宍戸校長のBack to Basics Back to Basics

平成30年度卒業生へのことば

桜の花皆さんこんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「平成30年度卒業生へのことば」と題してお届けいたします。 

今年北日本では史上最強寒波に見舞われ、全国的に厳しい冬となりましたが、ここ世田谷の地では、穏やかな陽光が差し込み、生命力に満ちた本校の桜のつぼみもほころび、暖かい春の訪れを感じられるようになりました。この佳き日に多くのご来賓ならびに保護者の皆様に本校卒業式にご参列いただきましたこと深く感謝申し上げます。
ここにいらっしゃるご来賓の方々には、さまざまな場面で子どもたちを親身になって支えていただきました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。皆さんこんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「既存の枠組みを超えて子供を育てる」と題してお届けいたします。

ただ今、卒業証書を手にした210名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんの旅立ちを心からお祝い申し上げます。
6年間あるいは3年間、本校で過ごした日々、今、皆さんの脳裏には、どんなことが蘇ってきますか。
本校には授業以外でも多種多様な教育活動があります。3大行事、修学旅行、部活、海外研修や合宿など、挙げればきりがないほどの活動の数々。そのような中で、自らの限界を超えて努力したこと、友達や先生方とともに過ごして楽しかったこと、素晴らしい成果を目の前にしてうれしかったこと、他者との人間関係で思い悩んだこと、思い通りにいかず、辛く悲しかったこと。これらすべてが皆さんの人としての成長の糧となったのです。

先日、私が出勤するため学校に向かっていると、黄色い帽子をかぶり、自分の背中よりも大きなランドセルを背負って、誰かと会話しているかのように、ぶつぶつ独り言を言いながら歩いてくる女の子とすれ違いました。その日は寒さが厳しい朝でしたが、元気よく歩く姿がとても微笑ましかったので、私は「おはよう」と声をかけました。その子は、少し戸惑った様子で、「おはようございます」と言って、小走りにかけていきました。しばらくすると、真新しい家の玄関で小さな傘を持ちながら、心配そうに立っている若い女性がいました。私が女の子に挨拶したのを見ていたのか、その女性も私に笑顔で 「おはようございます」と声をかけてくれました。 女の子のお母さんだと思いました。
ごくありふれた日常的な出来事かもしれませんが、子どもを想う親の愛情の深さを感じました。お母さんの表情から、「あの子に傘を持たせればよかった」「あんな薄着で寒くないかな」「車に気をつけてね」などの 言葉が聞こえてくるようでした。
皆さん、小さかったころを思い出してください。ご家庭で同じような経験があったかもしれません。赤ちゃんで記憶のないころから、陰に陽に、保護者やご家族、周りの人の深い愛情と温かい施しに支えられ、皆さんは今日の日を迎えることができたのです。ひとりで成長できたわけではないのです。その無償の愛情や支えに対する感謝のこころを、たとえどんな境遇にあっても、歳を重ねても、私たちは決して忘れてはならないものだと思います。
私には人生の節目に自問自答する問いがあります。それは「人はなぜ生きるのか」というものです。生きている間、その答えを探し続けるのかもしれません。また人によって、その答えは千差万別、様々なものがあるでしょう。
人は人の存在があるからこそ生きているのだと私は考えます。先ほどの女の子はお母さんがいるから、お母さんは娘がいるから、互いを思う気持ちがあるから、人生を生きられるのかもしれません。
皆さんの場合はいかがでしょうか。皆さん一人ひとりがここに存在することこそが、ご家族に生きる力を与えているのです。逆に家族の存在が皆さんに生きる力を与えているのです。友達や先生方の人生にも大きな影響を与え、また与えられているのだと思います。それぞれの存在が人として生きていくことに作用しあっているのです。皆さんには、そんな喜びや悲しみを共有して、支えてくれる周りの方々の気持ちを理解し、その気持ちや行いに深い感謝ができる人になってほしいのです。
この作用は、小さな家庭から始まり、学校や職場、社会、最終的には地球規模の関係に発展していくはずです。皆さんは学校を巣立ち、社会人となり、今まで受けてきた様々なご恩をご家族やお世話になった方々に返す時が来たのです。保護者の方々に直接返すことができなくても、社会で他者に役立つことで、その恩返しができるのです。
「人はなぜ生きるのか」。 人は人に生きる力を与えるために、生きるのかもしれません。
その力が互いに作用し、人間同士が協力しあってより良い社会を形成していくのです。

佼成学園の設立理念は「国際社会で平和のために貢献できる人材を育成する」というものです。この崇高な理念を実現するため、校訓の行学二道や「5つの実践」という実践項目があり、独自の教育活動が存在します。皆さんはこのような学びの環境のなかで、人の喜びや悲しみに共感しながら、高い共通目標実現のために協力、協働することを見事に身につけられました。佼成女子の子供たちには人にやさしくできる思いやりの心と人を笑顔にする明るさがあると言われます。このKOSEI GIRLS MINDを身につけた自分の存在に自信を持ち、人の生きる力に光を与え、どんなに辛い困難に直面しても挫けず、自分の夢へと続く道を切り開いていってください。その姿が、皆さんの存在が、これからの日本や国際社会の未来を切り開くことになると信じています。

最後になりましたが、保護者の皆様、お嬢様のご卒業、誠におめでとうございます。お嬢様は人生において最も多感な時期を過ごしました。それを見守る時には楽しみや喜びが多い反面、語りつくせぬ心配やご苦労もあったことだろうと思います。まだこれからも続くことでしょう。しかし、どんな時でも私たち大人の前 向きに生きる姿が子供たちを励まし、夢に向かい生きる勇気を与えるのではないか。また、私たちは日本や国際社会を支える大人として、いつまでも子供たちの進む道に温かい灯を灯す存在でありたいと思います。
それでは、卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時です。胸を張り、笑顔で美しく飛び立ってください。皆さんが社会で人の生きる力となれる素敵な女性になることを心から祈り、私のお祝いの言葉といたします。

学校長 宍戸 崇哲

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