オリジナルテキスト本校の特進文理クラスの日本史・世界史は、この3月に卒業した学年からオリジナルテキストを使うなど、更なる進路実績の向上を目指した取り組みをおこなっています。昨年度は特進文理クラスから上智大学・明治大学・立教大学などの難関大学の一般受験合格者を数多く出すことができました。今回は世界史にテーマを絞って、特進文理クラスでどのような点を重視した教育がおこなわれているかを2人の卒業生に話をうかがいながらご紹介できたらと思います。
お呼びした卒業生は早稲田大学社会科学部に進学した関口あかねさんと、上智大学経済学部経営学科に進学した高崎日奈子さんです。ちなみに、関口さんはセンター試験で100点、高崎さんは97点という結果でした。(聞き手:社会科主任 絹村)

― 歴史は覚えることがかなり多く、1年生や2年生はその量をどのようにして覚えたのかが気になると思います。お2人はどのようにしていましたか。

関口:世界史の大学入試では地図的な知識がよく問われます。私は特に地図が苦手だったということもありますが、いつも地図資料を参照しながら勉強していました。文字を読むだけではなく、空間的な知識との関連性を意識するといったことで、知識が頭に入ってきやすくなったと考えています。

高崎:私は世界史の用語集や学校のオリジナルテキストに書いてある情報を理解して覚えていました。

― 「理解」ということですが、単純に暗記することとの違いは何ですか。

高崎:(理解するということは)やはり因果関係などをつなげて考えていくということだと思います。他の事柄との関連性が感じられない事柄というものは頭に入りづらく、すぐに忘れていってしまう気がします。

卒業生座談会― 覚えることを少なくするために、不必要と思われる情報を省いて合理化して覚える勉強法も考えられますが、それについてはどう思いますか。

高崎:定期試験の直前などにどうしても詰め込んで覚えなければならないときは仕方ないですが、先ほど言ったとおり、長期的な記憶として考えると、ひとつひとつをしっかり網羅的に理解していく方がいいと思います。ある事柄が他のさまざまな事柄と関連性を持つことがわかればわかるほど頭に残ると思います。

関口:一度覚えても試験前に忘れてしまって同じことを繰り返すのは効率が悪いので、私も流れを理解して覚えた方がいいと思います。センター試験で100点をとるためには不必要と思われる情報が論述問題を書くときに決定的な役割を果たすこともあります。

― オリジナルテキストを作るにあたって、因果関係や経済的な背景、その出来事が与えた意義などを丁寧に説明するようにしてきたので、皆さんにそれを活用してもらえたことは嬉しく思います。

今回のセンター試験で2人とも申し分のない点数だったと思いますが、国公立大の試験や私大の試験のことを考えるとセンター試験は通過点になると思います。最終的に自分が行きたい大学の入試問題を意識して勉強できましたか。

高崎:意識していました。やはりセンター試験で満足していると、私立大学の難しい問題に衝撃を受けてしまいます。センター試験はあくまでも通過点として現状に満足せず、さらに上を目指していくべきだと思いました。

関口:私は国立大学を受けたので、論述の勉強をしながら覚えるようにしていました。あとは、政治経済や倫理も勉強していたので、そこで出てくる事柄は絶対に間違えないようにする、という意識で勉強していました。

― 学校の授業は高3の夏を過ぎたあたりに全範囲を終えることを目標としていますが、Out put programという問題演習の時間には、学校の授業を追って、初歩では一問一答だけでなくセンター試験や地図の問題などもバランスよく解いてもらい、それを一通り終えた後は、国公立・上位私大の入試問題を解いてもらっていました。いろいろなパターンの問題を解いてみることの意義やメリットは感じましたか。

高崎:テキストに書いてある頻出単語などはもちろん頭に入っていましたが、あまり重要ではないなと自分で決め付けてしまっている事柄もあって、そういったところが過去問で出てくることもあったので、勉強方法を改めるきっかけになりました。

関口:私もそう思います。参考書などで頻出ではないとされている事柄も、自分が志望する大学の過去問には記号選択問題ではなく、書かせる問題で何回か出てきたりしたので、過去問をやっておいてよかったと思います。

卒業生座談会― 最後に論述の勉強について聞きたいと思います。現代では、定められた目標に従ってただ生きるのでなく、自ら課題を発見し、思考しながら生きていくことがますます重要になっています。特進文理クラスの日本史・世界史では思考力と表現力が試される論述問題に対応する力をはぐくむことを最も重視してきました。問題に対して自分で考えて表現する論述問題に対応するにあたって何が重要だと思いますか。

高崎:基本的な用語などを理解していることは前提条件で、さらに因果関係が分かっていることや、事柄が遠い後世に与えた意義や影響をその都度考えてみる思考力が大切だと思います。いつも頭を働かせていないといけません。

関口:論述問題の練習をしていく中で、はじめて気がついたこと、理解できたこともあったと思います。論述をやる前には意識しなかったことが、論述の練習をしていくうちに意識できたということがたくさんありました。論述問題は自分に足りないことを気づかせてくれる重要な問いであると考えて、早くから意識することが大切です。

― 論述問題はとにかく書いて、友達や先生とその内容を議論したりして、丁寧に吟味することが必要です。高崎さんや関口さんには、問いの解釈や、自身の表現の意図について積極的な説明をしてもらうことを求めたわけですが、この経験はこの先の人生できっと役に立つことと思います。こうした力を養うために1年生のうちから意識したほうがいいことはありますか。

高崎:単語だけを覚えるのではなく、何事も徹底的に調べて、最終的にはテキストなどを見なくても自分で流れを説明できるくらいにすることが大事だと思います。

関口:説明から用語を連想するよりも、用語からあらゆる説明を連想するという転換が必要だと思います。

― 論述対策の授業で個々の解答の検討などを皆でおこないましたが、400字などの論述の問題を書いてもらって読ませてもらうと、書いた人の性格がわかったりして面白かったですね。今後も特進文理クラスの日本史・世界史では思考力・表現力を磨き、お2人と堂々と議論ができるような後輩を育てていきたいと思います。本日はありがとうございました。

(文責:社会科主任 絹村)