宍戸校長のBack to Basics Back to Basics

新たな時代の高大連携

 皆さんこんにちは。校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「新たな時代の高大連携」と題してお届けいたします。

 

  本校の正面玄関からロビーに入ると大きな写真パネルに気がつきます。1994年11月バチカンにて、ローマ教皇ヨハネパウロ2世聖下と本学園創立者庭野日敬先生が並んで座られ、会議に臨んでおられる様子です。このことは国際社会の中で、画期的なことであると同時にまさに大きな意味のあることだったと思います。カトリックの方々からすると、教皇様は神の代理であり、人々が尊敬と愛を注ぐ、信者13億人の父のような存在でもあるそうです。その方と異宗教の庭野先生が平和社会構築のために宗教の違いを超えて手を携えられた姿には、あらためて深い感銘を受けます。

 

 私はアメリカ、英国でそれぞれ1年生活した経験があります。また、学校業務として欧米やアジア諸国を訪問して現地の方々の暮らしを見ますと、平常の中にしっかりと宗教が根付いていることに気づきます。宗派は様々だと思いますが、毎日曜日には家族で教会へ行き、午後は社会的なボランティア活動をするご家族も少なからずいます。本校の生徒たちは特定の宗教を持たないご家庭の子供たちが多く、現地のご家族と共に生活する中で宗教的活動が日常生活の中にごく普通に存在していることに驚きを感じるようです。しかし、1年の留学生活を終えて帰国報告会で成果を発表する段になると、現地校での宗教的儀式を生徒たち自身が披露してくれるまでに浸透して、日常の一部になるようです。

 国際社会で地球市民として互いに共通する大目標に向けて協働するためには、それぞれの違いを理解して、相手の立場や考え方に共感することが必要です。世界の人々のことを知るには、それぞれの考え方の礎となっている宗教を知ることが大前提となります。本校では国際理解科を中心に、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンズー教などの世界の宗教全般を分け隔てなく、グローバルリーダーの素養の一つとして学んでいます。

皆さんの中には、佼成学園は立正佼成会の信者の学校だと思われている人もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。宗教の違いを超えた、広く開かれた国際的な学校です。創立者の理念や上記のような活動から、そのことは自ずと表れています。

 

 冒頭の象徴的な出来事から四半世紀が経過した今年の11月8日、上智大学学長曄道先生が本校全校生徒を対象に「地球に生きる。時代を生きる。」と題してご講演いただきました。講演後は、高校1年生の代表生徒たちと親しくワークショップを行われ、高3の生徒たちの質問にも丁寧に親身になってお応えいただきました。このことは、新しい教育を強力に推進する本校にとって誠に栄誉なことであると同時に、将来の日本の教育の姿を表す象徴的なことであると考えます。キリスト教、仏教という宗教の枠を超えて、志高い日本の子供たちの成長を共に支える、新しく意義深い、本当の意味の高大連携の始まりであると言えます。

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