくさんの世界中の子供たちと触れ合い、ホームステイ先で各国の人と文化と出会うのです。ただし、オーディションに落ちたら、次のオーディションまでトレーニングしながら待つしかないという、厳しい世界でもあります。
キャスト達はボランティアなので、YAにいる間は無報酬ですが、卒業生たちは歌や踊りの能力を生かしてショービジネスに進んだり、または教育業界やエンタメ産業などの分野に進む人も多いそうです。

大学を卒業した未遊さんと、本校を卒業した海さんは、昨年のYAのオーディションに合格、共に2016年の8月にアメリカに渡り、YAの本部のある南カリフォルニア州コロナで研修を受けました。4学年差があるのでそれまで面識もなく、2人が同時期にオーディションに合格したのはまったく偶然だったそうです。
未遊さんは今年の春のジャパンアドバンスツアーに参加し、経験を積んできました。2人とも現在は日本に住んでいるので、今回は日本に来ている2つのツアーのうち、参加できる日程だけ合流しているとのこと。
アウトリーチ最終日、キャストの唯一の休憩時間であるランチタイムに、佼成女子にYAを導入した前教頭の井上先生と一緒に話を伺うことができました。

― まずは、YAに入るまでのお話を聞かせてください。どのようにオーディションを受けたのですか?

未遊さん 私の場合、歌とピアノ演奏を録画し、スピーチも入れて、メールで送りました。内容は、演技でもダンスでも得意なことでいいんです。実は、違う年にも2回チャレンジしていて、3回目で合格したんですよ。

海さん 私は、YAがアメリカでやっている地元の人たち向けのサマーキャンプに参加して、最終日にオーディションがあったので、そのときに受けました。

― なぜYAに入りたいと思ったのですか?

海さん 高1でYAのプログラムを受けた時、すごく楽しかった。それまでは特に夢とかなかったのですけど、もしかして自分のやりたいことはこれかもと思ったんですね。でも英語が苦手だから、1回はあきらめたんです。それでもあきらめきれなくて、他のワークショップにも参加してみて、キャスト達を見ていて、やっぱりこういう人になりたいなあと思って。それからですね。

未遊さん 私も佼成女子時代に初めてこのワークショップに参加して、他の場所でのワークショップにも参加しました。そして、やっぱりワークショップという場所が好きだなと思って。YAには黄色いTシャツを着たボランティアスタッフがいますが、大学生の時にはそこに加わってみました。そのときに、それまでは楽しませてもらう参加者の目線だったのが、YAがどうやって子供たちを楽しませているかとか、課題を克服させているのかを見て、一生懸命やっている人はかっこいいな、私もやってみようかなと思いました。

井上先生 未遊さんは佼成女子にもボランティアスタッフで来てくれましたよね。留学コース出身で、ニュージーランドのジョン・キー元首相が本校に訪問された時には通訳もしてくれたほどだから、言葉は大丈夫だったでしょう。海さんはダンスがもともと得意だったし。苦労したことはありますか?

未遊さん 苦労したこと、ないわけじゃないけど、楽しかったことしか覚えてないタイプで(笑)。辛かったことは覚えているけれど、何が辛かったのか覚えてないんですよね。

海さん 私は高校時代の方が大変でした。英語が本当に高校の時から一番苦手な教科だったので、先生に助けてくださいとお願いしたり、英語ができる友達にアドバイスをもらったりして、がんばりました。

井上先生 私も海さんがYAに入りたいという話を突然聞いて、びっくりしたのを覚えてますよ(笑)。

― 研修期間中はどんな生活を送るのですか?

未遊さん 研修期間中は、1軒の家を4、5人でシェアして住みます。家は、ベッドルームとバスルームが2つ、あとリビングとキッチンという感じです。研修を受ける人たちはニューキッズと呼ばれて、私たちの時はだいたい130人くらいいましたね。

海さん 未遊さんとは、部屋は違いましたけど、同じ家だったんですよ。

未遊さん 月曜から金曜までは授業で、土日はリハーサルというスケジュールでしたね。

海さん 授業は、ピアノ、ミュージックセオリー、アクティング、ダンスがクラシックバレエとタップダンス、ジャズ、ヨガもやりました。

未遊さん あと心理学、社会学も。最初のオリエンテーション期間には即興演技の授業もありました。

― YAは子供たちへの指導にも定評がありますが、それはどうやって?

未遊さん 春には地元の小学校、中学校、高校に週1で出向いて、アウトリーチをする時間がありました。それに合わせてティーチングメソッドという教育について学ぶ授業もありましたが、基本、実践から学ぶ感じでしょうか。

井上先生 実際にキャストとしてやってみて、どうですか?

