7月4日(水)~18日(水)まで、高校2年スーパーグローバルクラス(SGC)3期生(生徒10名)を対象に、14泊15日のタイフィールドワークが実施されました。

タイフィールドワーク後半を報告いたします。

7月13日(金)

バンコクでのフィールドワークが始まりました。この日の午前中は、在タイ日本国大使館への訪問です。一等書記官の方より「大使館の仕事、日本とタイの関係」についての講演を受け、ここでも生徒全員が質問し、その積極的な姿勢を高く評価していただきました。

午後は、日本企業デンソーが慈善活動として行っているWAFCATの事務所を訪問し受け入れスタッフの方より説明を受け、質疑応答。その後サムットプラカーン県にあるワットダムサムローン小学校(特殊学級)を訪問しました。本校生徒は歌の披露し、グループごとに分かれて子供たちに折り紙を教え、交流しました。学校を後にして、次に、WAFCATが支援を行っている家庭へ車椅子の譲渡式に立ち会いました。細い路地を入った奥まった家の女の子へ、事前にサイズや高さを調整した車椅子を運び、車椅子にテーブルをその場でつけて、贈呈しました。家族が見守る中、嬉しそうに笑顔で応えた女の子の様子を本校生徒たちも微笑ましく見守っていました。
WAFCAT
7月14日(土)

バンコクから西へ180㎞、カンチャナブリに向かいました。最初の訪問先は連合軍共同墓地。第二次世界大戦で日本軍と戦って犠牲になった多くの兵士(約6000柱)が祀られています。墓標に記されたあまりにも若い戦没者の年齢を目にした生徒たちは暫し無言でした。

泰緬鉄道
続いて映画「戦場にかける橋」の舞台となった鉄橋を見学し、そこから今も走っている泰緬鉄道に乗車し、クウェー川と並行して走る列車の車窓から入ってくる風をうけながら、昼食場所まで約1時間半の列車の旅。
昼食後、本日の宿泊施設でもある「生きなおしの学校」を訪問しました。ここはプラティープ財団が運営する施設です。施設の子供たち(3~13歳まで)のほとんどが家族の虐待を受けたり、母親があまりに若く育児できずに施設に送られてきたり、アルコール中毒や麻薬中毒で育児放棄されたり、という悲惨な過去を背負っているにもかかわらず、明るく元気な笑顔で、かえって、本校一行が勇気づけられ、癒されるようでした。子供たちと一緒に農作業をしたりスポーツやレクレーションをしたりして交流を深め、充実した時間を過ごすことができました。
生きなおしの学校
7月15日(日)

生きなおしの学校
朝からあいにくの雨模様。予定の農作業を変更し、交流を通して感じたことを振り返りながら、様々な問題点や疑問点に校長先生から答えていただきました。
その後室内でハーブ石鹸作りを施設の子供たちと一緒に行いました。片言のタイ語とジェスチャーでコミュニケーションをとり、最後のお別れの会では、みんなでハグして回り、大いに盛り上がりました。すぐに私たちの手を取り、ずっと手をつないで行動していた子供たち。私たちがバスに乗って「生きなおしの学校」を発つ時、いつまでも手を振って見送っていた子供たちの姿がバンコクに戻るバスの中で何度も思い出されました。
ハーブ石鹸作り
生きなおしの学校
生きなおしの学校
7月16日(月)

バンコクに戻って、昨日までお世話になった「生きなおしの学校」を運営しているプラティープ財団を訪問しました。お忙しい中、ドゥアン=プラティープ女史がわざわざ時間をとって下さり、スラム街の現状や財団設立の経緯について説明してくださいました。その後、財団の目の前にあるクロントゥイスラムの街並みを歩き、環境の悪い中で実際に生活している人々の暮らしを自分たちの目で直接確かめました。衝撃的な街の様子に生徒たちは一様にショックを受けていました。
プラティープ財団
プラティープ財団
その後、そのスラム街に立つプラティープ財団付属の「幼稚園」を訪問し、例によって歌を披露し、園児たちと一緒に折り紙を教えながら交流しました。
午後は、アユタヤ遺跡の観光です。江戸時代の初めまで多くの日本人がここアユタヤに住んでいた「日本人村」を見学しました。アジア象にも乗り、古都アユタヤのシンボル、「ワットプラシンサンペット」や菩提樹の根っこに仏頭がはまっていることで有名な「ワットマハタート」を見学しました。

アジア象
ワットマハタート
7月17日(火)

タイフィールドワーク最後の訪問先は、国連の専門機関であるILO(国際労働機関)です。厳重なセキュリティを経て館内に入ると、さすがに国際機関、たくさんの国々の人たちが働いていました。日本人スタッフの方々から「ILOの概略とILOを通じたアジア地域での日本の貢献」「アジア地域での社会保障に係る取組み」についてのお話を頂きました。生徒たちが次々と質問をするため、予定した時間を超過してしまいましたが、大使館を訪問した時と同じように、その積極的な態度をほめてくださいました。
ILO(国際労働機関)
チャオプラヤー川
午後は、バンコク市内の観光を行いました。市内観光としては定番の「エメラルド寺院」「王宮」「ワットルアン(暁の寺)」「ワットポー」。あいにく小雨のぱらつくお天気でしたが、黄金に輝く仏塔や涅槃像、チャオプラヤー川のほとりに聳え立つ白い大理石の仏塔は圧巻でした。
バンコク最後の夜、二週間のフィールドワークを振り返って、各自感じたことを全員の前で発表しました。その発表の内容で共通することは、とにかく楽しく充実したタイのフィールドワークだったということ。そして、日本を離れて外国から日本を見た時、自分たちがいかに恵まれているか、今の自分が置かれている環境に感謝できたこと。各自で掲げた研究テーマを深め、問題意識をもって帰国後、論文にまとめることへの前向きな気持ちが伝わってきました。高校3年になって行われるロンドン大学での研修につながる大きな収穫のあったタイフィールドワークとなったことが実感できました。それは、3期生の10名の生徒達が、みな仲良く、明るく元気で、集団行動を守り、誰一人具合が悪くなって離脱することなく、全員が取り組めたことの賜物と感じています。これからの活躍が楽しみです。

(文責:国際部 片桐)

タイフィールドワーク