佼成女子News一覧 Kosei Gakuen Girls' News List

スーパーグローバルクラス2期生 学びの主体性を高める冬合宿(その1)

12月19日(月)~21日(水)、高校1年生のスーパーグローバルクラス(以下SGクラス)2期生は、留学クラス13期生と一緒に2泊3日の合宿を行いました。

開校式と活動準備

今回の合宿は、方南町にある立正佼成会第二団参会館という8階建ての総合宿泊施設で実施しました。朝の開校式で本校国際部長の宮川先生から「主体的に考え、主体的に動く」ことが合宿の目的であると訓辞を受け、活動を開始しました。午前中は各自のプレゼン資料や英文原稿の手直しを入念に進めました。

ミャンマー料理店でランチ

ミャンマー料理店でランチ昼前に電車で高田馬場へ行き、ミャンマー料理店「ルビー」でランチを頂きました。ミャンマー人ご夫妻が経営されているお店で、壁にはミャンマーの地図、金色の仏像を安置した棚、アウンサンスーチーさんの写真などが掲げられており、祖国に寄せる思いがひしひしと感じられます。生徒達はメニューをのぞき込み、8種類あるランチの中から、チキンとジャガイモの煮込みや、モヒンガーという麺料理などを楽しそうに注文していました。高田馬場周辺は「リトルヤンゴン」と称されるほど、多くのミャンマー料理店や雑貨店が点在しています。ミャンマー料理は、タイやベトナムとはひと味異なる独特の風味がありますが、生徒達は全員美味しそうに食べていました。頭だけでなく体で味わう異文化も大切ですね。

NPO法人APLAさんを訪問

NPO法人APLAさんを訪問満腹になったSG一行は、早稲田通りと明治通りを歩き、東新宿にある特定非営利活動法人APLAさんの事務所を訪問しました。事務局長の吉澤さんが迎えて下さり、会議室でAPLAさんの活動内容についてご講義頂きました。APLAという名はAlternative People’s Linkage in Asiaの頭文字をとったもので、Linkage(つながり)という言葉が表す通り、アジア各地の生産者との持続的な関係構築を大事にして、顔と顔が見える交易すなわち民衆交易の仕組み作りに力を入れて活動されているとのことです。

NPO法人APLAさんを訪問吉澤さんは15,6歳の生徒達が具体的に理解できるよう、バナナという一つの農産物から見える世界について、フィリピンでの取り組みを中心にプレゼンテーションして頂きました。日頃スーパーで目にするバナナがどのように栽培され流通経路に乗ってくるのか、島々の自然環境や労働環境の実態がどうなっているのか、世界的に進む「フェアトレード認証」とは異なる形でのフェアトレードがなぜ求められているのかなど、現地で長年活動されてきたからこそ得られる知見を惜しみなく教えて頂きました。
SGクラスは高校2年夏に半月以上にわたってタイでフィールドワークの実習を行います。その中では、フェアトレードを通じた地域の自立についても学びます。今回、吉澤さんから学んだことは、東南アジアの農村が抱える問題を考える切り口になるだけでなく、私たちの日々の消費生活を対象化して捉え直すきっかけにもなりました。

青山学院大学によるワークショップ

青山学院大学によるワークショップ合宿での学びは夜も続きます。初日の夜は、青山学院大学・地球社会共生学部(GSC)の学生さん達にお越し頂き、大学生の皆さんが自ら企画立案したワークショップに参加しました。演劇ジェスチャーというロールプレイなどを通じて、皆で「一歩踏み出す」ことの大切さを身体的に学ぶ体験をしました。GSCの皆さんは、在学中に半年間の留学が義務づけられています。留学の事前事後学習を重視している点は本校と同じです。一方、大学生達は高校生よりも視野広く臨機応変に行動する力が抜群に身についており、見習うべき点が多々あります。GSCの皆さんとの交流は今後も実施する予定です。次回はアカデミックな内容になるようです。とても楽しみですね。

プレゼン大会

「フィールドワークを通じた多民族社会における平和的発展の研究」。これが本校のSGH研究テーマです。研究の調査手法として、現地でのインタビューやアンケートなど、フィールドワークが必須となります。SG生は10月以降、二人一組になってテーマを設定し、その研究意義・仮説・調査方法を予め決めた上で、休日に現地調査を行いました。この日は、そのプレゼン大会を留学クラスと合同で実施しました。どのペアも、5分という制限時間をフルに使って、精力的にプレゼンテーションしました。

プレゼンテーション
国際結婚率が低い日本。その要因は言語?それとも?
プレゼンテーション
沖縄だけではない。横田基地周辺が抱える問題とは?
プレゼンテーション
広島での感動的なオバマ演説。日米の世論は変わった?
プレゼンテーション
パスポート取得率とグローバル化。相関関係はあるか?
プレゼンテーション
国際化する地域社会。多文化教育は共生に貢献するか?
プレゼンテーション
「国際結婚」ペアが優秀賞を受賞!

初めてのフィールドワークでしたが、それぞれに独自色を出して、聞かせどころのある発表をしてくれました。しかし、アンケート項目の妥当性や、データから結論を導き出す論理性など、まだ緻密さに欠ける点が数多くありました。授賞式後、受賞できなかった生徒達は本当に悔しそうにしていました。この気概こそが、次のフィードワークを成功に導く着火点となります。自分たちの強みと弱みを精細に分析し、来年新たなテーマにチャレンジする際に必ず活かしてくれることでしょう。
合宿後半の記事はまた後日。どうぞお楽しみに。

(文責:国際部 秋田)