7月5日(水)~19日(水)まで、高校2年スーパーグローバルクラス(SGC)2期生(生徒10名)を対象に、14泊15日のタイフィールドワークが実施されました。

タイフィールドワーク後半を報告いたします。

≪7月11日・火≫ チェンライ
後ろ髪を引かれる思いで、カレン族の村を後にし、さらに北のチェンライへと向かいました。途中、NGO団体「ミラー財団」に立ち寄り、見学。ここは特に山岳民族のアカ族やラフ族の少数民族を支援する団体で、その現状と支援内容を説明してくれました。また、施設内に多くの西欧人ボランティアがいたことも生徒に刺激を与えたようでした。
チェンライ市のホテル到着後、徒歩10分程離れているナイトバザールへ行き、周りが食べ物屋さんで囲まれた大きなステージ付きの食堂で、各自が食べたいものを注文して食べました。その後、バザールを散策し、生徒たちはタイ風のズボンやサンダル、お土産などを買い、両手いっぱいにしてホテルに帰りました。

ミラー財団にて
ミラー財団にて
ミラー財団にて
≪7月12日・水≫ チェンライ
午前中に行った「山地民博物館」では、前日までいたカレン族の紹介が、政府寄りの偏った紹介の仕方だったためか生徒は違和感を持ったようでした。さらに北へ向かい、「メーサイ国境」へ。イミグレーションを経て、国境を歩いて渡りミャンマーに入国しました。今までタイで見られなかった「物乞い」(タイでは法律で禁止されている)や女性の顔に指で白粉を塗った風習を見て、全く違う国に来たことを実感しました。タイに再入国した後、車で移動し、次の見学地は「ゴールデントライアングル」。タイ・ミャンマー・ラオスの三国がメコン川を境に国境を接し、生徒たちは河畔まで下りて茶色くにごる大河の水に触れていました。
ミャンマー入国 
ミャンマー入国 
ゴールデントライアングルにて
ゴールデントライアングルにて
≪7月13日・木≫ チェンライ~バンコク
一週間過ごした北タイから去る日は朝から雨。チェンライ空港でお世話になった押山先生(恵泉女学園大学)・カレンの人たち(私たちが村を去った後も二日間ずっと荷物を運んだり、ボディーガード役をしてくれました)と別れるときは、涙、涙、涙…。今日から研修の舞台は大都会のバンコクです。タイフィールドワークも半分を過ぎ、ホテルの会議室で前半を振り返り、レジナ訪問、カレン族の村、たくさんのNGO訪問で感じたこと、気づいたことを生徒全員が発表しました。

≪7月14日・金≫ バンコク
バンコク二日目。WAFCAT(Wheelchairs And Friendship Center of Asia Thailand)は日本企業DENSOが創立50周年を記念する社会貢献事業の一環として設立されたNGO組織。主に車いすを多くの施設に提供しています。会議室で説明を受けた後、支援しているサムットプラカーン県特殊教育センターを視察し、施設の子供たちとの交流を図りました。「ソーラン節」はタイに来て三回目、最後には施設の子供たちも一緒に踊りました。その後、舗装されていない水たまりの道を車で移動し、都市郊外の空き地(湿地帯)に掘っ立て小屋のような家に住むQue君(WAFCATから車いすを提供された)の家を訪問し、その環境のひどさに、みな衝撃を受けました。午後は、日本企業のAjinomoto(アユタヤ工場)を見学し、タイを拠点にサトウキビを原料とした「味の素」の最新鋭の工場施設を見学しました。この工場でただ一人の日本人スタッフさんに生徒たちはたくさんの質問を浴びせかけていました。

