宍戸校長のBack to Basics Back to Basics

宍戸校長の【Back to Basics】~新時代、新しい教育の形

皆さんこんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「新時代、新しい教育の形」と題してお届けいたします。

新元号「令和」新元号「令和」が制定され、五月より新しい名の時代が始まります。新風が吹くなかで、2024年には新紙幣が発行されることが決まりました。5千円札の肖像に津田梅子さんが採用されるそうです。彼女は日本で最初の女子留学生として、岩倉使節団に随行してアメリカへ渡りました。わずか7歳の時から10年間の留学を通して、先進的な学問は言うまでもなく、現地家庭のアメリカ文化の中で人としての礎を築かれたのだと思います。明治の日本文化の中で女性は「女子は男性社会を陰で支える存在」「良妻賢母」という位置づけだったため、帰国後、彼女のなかで様々な葛藤があったに違いありません。

津田梅子さんは、女子英学塾(津田塾大学)を設立
wikipediaより

明治33年、津田梅子さんは、女子英学塾(津田塾大学)を設立して、「男性と協働して対等に力を発揮できる女性の育成」を理念に掲げて、日本女性の地位向上と女子教育に身を捧げられました。卒業式では「古い時代の拘りは捨て、新しいことを求めつつも、良き伝統に関しては大切にしてほしい」との言葉を贈っていたと言われています。「留学」や「女子教育」という点で本校と馴染み深く、私たちの取り組みにも通じる深く含蓄ある御言葉だと思います。

現在、全国には約5000の高等学校がありますが、そのうち男子校はわずか125校、女子校は全体の6.5%、325校とされています。(平成二十五年度資料)しかしながら、ここに来て別学のメリットが見直され、再び注目を集めています。学業面での成績の伸びは、欧米でも韓国でも別学の優位な結果が報告されています。加えてジェンダー論の観点からも、学生時代に別学で過ごすことが自分本来の個性や人間性を高めるために有効だとの研究もあります。実際に社会に出て、女性が女性らしくではなく、その人らしく活躍するために女性だけの環境で学ぶことは、多くの女子大・女子校出身の女性リーダーの活躍から見ても深い意義があることだと認識できます。本学園では設立者の考えから創立以来65年間、別学教育を進めて、男子校、女子校の形で歩んできております。本校は、これからも女子教育の優位性を大切にして、優れた教育的効果を求めていきたいと思います。
さらに、本校ではこのような基盤の上21世紀型教育を強力に進めております。生徒が主体的に学び、自らが思考して、表現する。また、自らの考えを他者の考えと合わせて協働して、大目標を達成していく。

生きる力私たちはこの流れを学校全体でより成果の挙がるものとするために、これから準備に一年をかけて、来年度より現在の各学校行事を大きく変革していきます。そのうちの最も大きな試みが、「中間試験廃止」です。これは日本の教育改革の流れに沿い、新たな学びの環境を整える中で、新しい授業形態や評価システム構築が必要であることに起因します。生徒の主体的学習を担保するには、一定のまとまった時間が必要であり、生徒の思考や表現の活動を最優先にしたいと考えたからです。従来のような知識偏重の、試験に向けた学習でなく、生徒が主体的に学習計画を立てて、充実した探求や発表の場を確保することで、多様な大学入試選抜に向けて、授業の中で多くの実りある経験の機会を確保することができるようになります。また、この試みは現在のすべての教育活動の在り方に影響を及ぼし、局所的でなく、全校レベルで新しい教育の血を巡らせることになるでしょう。
このようなときに、津田梅子さんのことば「新しいことを求めつつも、古き良き伝統を大切にする」を噛み締めて、子供たちの成長を精一杯支えていきたいと考えています。

学校長 宍戸 崇哲

 

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