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「KOSEIの個性」を育む

ハンドボール部皆さん、こんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

第4回は、「『KOSEIの個性』を育む」と題してお届けいたします。

福島の熱気あふれるスタジアムの中、甲高いホイッスルの音。気がつけば、互いをたたえ合い、涙を流しながら抱き合う生徒たち、両手を挙げて大きな声でありったけの称賛の言葉をかける、監督とコーチの姿がありました。
本校ハンドボール部が、春の全国選抜大会優勝につづき、夏のインターハイで全国制覇を果たした瞬間でした。それぞれの選手がチーム内での自分の役割を果たし、チームポテンシャルの最高の状態を創り出すのです。もしかすると、極限を超える力を生み出すのかもしれません。

書道部
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8月5日、愛媛の書道パフォーマンス甲子園の会場を訪れました。本校書道部の日本の美をテーマにした見事なパフォーマンスに皆が魅了されました。他校が力強さを強調するパフォーマンスが主流であったのに対して、本校はしなやかで優美な女性らしい動きが中心で、個性的な演技でした。完成した作品も品格のある素晴らしいものでした。
どの学校も6分間の発表のなかで、子供たち一人ひとりが自分のパートを完璧にこなすことで大きな表現体を完成していきます。小さな部分で不十分さがあれば、たちまち作品そのものに影響がでるのです。表現される個性が一定のレベルを持って互いに融合すると、作品そのものが輝くのだと思います。
 
このふたつの子供たちの取り組みをみて、あらためて感じたことがあります。大きな目標を達成するときに、各パートの働きが全体に大きく影響する。また、その働きが安定し十分なものであると、私たちが想定するもの以上の成果をもたらすのかもしれない。ということです。
 
教育の場で夏は特別なときです。植物たちが眩いばかりの日の光を浴びて大きく葉をのばすように、子供たちは時間(とき)という光を浴びて、それぞれの個性を伸ばします。
本校でも、今夏、部活動に限らず、講習、海外研修、合宿、生徒会活動などで、日常という枠を超えて、大きく成長した生徒たちの姿を見ることができました。それは何の説明も必要ない身体からにじみ出るオーラのようなものです。

本校は個性を育む一方、個が互いの立場を理解し、共感することを大切にしています。また、その個性が集まり、協働することによって、個人では超えられない壁を超えた事例をたくさん見てきました。まさに輝く個性が互いを磨き、溶け合い、大きな個性を生み出してさらに輝きを増すということだと思います。

この「KOSEIの個性」をこれからより一層大切にしたいと考えます。

(佼成学園女子中学高等学校 校長 宍戸 崇哲)

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