施設の子どもたちとの交流
施設の子どもたちとの交流
サムットプラカーン県特殊教育センターにて
サムットプラカーン県特殊教育センターにて
≪7月15日・土≫バンコク
この日は一日観光。バスで長距離移動。水上マーケットでは、モーター付きのボートで運河を30分にわたり航行し、終着点のマーケットでは取れたてのマンゴー・ドリアン・ジャックフルーツなどを思いっきり食べました。
午後は世界文化遺産のアユタヤ遺跡の観光。ガイドさんの説明を聞きながら、3つの寺院を見学しました。かなり陽射しが強く暑かったけれど、生徒たちは質問をしたり、タイ式の参拝の仕方を学んだりして、観光とはいえ学ぶ姿勢で参加している姿が印象的でした。途中、念願だったアジアゾウにもみんなで乗りました。
アユタヤ遺跡(ワット・ワイチャイモンコン)にて
アユタヤ遺跡(ワット・ワイチャイモンコン)にて
アジアゾウ
≪7月16日・日≫ バンコク
この日は、バンコクから180kmほど離れた観光地カンチャナブリへ。連合軍共同墓地や日本人慰霊塔を参拝し、整然と並ぶたくさんの捕虜兵士たちのお墓を前に、戦争の悲惨さを実感しました。事前に学校で映画「戦場にかける橋」を鑑賞したため、泰緬鉄道やクウェー川にかかる鉄橋にも生徒たちは関心を深めることが出来たようでした。
「生きなおしの学校」に到着すると、私たちがバスを降りる前から、施設の子供たちは手を振って出迎え、熱烈な歓迎を受けました。けれども、その子どもたちが背負い込んでいる悲惨な環境(児童虐待や親の育児放棄)を説明されて、それを乗り越えながらたくましく生活している健気な姿の子供たちに心を打たれました。
「戦場にかける橋」をバックに
「戦場にかける橋」をバックに
「生きなおしの学校」の子どもたちと
「生きなおしの学校」の子どもたちと
≪7月17日・月≫ バンコク
バンコク5日目は、発展する大都市の一角に忘れ去られたように昔ながらのトタンの長屋が連なるクロントイ・スラム街を歩くことから始まりました。その環境のひどさに生徒たちはみなびっくり。プラティープ財団へ到着後、ドゥアン・プラティープ先生のお話を聞き、「お金を支援するだけが支援ではなく、あなたたちがこうして来てくれることが、子どもたちにとって、お金に代え難い愛情を注いでくれることになる、それも支援のひとつです。子どもたちはあなたに会ったこと、微笑みかけてくれたことを決して忘れません」という言葉に「支援」についての考えを新たにしました。
午後の在タイ日本国大使館訪問は、生徒たちにとって貴重な体験となりました。一等書記官の方より「日本とタイの関係(今年は日泰国交樹立130周年)」「これからのタイの行方」についてのお話を頂き、改めてタイ王国が日本にとって、重要な国であるということが認識されました。また、たまたま佐渡島大使が在館中ということで、急遽お会いできることになり、大使館室に招かれて、生徒たちと親しく歓談されるというサプライズもありました。
プラティープ先生のお話を必死にメモする
プラティープ先生のお話を必死にメモする
プラティープ財団付属の幼稚園で
プラティープ財団付属の幼稚園で
≪7月18日・火≫ バンコク
今回のタイフィールドワーク最後の訪問施設となる国連ILO(国際労働機関)へ。事務局の方よりILOが様々な課題(児童労働の廃止など)の解決に取り組んでいることをお聞きしました。またニューヨーク、ジュネーブに次いで世界で3番目に大きいという国際会議場のステージにも立たせてもらい、グローバルな雰囲気を体感できました。午後は、バンコク観光では定番のエメラルド寺院(王宮)やワット・アルン(暁の寺)、ワット・ポー(涅槃像)をめぐり、異国情緒あふれるタイの伝統と文化を大いに満喫しました。
ILOの国際会議場にて 
ILOの国際会議場にて 
ILO正面入り口
ILO正面入り口
ワットアルン(暁の寺)にて
ワットアルン(暁の寺)にて
2週間にわたるSGC2期生10名のタイフィールドワーク。盛りだくさんの企画を生徒たちは積極的に取り組んでいました。すべてのプログラムが生徒たちにとって新鮮で貴重な体験となり、そして、ただ体験するだけでなく、生徒たちは多くのことを考え、これからの人生そのものに影響を与えたのではないか、と思えるほど充実した内容でした。そして、今回のタイフィールドワークが、2期生にとって、次年度のロンドン研修の大きなステップになることと信じています。

(文責:国際部 片桐)