宍戸校長のBack to Basics Back to Basics

”One Team” ラグビー日本代表から見えたもの

 皆さんこんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「”One Team” ラグビー日本代表から見えたもの」と題してお届けいたします。

 

 「ラグビーWorld Cupが素晴らしい!」連日の熱戦に日本が大いに盛り上がっています。激甚災害に指定された台風19号で被害が拡大する状況下で13日、4戦連勝して、日本代表チームは初のベスト8進出を決めました。その闘いぶりは、悲しみや苦しみに包まれている日本の国に一筋の光を照らすものとなりました。

 ラグビーのことをほとんど知らない私でも、日本メンバーの気迫のこもった一つ一つのプレーやボーナスポイントを獲得するため最後までトライに臨む姿、ノーサイドのホイッスルを機に対戦相手同士が互いの健闘をたたえ合う精神などに深い感動を覚えます。また、リーチ・マイケル主将率いる日本代表チームの半数にあたる15名が外国人出身者だそうです。この15名の選手を含めて、チーム全員が競技上のスキルアップだけでなく、代表チームのメンバーとして、日本の歴史や文化を学んでいると報じられていました。それも表面的なものではなく、武士道精神や日本人の佇まいを心に落として試合に臨んでいるとのことでした。ニュース映像では、日本チームが「君が代」の一節「さざれ石の巌となりて」の深い意味を知るべく、日向市大御神社のさざれ石を訪問されている様子が流れていました。こうした事から、私はいくつかのことを思い出したり、気づいたことがありました。

 

 2002年以来、本校の1年留学コース及び中学修学旅行、ターム留学(3ヶ月)の研修はNew Zealandで実施しています。研修地の選択には一般の想像以上に深い意味があります。英語を学ぶ環境、生徒の安全確保、費用の問題等は当然のことであります。しかし、本校がNZを選択する理由は他にあります。それはNZが様々な面で世界をリードする新しい時代の先進国であるということです。女性が社会で活躍できる国であること、働き方改革の施策でも先進的な取り組みをしていること、TPPに代表されるような経済的施策でも指導的な役割をしていること、環境問題に積極的に取り組んでいること、先住民マオリと移民が調和的発展を進めていることなどです。特に、マオリ文化を国策として教育や社会に取り入れて、国民が協働の形を構築している姿に、当初私は深い感銘を受けました。その象徴がALL BLACKS(ラグビーNZ代表チーム)であると思います。私たちはNZ国民のALL BLACKSに対する特別な思いや試合前に披露されるハカや女性の舞踊ポイの意義なども深く学ぶ機会がありました。

2010年11月11日、NZ首相ジョン・キー氏が本校に来校された際、私はキー氏に上記のようなNZの取り組みに感銘を受け、貴国の方々と日本の子供たちが交流することを誇りに思う旨、お伝えしました。キー氏は私の言葉を聞きながら、本校のグローバルセンターに掲示されていた24校のNZ提携校のポスターやALL BLACKSのポスターをご覧になられ、嬉しそうに“Follow your dreams” (夢を追い求めて)という言葉と、日本に対する感謝の意を述べられました。来校記念と本校への特別な思いを込められ、グローバルセンターを ”The John Key room”と名付け、プレートに刻まれる名前をその場で署名されました。このようなことを鮮明に思い出しました。

 さらに、日本代表チームを中心に私たちの社会が大きく動いていることに気づきました。多様な人たちが日本人として一つのゴールに向かって、協力・協働しながら努力を重ねていく。それを応援するサポーターも相手に敬意を払いながら、それぞれの健闘を称えて、日本を訪れた方々に日本人の心やその生き方を伝えていく。単に一国民ではなく地球のone teamとして共生する姿を見せていく。これはラグビーの世界だけでなく、政治や教育、ビジネスの分野でも同じことが起こってくると思います。まさに新しい時代の人と人の繋がり方やこれからの日本社会の有様が、ラグビーの試合を通して現れてきているのだと感じます。本校の大切なパートナー国、NZから多くのことを学び刺激を受けながら、私たちも社会のあり方、人との関わり方を変えていく転換期に入ったのだと実感しています。

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