pumpkins皆さん、こんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

第5回は、「先輩から後輩へ」と題してお届けいたします。

「在校生の皆さん。夢中になって頑張ったことは、一生の財産になると思います。部活を頑張っている人、必死になって受験勉強をしている人、それぞれ悩みを抱えながら頑張っていると思います。是非、夢中になれることを見つけて、最大限の努力をしてほしいです。その努力が将来の職業に繋がるか否か……とか、自分の利益になるか否か……という損得で考えるのではなく、別の尺度で考えてほしいのです。今の時期に、何か一つのことを頑張りぬくことで得られるものが、今後の人生の糧となるのではないでしょうか」

9月7日、第63回佼成学園創立記念日に男子校1000名女子校700名の生徒、100名を越える学園関係者を前に、女子校卒業生、丹野紗矢香さんが述べたスピーチの一部です。彼女は中学から6年間、佼成女子で学び、特進留学コース(KGGS)に在籍中にニュージーランドで一年間の留学をしました。ハードなプログラムや学習を乗り越え、高校3年時に英検1級を取得、現在、東京外国語大学でカンボジア語を学ぶ大学1年生です。彼女は吹奏楽部でも大活躍して、本校吹奏学部、都大会金賞受賞にも大きな役割を果たしました。私自身も彼女が中学生の時から英語の授業を担当してきて、留学の集大成とも言えるシドニー大学研修では、彼女の研究発表の質の高さと著しい成長に驚きと嬉しさを感じました。
そんな彼女が、スピーチ前半の件(くだり)で、大学では多くの優秀な学友に圧倒され、自分自身に自信が持てず、辛い思いをしていると話しました。優れた成果を挙げた彼女が、大学では新たな苦難や課題に直面していました。しかし、屈することなく、さらなる高みを目指して努力を続ける言葉が、悩みを抱える多くの在校生たちのこころに何かを届けてくれたのではないかと思いました。

本校では、9月23日、24日に乙女祭(文化祭)が行われました。三大行事のひとつで、子供たちの人間性を養う代表的な教育活動です。クラスや部活などが、本番を迎えるまで辛いことや苦しいことを経験し、意見や考えの違いを超えて協力することで得られる、大きな成果を実体験するものです。

歌やダンス、模擬店や研修報告、今年はSGH(スーパーグローバルハイスクール)研究発表会も同じタイミングで実施しました。盛りだくさんの内容で、今年は例年以上に来場者も多く、盛大に行われました。さまざまな活動発表のなかで、多くの子供たちの創意工夫や懸命な努力の跡、著しい成長が見られ、最終的に素晴らしいものを発表することができたと思っております。
しかし、そのような中でも、すべての人が文化祭の活動に積極的に取り組めたというわけではないでしょう。何となく努力することに意義を見出せない人もいたかもしれません。自分に自信が持てなかった人もいるかもしれません。全くもって自然なことだと思います。だからこそ子供たちは、各行事や日々の学校生活の中で活動を繰り返し、泣いたり、笑ったりしながら、山の頂上を目指して、厳しい道のりを一歩一歩、歩みを進めていくのだと思います。

卒業生の言葉を通して、文化祭での子供たちの様子を通して、活動一つひとつの裏側には、さまざまな出来事や思いが交錯して、その姿を形成していくのだと、改めて考える機となりました。

nature丹野さんが私たちに示唆してくれたこと、「今の時期に、何か一つのことを頑張りぬくことで得られるものが、今後の人生の糧となる」が、迷いや悩みを持つ人たちのサインポストになってくれることを願ってやみません。

またひとつのKOSEI MINDが先輩から後輩へ受け継がれ、輝きをみせた瞬間でした。

(佼成学園女子中学高等学校 校長 宍戸 崇哲)