未遊さん 言葉にするのは難しいけれど、YAの仲間意識というか、チームワークが好きですね。1人がいくらがんばっても、周りががんばってくれなかったら何もできない。私はどちらかというとリーダーよりフォロワータイプなので、前に出て教える人になるというよりも、その人が教えやすい環境を作るためにがんばるのが好きですね。

井上先生 ワークショップでは日本人が通訳してくれますが、未遊さんの通訳はわかりやすかったですね。ジェスチャーが入ったりして。

海さん 本当に未遊さんの通訳はすごいですよ。同じ日本語でも、言葉のチョイスが違う。

未遊さん うまくできないときもありますけどね(笑)。ボランティアスタッフや研修生の時に日本人通訳を見てきて、勉強になることは多かったです。通訳の役割は、ただ日本語にするのではなく、言っている人の目的だとかユーモアも伝えないと。通訳のせいで空気を壊してしまったらいけない。この人はこういう人で、こういう言い方をするというのを含めて日本語にする感じです。

井上先生 今回、佼成女子の生徒を見て、どう思いました?

未遊さん 元気ですね!私が最初受けた時は、なにがなんだかわからずに3日間が終わってしまいましたから。今年の子は積極的な子が多いなと思います。

海さん 確かに。自分が受けた年と比べたら、パワーが上がってるなと思いましたね。3年前の私たちの代は、シャイな子ばかりで、3日目くらいでようやく慣れて自分を出せるようになってきたような感じでした。でも今年の子たちは、初日から元気だったのですごいと思いましたね。

― これから先の予定は?

海さん YAには2年目の人用の3か月の授業があるので、来月からアメリカに戻って、また授業を取ります。YAの次はどうするの?とよく聞かれますが、まだ始めたばかりで、いつ辞めるかも決めてない。ただ、踊りは好きなので、踊り関係の仕事ができたらいいなとは思っています。

未遊さん 私は春のジャパンツアーに参加したので、3月でアメリカのシェアハウスも出て、今は日本に帰ってきています。キャストに登録すればツアーの連絡が来るので、行きたいツアーがあればオーディションを受けます。授業の時以外はアメリカに住む必要はなく、その辺は自由なんですよ。私は秋のツアーは行かないで、日本でバイトして春のツアーに備えます。

― YAのキャストとして、ホームステイも経験されたんですよね。

未遊さん 私はホームステイ先には恵まれていて、夜遅くまでおしゃべりしたりとかして楽しんでいました。参加したのはジャパンツアーだったので、同じ文化だから問題ありませんが、他の国から来ている子にとっては、日本の家というのは、たまに違いすぎて慣れるのに時間がかかるのかなとは思いますね。私も他の国は未経験です。

海さん 私はまだツアーに参加していないので。これから海外のツアーのオーディションを受けます。行ければどこでも行きますよ。

井上先生 今でこそ、佼成女子のホストファミリーはわりとすんなり決まっていますけど、YAを始めた当初はなかなか受け入れてくれるご家庭がなくて。未遊さんと海さんのお宅は、本当によくキャストをホームステイさせてくれたんですよ。

海さん はい、もう、何十回もホストファミリーはしましたね(笑)。

― 佼成女子の後輩たちに言ってあげたいことはありますか?

未遊さん 自分の好きなことは、気が済むまでやってもいいと思います。あの時ああしておけばよかったと思うのは自分だし、その時に誰のせいにしても、時間や自分の幸せは絶対戻ってこないから。人を傷つけてはいけないけど、自分の幸せを追求することは決して間違ったことではないと思います。あとは、感謝を忘れずに。

海さん 似ているかもしれませんが、最初からダメとか思わないで、チャレンジしてみてください。例えばYAに入りたいのだったら、英語が壁になるかもしれない。だけど、すぐにあきらめないで、チャレンジは大切だなと思います。

ヤングアメリカンズインタビュー後は、あわただしくリハーサルに駆けつけた未遊さんと海さん。その後のステージでは、他のキャストと共にすばらしいダンスを見せてくれました。ワークショップ中は、自分たちが佼成女子OGであることを最後まで生徒たちに言わなかったというお2人でしたが、最終日のショーの後に宍戸校長から発表され、大拍手を受けたことは、既報の通りです。
非営利団体のボランティアであるYAのキャストは、続ける人でも4、5年だそうです。しかしお話を聞いているうちに、YAでの経験は、次に2人が選んだ道に確実に繋がると感じられました。
未遊さん、海さん、佼成女子に来てくれてありがとうございました。先駆者となったお2人の今後の活躍を祈ります。

(佼成学園女子中学高等学校 広報室)