宍戸校長のBack to Basics Back to Basics

「中学卒業生に向けての言葉」宍戸校長の【Back to Basics】

 皆さんこんにちは。学校長の宍戸崇哲(ししどたかのり)です。毎月1回、校長としての私の感じたことや考えを「宍戸校長の【Back to Basics】」と題して、本校HPで発信していきます。学校や生徒のことを中心に社会の出来事なども交えて、皆さんと何かを共有できればと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。今回は「中学卒業生に向けての言葉」と題してお届けいたします。

 

 この1年は世界がコロナ禍と立ち向かう年でありました。厳しい情勢は今もなお続いています。皆さんにとっては健康の不安、学びへの障害、成長する機会を奪うものとの辛い闘いであったに違いありません。また、今までになかった価値観やそれによる新たな動きや仕組みが突然眼の前に現れ、戸惑うことばかり。私たちがそうなのだから、皆さんはそれ以上の気持ちを抱えていたことでしょう。このような世界的難局の中で、中学生として自分の進路を定めることは、誰も経験したことがなく、不安と心配で本当に苦しかったですね。また、生徒の学びを支える学校や社会にとっては、初めて直面する正解のない難題に苦慮し、試行錯誤を繰り返す挑戦の日々でありました。本校は「オンライン学校」と銘打って、子供たちの学びを止めないという強い意志で可能な限りの代替の取り組みを探り、何とか進めてきました。皆さんはこのような状況を乗り越え、本日立派に中学修了の日を迎えました。

 しかし、この式典も従来のものとは異なる縮小した形式で実施しております。皆さんの心には様々複雑な思いがあると思います。悲しく悔しい思いでしょう。本当に申し訳なく残念に思います。ただ、物事の本質は形や方法でなく、そこにある人の思いであろうと思います。中学修了に際しての皆さんの様々な思い、特に保護者や友達、お世話になった方々への思いは、一人ひとりに向けて、様々な手段で伝えていけば、いつもよりも深く意味のある、唯一無二の旅立ちになると思います。私たち教職員も真心を込めて、できる限りの形で皆さんの輝かしい門出を見送りたいと思います。

 

 さて、それぞれに卒業証書を手にする40名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんの旅立ちを心よりお祝いいたします。

 期待と不安で胸いっぱいだった入学から3年間、本校で過ごした日々、今、皆さんの心にはどんなことが蘇ってきますか。

 この学校には多様な教育活動があります。生徒会を中心とした3大行事、修学旅行、日々の授業やプレゼンテーション。英検や各検定試験。研修や合宿、様々な部活動など、挙げればきりがないほどの活動の数々。そのような中で、自らの限界を超えて努力したこと、友達や先生とともに過ごして楽しかったこと、素晴らしい成果を勝ち取ってうれしかったこと、他人との人間関係で思い悩んだこと、思い通りにいかず、辛く悲しかったこと。そして中学3年を迎えようとした時に突然世界が変わったコロナ禍による厳しい状況に立ち向かったこと。これらすべてが皆さんの人としての成長であり、それぞれの心に刻まれ、深い人間力になったのです。この力は万能で、何をするにも基礎となるものです。ただ高い知識を持っているだけではPCやスマホと変わりないことになってしまいます。知識を知恵に変えて、その人の心を持って対応するからこそ、正解のない課題に挑戦できるのです。

 

 高等学校以降の進路実現について、皆さんと面談する機会がありました。まずは、校長室に入る際の礼儀作法、さらに明るい挨拶や的確な内容の受け答えなど、どの生徒もしっかりと行っていて大変立派でした。「将来どのようなことをしたいですか。」という質問に対して、皆さんの中で、「コロナ禍を見ていると、人の役に立つことをしたい。」と言った人が複数いました。中には、「医療従事者の方は大変だと思う。自分も医療に関わって、人を助けたい。」と具体的な強い思いを語る生徒もいました。短時間の面接ではありましたが、入学からこれまでの皆さんの有意義な学び、困難や苦労を乗り越えてきた、大きな成長を感じることができました。本校が大切にしている『5つの実践』が皆さんの生活の中で着実に育ち、人間力育成に繋がっていると思えて、大変誇らしく感じました。

 もう一つ申し上げたいのは、皆さんの英検での成果です。この中の3人は中学生で準1級に合格しました。本校に入学してから英語を学び、受検したこともなかった中で、3年間で準1級まで取得した人が複数いると聞いています。学習環境もありますが、自分を律して、努力を重ねてきたこその成果だと思い、心から敬意を表したいと思います。言うまでもなく、その他の級の合格でもそれぞれの努力に対して、全く同様のことが言えます。さらにこれは、英検やその他の学業だけでなく、部活動や皆さん自らが取り組んでいる全てのことに共通していることです。

 

 佼成女子の子供たちには人に優しくできる思いやりの心と他人を笑顔にする明るさがあるとよく言われます。まさに皆さんの素晴らしい人間力が育ちつつあるということです。これからも自分のために、また大切な周りの方々のために、家庭や学校、社会でこのような行いを続けていってほしいと思います。

皆さんは、このようなMINDを身につけた自分たちの存在に自信を持ち、人の生きる力に光を与え、現在世界、日本が直面している困難に屈することなく、自分の夢へと続く道を切り開いていってください。その姿が、皆さんの存在が、これからの日本や国際社会の未来を切り開くことになると信じています。

 

 最後になりましたが、保護者の皆様、本日は中学修了式にご参加くださり、誠にありがとうございます。お嬢様のご卒業、誠におめでとうございます。お嬢様は人生において最も多感な時期を過ごしました。それを見守る時には楽しみや喜びが多い反面、語りつくせぬ心配やご苦労もあったことだろうと思います。まだこれからも続くことでしょう。しかし、今世界が直面しているこの難局も、私たち大人の前向きに生きる姿が子供たちを励まし、夢に向かい生きる勇気を与えるのではないか。また、私たち、国際社会を支える大人がいつまでも子供たちの進む道に温かい灯火をともす存在でありたいと思います。

 これまで本校の教育活動、コロナ禍による学校の教育活動全般の変更に対してご理解ご協力をいただきましたこと、学校を代表して深く感謝申し上げます。

 

 それでは、卒業生の皆さん、いよいよ旅立ちの時です。胸を張り、笑顔で美しく飛び立ってください。皆さんが社会で人の生きる力となれる素敵な女性になることを心から祈り、私のお祝いの言葉といたします。

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